子どものいない生き方

あなたはこの世界に何を注ぎたい人ですか? 子どものいない生き方

中村陽子/心理カウンセラー

街を歩いていて、小さな子供を連れた家族を見ているだけで、胸がチクチクと痛む。
日曜日に街に出ると、子連れのファミリーばかりが目に付いてしまう。
テレビをつけても、なぜかファミリーのCMばかりが目に飛びこんでくる。

職場に、産休中の女性が生まれた赤ちゃんを見せに来たとき、誰にも気づかれないように部屋を出てしまう。
「うわ~、かわいいわね~」とお母さんと赤ちゃんを囲んでいる輪の中に入っていけない自分のことを、心が狭く感じるけれど、そこから逃げ出すしかなくて。
いつから、こんなに嫌な奴になったんだろうと自分のことが嫌になる。

一緒に働いている女性の「子どもに熱が出ちゃったんです」と早退する姿。正直なところ、見たくない。
「どうして私ばっかり」と言いたくなっちゃうから。
だったら、自分の心を鈍化させて、見ないように、感じないようにしておけばいいんだ。
だから、何も見ない、感じない。
だけど、心が動かなくなっちゃって、何の味もしなくなった。

人の幸せを喜べない。
なんて心が狭いんだろう、私。

何年か前。
こんなふうに思ってました。
ほかの人たちには当たり前に家族がいる。
だけど、自分にはそれがない。

夜が、やけに長く感じていました。

体が訴えてきているような気がしました。
子どもがほしい、子どもを産みたいって。体が訴えているようでした。
だけど、一人ではどうにもならないのは、わかっているから。
ただ身をよじらせていたんです。

この悶々、もやもやがいつまで、続くんだろう。
早く終わってほしいと思っていました。

もしかしたら、いま、その渦中にいる人もいるかもしれません。

そこからは抜けられたけど。
けど、これから何をしていけばいいんだろうって。
そんな気持ちを抱いている人もいるかもしれません。

自分には「あれがない」は、それがほしいのサインかも

人を見て、「自分にはあれがない」と感じるのが苦しいとき。

実はそこに、自分にとって大切な想いがあるのです。
「あれがない、あれがない。どうして自分には手に入らないんだろう」という気持ちの奥には
「自分も、それがほしい」という想いがあるんです。

子連れを見るたびに、胸がチクチク痛んで、目をそむけたくなるのは
そこに「自分のほしいもの」が、あるからなのかもしれません。

見たくないなと思うくらい、「ほしい何か」が、そこにある。
だけど同時に、手に入らないとも思っている。
すごくほしい、だけど自分には手に入らない。
そんな葛藤が自分の中にあることを、胸のチクチクは教えてくれているのかもしれません。

もしあなたが、まだ出産年齢にいて、
子連れを見ると胸がチクチク痛むという気持ちを抱えているなら。
もしかしたら、まだ間に合うかもしれませんよとも思うんです。

どうしてそんなに「手に入らない」って思っているのか。
潜在意識や無意識に、自分では気づかないどんな思いがあって、
「手に入らない」って思っているのか。

まずはそれを、探っていきませんかと思うんです。
だってまだ、間に合うかもしれないから。
私はもう無理だけど、あなたはまだ間に合うかもしれないから。

自分では意識することのできない、心の中のからまりって、あるようなんです。
それを見つけていきませんか?

子どもがほしい気持ちはあるのに、それを手に入れられない。
もしそんな思いがあるなら、こちらの記事も読んでみてくださいね。
子どもを産むならあと数年…

あなたはこの世界に何を注ぎたい人ですか

子供をもう産める年齢じゃないな。
そう思い始めると少し落ち着いてくるけれど、それでも子供がいないことをこんなふうに感じることもあるかもしれません。

「子供のいない自分は、人生で大切な経験をしていないのではないか」と。

「子どものいない自分は、周りの人たちからは『独身だから、気楽でいいよね』と言われるけれど。そう言われるたびに、自分には何かが欠けていると言われているように感じる」

そんなふうに感じていることも、あるかもしれません。

だけどこれも、欠けているわけじゃなくて、「ほんとうはしたい」なのかもしれません。
何かがしたい。だけど、できていない。
それが、しんどいのかもしれません。

たくさんの愛や情熱をもっているのに、それを注ぐことができないと。
それが、つらいんです。
ほんとうは注ぎたいのに、注げていない。
それを自分でもどこかでわかっているから、「できてない。何かが欠けてる」って思うんです。

もし子どもがいたとしたら注ぎたかったもの、それは何でしょう。
それは、あなたにとって大切な何かではないでしょうか。
あなたがあなたになるために、大切な何かではないでしょうか。

もし、「ほんとうはしたい」「ほんとうは何かがしたい」とするならば。
あなたは、何をこの世界に与えたいのでしょうか。

それは誰かを愛することかもしれません。
それは誰かを育てることかもしれません。
それは誰かを楽しませることかもしれません。
それは誰かにやすらぎを与えることかもしれません。
それは何かのお世話をやくことかもしれません。
それは誰かを何かをいきいきと輝かせることかもしれません。

もし、ほんとうは自分の中の愛や情熱を何かに注ぎたいとしたならば。
あなたは、この世界に何を与えたいと思っているのでしょうか。

自分の中にある何かにつながって、それを「与えたいんだ」「注ぎたいんだ」「やりたいんだ」って思えると。
あ、それやってよかったんだ。
あ、それやりたかったんだ。
あ、それが私にとって大事なことだったんだ。

ふっと、腑に落ちる何かを感じられるかもしれません。
そしてそれはきっと、あなたにとって大切な種です。

それを見つけてみませんか?
自分にとって大切な種があるのかもしれないと、探し始めるきっかけになるといいなと思っています。

子どもをもう持たないだろうなと思っている方。
子どもと聞くと、なぜか胸がチクチクする方。
まだ産める年齢だけに…子どもがほしいのか、ほしくないのか自分ではわからなくなっている方。

なんとなく心の中にあるもやもやとする思い。その中にあなたがほんとうはほしいものが眠っているかもしれません。
よかったら一度、お話を聞かせてくださいね。

子どもを育てたことのない私。子どもを欲しいと思ったことのない私。
もう子ども持てないなと思ってから、人生が動き始めた
しんどいくらいに、子どもがほしい。しんどいくらいに、子どもほしかったの次のステージとは
子ども産めないかもしれないという気持ちが、恋愛・パートナーを遠ざけてしまうとき
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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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