子どもどうする?

出産タイムリミット。子どもどうする?

中村陽子/心理カウンセラー

子どもがほしい、ほしくない。
人それぞれ、いろんな思いがあるけれど。
出産タイムリミットが迫ってくると、「子どもどうする?」の声がカラダから聞こえ始めます。

子どもを持つなら、そろそろ最後の時期だよ。
カラダから、まるでそんなことを言われているような気持ちにもなってきます。

子どもにまつわる事柄に、敏感になっている自分も感じます。
なぜか、胸がチクチクするんです。
子どものいる人を見ると、胸がチクチクするんです。

昔、子どものいない女性たちの取材でこんな言葉を聞きました
「ある年齢になると、カラダが子どもを産むなら最後だと叫び出すのよね。DNAが叫ぶのよね」

当時「そういうものなのか~」と思ってたんですが、自分がその年齢になったとき「うわ、ほんとだ」と思いました。

女性にとって子どもって、本能的なものも関係してるのかもしれないなと私は個人的に思っているんです。

友達の出産を喜べないのは、心が狭いからじゃない

私の話をさせてくださいね。
私は40歳を超えてから、ものすごく子どもがほしくなったタイプなんです。
独身。相手もいない。

40歳から42、3歳ごろまで、とにかく体がつらかった。
子どもがほしい~って、満月に月に向かって吠えたくなるような感じがあって。
夜になると「叫びたい~」みたいな感じになりました。

小さな子ども連れの家族を見るたびに、胸がチクチク痛みました。
「どうして自分には、持てないんだろう」とそのたびに思いました。

職場に産休中の女性が赤ちゃんを連れてきたときは、とてもじゃないけどその場にいることができなくて、仮眠室に逃げ込みました。

「なんで職場に連れくるの? 職場は神聖な場所なのに」といたたまれない気持ちにもなりました。
だけど「おめでとうございます」と言えない自分を「なんて心が狭いんだろう」とも思っていたんです。

「おめでとうって言えない自分が嫌という気持ち。なんかわかります」と言っていただくこと。
すごく多いんです。きっと同じような気持ちになったことのある女性、たくさんいるんだと思います。

もし、当時の自分に何か言ってあげるとしたら。
「そういう時期なんだよね。心だって狭くなっちゃうよ。しょうがないよ」
しょうがないんですよね。

だけど、もし胸がチクチク痛むなら。
子どもが欲しいのかもしれません。
心が狭くなっちゃうくらい「ほんとはほしい」のかもしれません。

心のどこかに「手に入れるわけにはいかない」気持ち、あるのかも?

感情は、何かを教えてくれているサインです。
嫉妬の感情は、自分がほしいものを教えてくれます。

何かを見て「どうして自分には手に入らないんだ」と思ったり、持っている人を見たくないと感じたりするのは、「自分もほんとは、あれがほしい」「ああなりたい」という気持ちがあるということ。

だけど同時に「自分には手に入らない」「手に入れるわけにはいかない」と思う気持ちもあるということなんです。

「ほしい気持ち」と「手に入らない気持ち」の両方が自分の中にある。
2つの相反する気持ちがあるわけです。

そうすると、まっすぐ「ほしい」と思えません。
ほしいと思っても、「きっと無理」と気持ちが沈んでしまって、もう考えたくない気持ちになるかもしれません。
ほしいと思っているのに、結婚に向かないタイプの男性とずるずると付き合いを続けて「子どもはもう無理かもしれない」と諦めの気持ちを抱いているかもしれません。

「自分には手に入らない」「手に入れるわけにはいかない」というマインドが心のどこかにあると、「ほしいもの」に向かえないんです。

もし「自分だってほんとは子どもほしいのに。どうして手に入らないんだろう」という気持ちがあるのなら、自分の中に「ほしいものを手に入れるわけにはいかない気持ち」がないかどうかを探っていくといいんです。

たとえば、こんなこともあります。
いまは「子どもほしい」と思っているけど、そういえば昔、ほしくないと思っていたときがあったかもしれないって。

40歳のとき、子どもがほしくてたまらなかった私でしたが。

20代の頃は「子どもいらない」と思っていました。
「自分と同じようなつらい思いをしてほしくない。だから、子どもはほしくない」
「自分の遺伝子、残したくない」
こんなふうに思っていたんですね。

自分の子ども時代、なんかつらかった。
子どもに同じ思いをさせたくない。
そんな気持ちがあると、子どもを持つことを避けるようなルートを辿ることがあるんです。

彼氏がほしいと思っているのに、なかなか結婚できそうもない男性を好きになったり、片思いばかり続いたりして、「どうして自分の恋愛はうまくいかないんだろう」という気持ちになることもあるんです。

なかには、若い頃に婦人科で「子どもができにくいかもしれない」と言われたことが心に引っかかっていて、結婚を遠ざけるようなルートを無意識に辿っていることもあるんです。

だけど、もし「ほんとにこのままでいいのかな。このまま子どもを持たない生き方になっちゃっていいのかな」という気持ちがあるなら、自分の中に「子どもほしくないマインド」がないかどうか、探ってみませんか。

時間は、巻き戻すことができないから。

「子どもを遠ざけるマインド」も気づくと変えられる

婚活やってるけど、うまくいかない。だから焦る。
そんな気持ちになっている方もいるかもしれません。

そんなときも
・結婚したくないマインド
・子どもほしくないマインド
が心の奥にないかどうか、探ってみるといいかもしれません。

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私のケースでいえば。
「母性が怖い」というマインドが心の奥にあって、結婚や子どもを持つことを避けるルートを辿ったようなんです。
「母性って最悪だ」とずいぶん昔に思ったことがあるんです。
そのために、母性を使わなくてすむように、子どもを持たないルートを辿ることになったようなんです。

あれだけ子どもほしいと思ったのに。
子ども、すごく好きなのに。
子ども、育ててみたかったのに。

だから思うんです。
もっと早く気づければ、よかったなって。
子どもを遠ざけるマインドが心の中にあることに、もっと早く気づければよかったな。

自分では、とてもじゃないけど気づけなかった。
そんな気持ちがあったなんて、自分ではとてもじゃないけど気づけなかった。

母性を最悪だとたしかに思ったけれど。
すっかり忘れてましたから。

そのくらい気づけないものなんです、自分では……。

自分では気づくことができなかったから。
でも、気づければよかったと思うから。
私は、子どもがほしいかもしれない女性のカウンセリングをしています。

結婚したい気持ちはあるのに、なかなかうまくいかない。
婚活してるけど、男性を遠ざけてしまう。
40歳になったけど。子どもほしいかどうか、自分でもよくわからない。
そんなお話を伺っています。

カウンセリングってすごいなと思うんです。
話をしている中で、「こんな気持ちがあったのか」が見つかることで「私は結婚できないんじゃないか」から抜け出して、自分のほしいものにまっすぐ向かっていけるようになったりするんです。

そのくらい「マインドの力」が生き方に影響を与えているということかもしれません。

子どもがほしいかもしれない女性のカウンセリングをしていて、すごいなって思うこともたくさんあります。

心の奥に「ほんとは子ども育ててみたい」「子どもに愛情注いでみたい」という気持ちがあるがゆえに、何年かかってもそこにたどり着くことをやめない姿を見せてもらっているからです。

「子どもをもつこと」へのブロックが、ひとつ、またひとつと外れていくうちに「自分はこんなにも、子どもに愛情を注ぎたい気持ちがあったんだ」と気づいていく姿を見せていただくたびに、感動をいただいています。

「もうこんな年齢だから、無理なんじゃないか」という気持ちに飲み込まれそうになりながらも、子どもを持つことへのブロックを外していく姿を見ていると、まだ子どもを授かっていないけどすでに母親になっているような、そんなふうに思えてくることもあります。
ほんとうにすごいなって、思うんです。

いま「ほんとに子どもを持たなくていいの?」と問われているような、そんな感覚を抱いているとしたら。
自分の心と向き合うタイミングなのかもしれません。

子どもにまつわるいろんな想い。
後悔しないですむように。
ほんとはどうしたいんだろう?って、心に問いかける時間を持ってみませんか。

いつでもお手伝いさせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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