恋愛心理学

好きな人に好かれないのに、どうでもいい人からは好かれるパターンを卒業する

中村陽子/心理カウンセラー


「好きな人には振り向いてもらえないのに、どうでもいい人からは好かれる…」
もしあなたがそう感じているなら、そこには「恋愛がうまくいかない特有のパターン」が隠されているかもしれません。

好きな人に好かれないのに、好きじゃない人から好かれる原因

好きな人に振り向いてもらえないとき

・自分に魅力がないからだ
・かわいくないからだ
・女らしさが足りないからだ……
などなど、思ってしまうものだけど。
そうじゃないんです。

好きな人に好かれないのは「自分に魅力がない」「自分に足りないところがあるから」ではないんです。

実は
自分らしさ、自分のよさ、自分らしい魅力に気づいておらず
「自分ではない何者か」 になろうとしてしまっているーー。

そのあたりに、うまくいかないパターンの原因があるようなのです。

あなたは、好きな人の前で、本来の自分らしさを出せていますか?
逆に、好きな人の前では「嫌われないように」「こうしたほうが好かれるんじゃないか」と気にして、素の自分は出せなくなっていますか?

誰だって、多かれ少なかれ、そういうところありますよね。
だけど、ここに「好きな人に好かれない」原因があるとしたら。
どう思いますか?

「本来の自分らしさ」を出さずに、「好かれる自分」「当たり障りのない自分」「嫌われない自分」をやっていると、実は魅力が出なくなっちゃうんです。

そればかりではありません。
「本来の自分にマッチする相手」とも出会いにくくなります。

好きな人の前で、態度が別人に?

自信のなさから、好きな人の前で「つくった自分」を演じていること、ありますよね。

質問です。
好きな人とそうでない人の前で、あなたの態度は同じでしょうか?


好きな人の前: 「素敵な男性だな」と思った瞬間、「こういう女性が好かれるはず」と、かわいらしい女性、控えめな女性、にこやかな女性など、男性が好きそうな女性を演じてしまう。

興味のない人の前: 自分のことを隠さず、オタクっぽい趣味を話したり、楽しい時間を過ごして大笑いしたり、弱音を打ち明けたりと、飾らない自分を見せている。

このように、好きな人の前で「好かれそうな自分」を演じてしまう。
その結果、自分らしさを出せないため、「当たり障りのない人」「どういう人がわからない人」と相手は感じます。

つまり、「好かれそうな自分」でいることで、本来の自分らしい魅力を出せないでいるわけなんです。

逆に、飾らない自分でいるとき。
その人らしい魅力が自然に出ています。
「興味のない人には好かれる」のは、興味のない人の前では、飾ることがないため、自分らしい自然な魅力が出ているからといえそうです。

好きじゃない彼と付き合って
別れを繰り返すことも

タイプじゃない男性から好きと言われて付き合ってみるものの、結局は別れてしまう…。そんな恋愛を繰り返していることもあります。

A子さんのケース。
A子さんには気になる彼がいました。ときどき飲みに行くし、けっこう仲もいい。
だけど、その彼とは付き合う段階にまでは至りません。

そしてA子さんのことを好きになってくれた男性と付き合うのですが、結局はもの足りなく感じて、別れてしまいます。

婚活でも、結局は同じ。
A子さんが好きになる男性とは1回のデートで終わってしまい、興味のない男性からはお誘いがきます。
「好きになる相手とは、付き合えない」ことが繰り返されているのです。

実はA子さんのように、好きではない彼と付き合うものの結局は別れてしまう恋愛をいつも繰り返していることは、少なくないようです。

なぜ、タイプじゃない男性からは好かれてしまうのか。
これも本来の自分らしさにOKを出していないことが関係しているようなんです。

「自信のなさ」がタイプじゃない人を
引き寄せる?

自分への自信のなさが、タイプじゃない相手を引き寄せてしまうことがあります。

例えば
「私は女らしくない」と思ってるとしますね。
「私のオンナ度は50点」と、本人は思っている。
すると、50点のオンナ度をちょうどいいと感じる男性がひきつけられてきます。

その男性は、やさしいけれど、男っぽさを感じない人。
オトコ度50点の人。
オンナ度50点の女性なら、僕も近づける。そんな男性が来るかもしれません。

けれど。
実は、本質的なオンナ度が高いとしますよね。
「私はオンナ度50点」と本人は思ってるんだけど、実は本質的なオンナ度は高い。

すると
50点のオンナ度に惹かれた男性だと……もの足りなく感じてしまうことに。

けれど、この自信のなさはどこから来るのかというと・・・
本来の自分らしさ、セクシャリティ、自分の魅力に、本人自身が気づいていない。
ただ、それだけなんです。

だって、内側には「けっこう情熱的なオンナ度」を秘めているから、やさしいだけの男性を物足りなく感じるわけですもんね。

この「内側に秘めているもの」に気づいていないし、表現できていない。
それが、自信のなさになっているだけなのです。

自信のなさから
「きっと釣り合わない」と感じてしまう

「私なんて、彼と釣り合うわけない」

例えば、A子さんは会社の先輩のB男さんに心を惹かれています。B男さんは仕事もできるしやさしいし、周囲からも慕われている人。一方、A子さんは自分に自信がなく、うっかりミスしたり、仕事をなかなか覚えられなかったりして、「私ってダメだ」と感じている。

そんなA子さんは「私なんて、彼と釣り合うわけない」と思い込み、B男さんから声をかけられても、たどたどしい返事しかできません。

「きっと気のせいだ」

C子さんは学生時代からの友人であるD郎さんに好意を抱いています。D郎さんから食事に誘われたC子さんですが、「きっと気の合う友達として、誘われただけ」と思ってしまいます。D郎さんの好意をスルーしてしまうのです。
過去の恋愛で振られてしまった経験から、「私を本当に好きになってくれるはずがない」と思い込んだまま、D郎さんの想いを受け流してしまうのです。

「私なんて愛されるはずがない」という思い込みを心の奥に持っていることは、少なくありません。「自分にはいいところなんてない」「こんな自分が愛されるわけがない」と思っている。

すると、好きな人からの好意を感じても、「なんで?」「きっと気のせい」「私が好かれるわけがない」と疑ってしまい、彼からの好意をスルーしてしまう。
その結果、関係は進展せずに、うまくいかなくなってしまいます。

相手を「すごい人」と見上げてしまい
自分を出せない

「こんな素敵な人に好かれるわけない。見てるだけ」

E子さんは、いつも明るくリーダータイプのF夫さんに憧れています。F夫さんはスポーツ万能で、友達も多く、まさに理想の相手。けれど、E子さんは「こんな素敵な人に好かれるなんて、夢のまた夢」と思い、F夫さんに話しかけることすらできません。

相手を「すごい人」と高みに置いてしまったがゆえに、「自分が相手にされるわけない」とわざわざ自分を下げてしまうのです。
そして、話しかけることもできないまま、ただ彼を下から見上げてしまいます。
その結果、ますます彼は「自分とは違う世界の存在」として扱ってしまうのです。

「私なんて、話してもつまらないだろう」

G子さんは、職場の先輩のH太さんに相談事をしたいと思っています。H太さんはいつも冷静で的確なアドバイスをしてくれるので、とても頼りになる存在。けれど、G子さんは「私なんて、話してもつまらないだろう」と思い、相談事すら持ちかけることができません。

こんなふうに、「相手を上に見すぎた」結果、ぜんぜん近づくことができず、仲良くなるきっかけをつくれず、ただ見ているだけの関係性になってしまっていることもあるのです。

もし、このようなパターンに心当たりがあるのなら、「どうして自分をダメだと感じてしまうのか」について、自分の内面と向き合ってみる。過去に「嫌われてしまった、振られてしまった、自分をダメだと感じてしまった心の傷」などがあるのなら、それらを癒やしていくといいんですね。

また、本来の自分の持つ魅力や、女性的なセクシャリティに蓋をした結果、「自分をいいもの」と思えなくなっていることも、少なくありません。

だけど、本来のあなたは、とてもすてきなんです。
こんな自分では好かれないと思ってしまった誤解をといて、自分らしいいきいきとしたエネルギーを解き放っていくことで、魅力的なあなたになることができます。

「好きになる男性」が本来の自分を教えてくれる

実は、「自分の思う自分」と「本来の自分」が違っていることがあります。
しかも、自分の思う「自己イメージ」とは逆なところに、自分らしさがあることも少なくないんですね。

例えば…
自分のことを「すごく不器用で、ダメな子」と思っていたとします。
本来の自分らしさにOKを出していくと「天真爛漫でユニークでおっちょこちょいな愛されキャラだった」なんてこともあります。

自分では「おとなしいタイプ」と思っていたのが、実は情熱的で情の深いタイプだったということもあります。

自分では「サバサバしたボーイッシュなタイプ」と思っていたのが、実はとても女っぽいエネルギーを持っていることもあります。

それらの本来の自分らしさ、自分らしいエネルギーを表に出していけるようになること。そうすることで、好きな人やいいなと思う男性に手を伸ばすことができるようになっていきます。

自分のことを「ダメな自分」と思っている状態では、無意識的に「自分に釣り合う男性は、このくらいの人だろう」と思ってしまい、その結果「本当はこういう男性に惹かれる」という相手を「恋愛対象の枠」に入れないことも起こります。無意識に、です。その結果「なかなか、いい人がいないんだよな」現象が起きるのです。

自分らしい魅力を、あなた自身が受け取ること。
受け取れば受け取るほど、いきいきとした魅力を出せるようになるばかりでなく、「本当に惹かれる相手」が視野に入ってくるようにもなるのです。

NOと言えない性格も影響?

「恋愛したい気持ちはあるものの、なかなか機会がないんです」
「好きなタイプの人には好かれないようなんです」

このタイプの人の中には、NOと言うのが苦手、断るのが苦手なゆえに、恋愛や異性から遠ざかっていることもあります。

このタイプの人はモテないわけではなく、かわいらしい方、女性らしい方が多いんですね。
断るのが苦手だと「NOを言わなくていいように」の優先順位を高くした言動になることがあります。

たとえば、相手から好意を感じたとたん遠ざける態度を取ったり、男性と二人きりになりそうな場面にならないよう不用意に相手に近づかなかったり。
結果として、相手を近づけないような言動を無意識的に取ります。

そうすると、男性はあなたから「壁」を感じます。

それが、あなたが「いいな」と思う男性であっても、あなたの取る態度が「相手を簡単には近づけない態度」なら、相手はあなたに近づこうと思いません。

その結果。相手から好意を持たれる機会を失っていることもあるんですね。

好きな人に近づける自分になる

では、どうすれば好きな人に好かれるようになるのでしょう。
まずは、好きな人に近づける自分になること。
言葉を変えると、好きな人に近づいてもいいと思える自分になること。
実はここがすごく大事なポイントなんです。

1. 自分らしい魅力に気づく

もしかしたら「自分らしさ」を封印しているかもしれません。

自分らしい魅力とは、「人との違い」から生まれるものです。
けれど、私たちは思春期に「周りから浮かないように、目立たないように」と、自分らしさを閉じ込めてしまうことが多いのです。

また、思春期にはセクシャリティという性的なエネルギーが出てくる時期なのですが、このセクシャリティを「いやなもの」「汚いもの」のように感じてしまうこともけっこうあるんですね。

まずは、自分の魅力を知ること。
そして、自分らしい魅力や、自分らしいいきいきとしたエネルギーを開花して、自分の魅力を受け取っていくことです。

2. 自分につけた×印を見つけて、受け入れていく

もし、どこか「女子としての自分に自信がない」「自分を否定してしまっているところがある」と感じるなら、それらを癒していくことも大切です。

人は、知らぬ間に自分に×印をつけているものです。
×印があると、「こんな自分じゃダメだから」と、別の自分を演じようとしてしまうものです。

自分につけている×印を見つけて、受け入れていく。
そして同時に、自分のいいところや魅力を自覚していく。
そうすることで、自分らしい魅力が自然と出るようになります。

3. 相手の好意を素直に受け取る
  こちらから好意を表す

相手からの好意を受け取ることは、相手にとってうれしいことです。

「私なんて」と思って、相手の好意をスルーしてしまうことは、実は相手を悲しい気持ちにさせてしまいます。

また「あなたをいいと思っているんです」とこちらから好意を表していくこと。
好意を表すことから、恋愛ははじまります。

「あなたを素敵だと思っています」と思われたり、「あなたに好意があります」とさりげなく伝わってくることで、いやな気持ちはしないものです。

ちょっと勇気を出して「好意をもっていること」を態度や表情で伝えていく。
そうすることで、恋が始まりやすくなるんですね。

4. 気が進まないなら、断ってもいい

NOというのが苦手なタイプの人は、
気の進まない誘いは、「断っていいんだ」と思うこと。
NOと言うことは、自分を大切にすることにもつながります。

そして「NOを言う選択肢」を持つことで、人との間に壁をつくらなくてもすむようになります。それが結果として出会いのチャンスを広げることにもつながります。

自分らしさや魅力をどんどん表現して
すてきな彼を引き寄せよう

好きな人に好かれないのは、決してあなたの魅力がないからではありません。

好きな人に好かれない問題が教えてくれるのは、
自分らしさにフタをしている
ということなのかもしれません。

知らない間にフタをしてしまった、自分らしさを取り戻していく。
そして、自分らしさを表現できるようになると……。

自分らしいオーラをいきいきと放つあなたに惹かれた男性が、出てくるようになるんですね。
すると「本来の自分」と釣り合う男性とうまくいくようになっていくんです。

自分らしい魅力を開いていくとき、女らしさや女性としての魅力、いきいきとしたエネルギーも花開いていくことが多いんです。

女らしさを開いて表現できるようになると、ぐっと雰囲気が変わり、異性をひきつけるオーラが出るようにもなったりします。

女としての魅力がないの下には、セクシャリティが隠れてる

気づかないまま封じ込めた自分らしさって、自分でも何を封じ込めているのか、わからないものなんです。

それが「実はこういう話、人に話したことがなかった」という話をしていく中で、封じ込めた自分らしさを発見したり、自分らしさにOKを出したりしていけることはとても多いんですね。

「こんな自分は、人には見せられない」と思っていたことでも、ぽろりと人に話すことができると、「見せられないって思わなくて、よかったんだ」と感じられることもあるんです。

実際のカウンセリングでは、自分では「これは人には言えないな」と思っていたことをカウンセリングでポロリと話したことで

「こんな自分は隠さなきゃって思ってたけど。そんなふうに思わなくてもよかったんだ」と思えて、気持ちが軽くなった。
そうしたら、彼氏ができた……なんて人もいました。

自分らしさにどんどんOKが出せるようになり、女性らしさも表現できるようになっていくと、視界に入る男性も変わっていきます。

それまでは気づかなかった「この男性、素敵だな」という人がアンテナにひっかかりやすくもなっていくんですね。自分に合った彼に出会いやすくなるんです。

自分らしくいきいきした自分を、好きだなと感じられるようになると。
「こんな私じゃ、やっぱりムリなんじゃないか」というこわがりな気持ちを超えて、彼と話したい、彼と一緒にいたいという思いから、自分からも相手に近づきやすくもなるんですね。

好きになる男性との恋愛を実らせていくためにも
自分らしさ、自分らしい魅力を開いていきませんか?
いつでも、お話聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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