恋愛心理学

蛙化現象の治し方。「オトナな女の私」になり切れない理由

中村陽子/心理カウンセラー

心理カウンセラーの中村陽子です。
これまで、蛙化現象のお悩みを抱える20代から40代の女性のご相談をたくさんお受けしてきました。

・男性とお付き合いできない
・性的な関係にどうしても抵抗が出てしまう
・好きじゃない人とはできるけど好きな人相手どうしてもうまくいかない
などなど。
たくさんのお悩みを伺ってきました。

好きな人がいるんです。だけど蛙化現象が起こっちゃうんです。
今週末に会うんです!
そんな駆け込みのご相談をいただくことも。

「蛙化現象が起きちゃう私。男性と付き合えるようになるの?」と、いま深刻に悩んでいるかもしれません。でも、大丈夫です! ご相談いただいた多くの女性が、蛙化現象をクリアしていきましたから。ご安心くださいね。

まずは、蛙化現象が起こる原因からお話しますね。

好きな人に振り向かれると醒めてしまう

好きな人に振り向かれると、醒めてしまう。
好きな相手を追いかけているうちはいいけれど、好かれると嫌になってしまう。
蛙化現象――。

グリム童話の「カエルの王子様が人間になり、お姫様と幸せになりました」という話。この逆で、王子と思っていた彼が振り向いてくれたとたん、嫌になってしまうことを蛙化現象というそうです。

蛙化現象のお悩みをもっていると

・婚活すると、ブルーな気持ちになる
・なかなか彼氏ができない
・振り向いてくれない相手に、片思いばかりしている
・男性とお付き合いをしたことがない
・男性と性的な関係に進めない

ということが起こようなんですね。

「相手の男性が、タイプじゃなかった」なら、話はまだわかります。
だけど「けっこういいな」とか「話していて楽しいな」と思った相手にも、この現象は起こるようなんです。

この蛙化現象のパターンがあると、一人でいるのはさみしいからパートナーがほしい、誰かと一緒に生きていけるようになりたいという気持ちがあってもうまくいかなくて、「このまま自分は恋愛や結婚、できないんじゃないか」という悩みを抱えやすいんですね。

蛙化現象で、よくあるデートの一日。

たとえば、結婚相談所でお見合いしますよね。
1回目、けっこうよかったな~、話も合ったし楽しかった
といい気分でデートが終わりました。

向こうからいい感じの連絡が来ました。
2回目に会うことになりました。
お相手がこちらを気に入ってくれてるなと感じると、なんかヤダとなるんです。

別のケースでは
お相手を気に入っていて、「うわ~、やったー。デートだ~」となったとしますね。
1回目、2回目は「私は相手をいいなと思ってるけど、相手はどうなんだろうな?」という状態。
ドキドキしながら、待ち合わせ場所に行きますよね。

駅の改札で、相手が現れました。そのとき、彼が髪の毛を整髪料で整えているのがわかりました。デートのために身なりを整えてきたわけなんです。
その瞬間、思うんです。
「う、なんかヤダ」

で、シャッターをガラガラガラと下ろして終了。

また
気になる彼がいても……性的なムードを感じると、気づかないフリをしてしまって。
性的なことを避けちゃう自分がいるんです。
彼のことは好きなのに、進展しないまま終わってしまうんです。
というお悩みも。

あー、私。
果たして恋愛できるんだろうか……。

蛙化現象が起こるのは、なぜ?

好きな人に振り向かれたり、異性に好意を持たれたりしたとたん、シャッターが下りてしまうとき。
何が起こっているかというと……。

自分が女であることを意識したとき「なんか嫌」と感じている
ということなんです。

えーー、なにそれ?
って思いますよね。

異性に好意を持たれてると感じるとき、
大人の女性として見られていることも、感じるわけです。

すると、女としての自分を意識することになります。
その「女としての自分」にうっ、となっているわけなんですね。

「女として見てくるの、やめてほしい」という声も聞かれます。

さっきの例で、待ち合わせ場所に現われたお相手が、整髪料で髪を整えてきたのを見てうっとなったお話しましたよね。

これは、相手が「男であること」を感じたために、それに反応して「自分が女であること」を感じて、うっとなったわけなんです。

言い方を変えると、「大人の女としてのエネルギー」を自分の中に感じたときに、うっとなっているわけなんです。

蛙化現象と大人の女のセクシャリティとの関係

「女である自分」とは、言葉を変えると
大人の女性としての自分です。
セクシャリティ、なんて言い方もします。

セクシャリティは、狭い意味では性的魅力ですが
生命力とか、自分らしさという意味合いもあるんですね。

命をつないでいくためには、惹かれ合うことが必要で、
そのために、いきいきとした自分らしいエネルギーを放って、相手を惹きつけることは生き物として自然なことなんですね。

思春期になると、このセクシャルエネルギーが上がってくるんですが
このエネルギーに「よくないもの」という感覚を持ってしまったり、
大人になるわけにはいかないからと、封じ込めたりすることが、あるんです。

セクシャリティをよくないものと感じたり、封じ込めてしまうのには、
人それぞれいろんな事情があります。

思春期に起こる「はずかしさ」問題

たとえば…

小学校高学年から中学生くらいにかけては、身体が大人に変化していく時期なのですが、このころに「かわいくなりたい」「大人の女性みたいになりたい」と、ちょっと色気づいたりするんですね。

だけど同時に「はずかしい」と思ってしまうことがあるんです。
もともとセクシャリティを豊かにもっている人ほど、思春期に「こんなふうに思ってるのがはずかしい」「こんなこと思ってるのがバレたら、周りからバカにされちゃうんじゃないか」などと感じるようなんです。

自分の中の「大人の性」がだんだん目覚めてきているんですが、それを「こんなふうに思ってるのを知られたら、はずかしい」と思ってしまうようなんですね。

「はずかしい」と思った結果、セクシャリティを閉じ込めてしまうことがあるんです。

子どものころの記憶としては「はずかしいから閉じ込めた」とは思っていなくて、「こんな自分は嫌われちゃうかも」とか「自分が女子っぽくなりたいと思ってるとバレたら、周りからバカにされちゃう」とか「自分は女子っぽいのなんて、似合わない。かわいくないから」と思っていたりします。

小学校高学年から中学生くらいの時期にかけて、セクシャリティを「閉じ込めなくては」と封印してしまうと、25歳になっても、30歳になっても閉じ込めたままになっているので、「異性に好意を持たれると、なんか嫌」と感じるんですね。

自分の中の「性的に大人の女であること」に蓋をしているので、それを意識させられる状況’=異性に好意を持たれる)になると、「うわ、嫌」と感じるわけなんです。

大人になるわけにはいかない問題

これは、「自分は子どものままでいなくては」というマインドを持っているときも同じです。
親が過保護・過干渉だと、どこかで「親はいつまでも自分が子どもでいることを望んでいるんじゃないか」「自分が成長して大人になってしまったら、親は悲しむんじゃないか」という気持ちを持つことがあるんですね。

大人になる=親元を離れるということなので、「子どもにあれこれ干渉するのがお母さんの生きがいなのに、それがなくなったらお母さんが悲しむんじゃないか」と心やさしい子は思うわけなんです。

もしかしたら、「大人になったら親が悲しむ」とは思っていないかもしれません。
代わりに「自分は何にもできないから。家事もできないし、自分で何かを決められないし、一人暮らしするほどのお金を稼ぐこともできないし」など、「自分は何もできないんです。だめなんです」として感じているかもしれません。

けれど実は、「(親のために)自分が大人にならないように」という枠を知らず知らずのうちにはめているからかも、しれないんですね。

「子どものままでいなくてはマインド」があると、大人になること=大人の女性になることを封印することになります。

そして、「35歳になるんだけど。自分でも子どもっぽいなと思う」と感じていたり、「異性に好意を持たれると、なんか気持ち悪くなる」となったりするんですね。

ほかにも「大人の女性になるわけにはいかない理由」として
・母親が性的なことや恋愛を嫌がるタイプだった
・子どもの頃にマスターベーションをしていてすごく叱られた
など、「性的なことに興味を持つのをよくない」というマインドが心の奥にあることもあります。

「女の子の自分」を閉じ込めていることも

また、子どもの頃に「女の子としての自分」を閉じ込めていることあります。

たとえば
・旧家の長女に生まれて、家を継ぐことを期待されているように感じた。女の子としての自分は望まれていないように思った
・お父さんは男の子がほしかったみたい。私が生まれたとき「女の子か」とガッカリしたと聞いた
・親からの期待で「家業を継がなきゃ」「医者にならなきゃ」と感じ、女の子の自分よりも「長男みたいな自分」を優先させて生きてきた

など、「女の子の自分ではだめなのかな」とか「男子的な役割を期待されているのかな」と感じて、女の子の自分を閉じ込めてしまうこともあるんですね。

もちろん、女の子、女性として生きているんですが、どこか長男のような気持ちがあって、心理的には「女の子の自分」が閉じ込められたままになっています。

そうすると、思春期以降に大人になっていく過程で「女の子の自分」を成長させることのないままになっていることもあるんですね。
つまり、「女としての自分」が不在になっているんです。

小さな子どもの頃の「女の子の自分」は存在していても
「女子高生の自分」や「大人の女性の自分」を発達させていないままになっていることもあるんです。

また、豊かなセクシャリティを持っている人は
「大人の女の自分」を外側に出すことを押しとどめていることもあるんです。
それが出るのが恥ずかしい気がして、表に出るのを止めてしまっている。

すると、恋愛で「男と女」を意識する場面になると
「大人の女の自分」が刺激されるわけですが、それを「止めなきゃ」と思っている分、相手を遠ざけてしまうんです。

男性に好意を持たれると醒めてしまう蛙化現象が起きるのには、どうやらこのような原因があるようなんです。

「いいなと思う男性でも、好意を持たれると醒めてしまう」というパターンがあると、こんな心配が出てきます。

「このままではずっと、誰かと付き合ったり、結婚したりできないんじゃないか――」

いいなと思っている彼、好きな彼でも醒めちゃう自分では、恋愛したり結婚したりなんて、できないんじゃないか……。
この渦中にいるときは、「どうして私はこうなっちゃうんだろう……」と深く落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
いつまでこういうのが、続くんだろう……って。

蛙化現象を治すカギは、セクシャリティの解放

心って不思議なんですけど。
自分が意識できていることのほかに、意識できていない心の領域もあるんですね。

カウンセリングでは、意識できていない心の領域について話をしながらみていくと、いま起きている問題の原因になることが見つかったりするんです。

「好きな彼でも、振り向かれるとシャッターを下ろしちゃう」原因を、子どものころや思春期、家族環境、いまの漠然としたお悩みなどの話を聞きながら、探していくんですね。

すると「あ、もしかしてここらへんに、引っかかってるものがありそうじゃないですか?」が見つかったりするんです。

カウンセリングで心理セラピーやイメージワークなどを用いて、引っかかっているところに詰まってしまった気持ちや、ネガティブなイメージを溶かしていくと……。
ずっと閉じ込めていた「女性性のエネルギー」や「セクシャリティ」が解放されていったりするんですね。

引っかかっているものが何層にもなっているときは、ひとつひとつ引っかかりを溶かしていくのですが、すると「自分はこんなふうに思っていたんだ。だけど、こんな思いを持たなくてもいいのかもしれない」という気づきが出てきて、生き方そのものがラクになったり、「自分には、結婚することなんてないだろう」とどこか諦めていた気持ちが溶けていって「私も家族を持ってもいいのかもしれない」と思えてきたりすることも多いんです。

女性性や自分らしさを開いて、幸せになっていい

カウンセリングで話していくなかで、知らず知らずのうちに抑えていた自分らしさを思い出したり、女性性やセクシャリティを開いていったり、女としての幸せを生きていいのかもしれないという許可が出たりしていくんです。

そうすると、顔つきがぜんぜん変わったりするんですね。
抑えていた本来の自分のエネルギーが循環し出すと言えばいいでしょうか。
いきいきとした感じだったり、大人の女性のエネルギーを感じさせる表情だったりに変わっていったりするんです。

こんなふうに、抑えていたものがどんどん外れていくうちに「今月、婚活がんばろうと思います」(←いままでさんざん、嫌だと思っていたのがウソのように、やる気が出てきたり)、「婚活サイトに登録するのはまだハードル高いけど。今度、友達の家でホームパーティがあるので。そこでちょっと頑張ってみようかな」という気持ちになったり。

ほんと不思議なんですけど。
自分から動きたくなってくるというか、「動いてもいいかもしれない」と思えてくるようなんです。

セクシャリティを抑えているとき、生きづらい感じがしていることも少なくありません。
それは、本来の自分らしさを表に出せていないからなんです。

私は女子っぽくないし、女性としての自信なんてないし、そもそも女を使わないようにしてきたしと思ってきた人もいるかもしれません。
でも、そんな人ほど、実は豊かなセクシャリティの持ち主なこともとても多いんです。
そして、心の奥では、その豊かなエネルギーを表に出したい、使いたいと思っていることもとても多いんです。

セクシャリティは、癒しの力でもあります。
自分のセクシャリティをいいものと思えるようになってくると、「自分のことをいいもの」とも感じられるようにもなっていくし、それを男性に与えて癒してあげることもできるようになっていくんですね。

いま蛙化現象に悩んでいたとしても、大丈夫です。

ほんとうはパートナーがほしい。
ほんとうは誰かを好きになりたい。
ほんとうは好きな人と家族をつくりたい。

そんな気持ちがあるのなら、それを叶えていきませんか。

蛙化現象に悩むたくさんの方のお話を聞いてきました。
年齢層も幅広く、20代から40代後半まで、多くの女性がこのお悩みを抱えています。

蛙化現象をなんとかしようとカウンセリングを受け始めると、「女としてのセクシャリティ」を開いていくだけでなく、「自分らしくいきいき生きたい」という話にもなっていくことがとても多いんです。

「カウンセリングで、男性が気持ち悪くなくなった!」だけでなく
「自分はもっとこんなふうに生きたかったのかと思えてきた」という話にもよくなるんですね。

いつでもお手伝いします。
一度、お話を聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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