恋愛心理学

蛙化現象をなんとかしたい! 振り向かれると醒めてしまうのはなぜ

蛙化現象の治し方
中村陽子/心理カウンセラー

好きな人に振り向かれると醒めてしまう

好きな人に振り向かれると、醒めてしまう。
好きな相手を追いかけているうちはいいけれど、振り向かれると嫌になってしまう。
これ、蛙化現象というそうです。

グリム童話に、カエルの王子様が人間になり、お姫様と幸せになりましたという話があるそうです。
この逆で、王子だと思っていた彼が振り向いてくれたとたん、嫌になってしまうことを蛙化現象というそうです。

蛙化現象のお悩みをもっていると

・婚活すると、ブルーな気持ちになる
・なかなか彼氏ができない
・なかなか振り向いてくれない相手に、片思いばかりしている
・男性とお付き合いをしたことがない

ということが起こるみたいなんですね。

「相手の男性が、タイプじゃなかった」なら、話はまだわかります。
だけど「けっこういいな」とか「話していて楽しいな」と思った相手にも、この現象は起こるようなんです。

この蛙化現象のパターンを持っていると、一人でいるのはさみしいからパートナーがほしい、誰かと一緒に生きていけるようになりたいという気持ちがあっても、なかなかうまくいかなくて、「このまま自分は恋愛や結婚、できないんじゃないか」という悩みを抱えやすいんですね。

蛙化現象で、よくあるデートの一日。

たとえば、結婚相談所でお見合いしますよね。
1回目、けっこうよかったな~、話も合ったし楽しかった
といい気分でデートが終わりました。

向こうからいい感じの連絡が来ました。
2回目に会うことになりました。
お相手がこちらを気に入ってくれてるなと感じると、なんかヤダとなるんです。

別のケースでは
お相手を気に入っていて、「うわ~、やったー。デートだ~」となったとしますね。
1回目、2回目は「私は相手をいいなと思ってるけど、相手はどうなんだろうな?」という状態。
ドキドキしながら、待ち合わせ場所に行きますよね。

駅の改札で、相手が現れました。そのとき、彼が髪の毛を整髪料で整えているのがわかりました。デートのために身なりを整えてきたわけなんです。
その瞬間、思うんです。
「う、なんかヤダ」

で、シャッターをガラガラガラと下ろして終了。

あー、私。
果たして恋愛できるんだろうか……。

蛙化現象が起こるのは、なぜ?

好きな人に振り向かれたり、異性に好意を持たれたりしたとたん、シャッターが下りてしまうとき。
何が起こっているかというと……。

自分が女であることを意識したとき「なんかヤだ」と感じている、ということなんです。

えーー、なにそれ?
って思いますよね。

異性に好意を持たれてると感じるとき、
大人の女として見られていることも、感じるわけです。

すると、女としての自分を意識することになります。
その「女としての自分」にうっ、となっているわけなんですね。

「女として見てくるの、やめてほしい」という声も聞かれます。

さっきの例で、待ち合わせ場所に現われたお相手が、整髪料で髪を整えてきたのを見てうっとなったお話しましたよね。

これは、相手が「男であること」を感じたために、それに反応して「自分が女であること」を感じて、うっとなったわけなんです。

言い方を変えると、「大人の女としてのエネルギー」を自分の中に感じたときに、うっとなっているわけなんです。

蛙化現象と大人の女のセクシャリティとの関係

「女である自分」とは、言葉を変えると
大人の女性としての自分です。
セクシャリティ、なんて言い方もします。

セクシャリティは、狭い意味では性的魅力ですが
生命力とか、自分らしさという意味合いもあるんですね。

命をつないでいくためには、惹かれ合うことが必要で、
そのために、いきいきとした自分らしいエネルギーを放って、相手を惹きつけることは生き物として自然なことなんですね。

思春期になると、このセクシャルエネルギーが上がってくるんですが
このエネルギーに「よくないもの」という感覚を持ってしまったり、
大人になるわけにはいかないからと、封じ込めたりすることが、あるんです。

セクシャリティをよくないものと感じたり、封じ込めてしまうのには、
人それぞれいろんな事情があります。

思春期に起こる「はずかしさ」問題

たとえば…

小学校高学年から中学生くらいにかけては、身体が大人に変化していく時期なのですが、このころに「かわいくなりたい」「大人の女性みたいになりたい」と、ちょっと色気づいたりするんですね。

だけど同時に「はずかしい」と思ってしまうことがあるんです。
もともとセクシャリティを豊かにもっている人ほど、思春期に「こんなふうに思ってるのがはずかしい」「こんなこと思ってるのがバレたら、周りからバカにされちゃうんじゃないか」などと感じるようなんです。

自分の中の「大人の性」がだんだん目覚めてきているんですが、それを「こんなふうに思ってるのを知られたら、はずかしい」と思ってしまうようなんですね。

「はずかしい」と思った結果、セクシャリティを閉じ込めてしまうことがあるんです。

子どものころの記憶としては「はずかしいから閉じ込めた」とは思っていなくて、「こんな自分は嫌われちゃうかも」とか「自分が女子っぽくなりたいと思ってるとバレたら、周りからバカにされちゃう」とか「自分は女子っぽいのなんて、似合わない。かわいくないから」と思っていたりします。

小学校高学年から中学生くらいの時期にかけて、セクシャリティを「閉じ込めなくては」と封印してしまうと、25歳になっても、30歳になっても閉じ込めたままになっているので、「異性に好意を持たれると、なんか嫌だなと思う」と感じるんですね。

自分の中の「性的に大人の女であること」に蓋をしているので、それを意識させられる=異性に好意を持たれると、「うわ、嫌だな」と感じるわけなんです。

大人になるわけにはいかない問題

これは、「自分は子どものままでいなくては」というマインドを持っているときも同じです。
親が過保護・過干渉だと、どこかで「親はいつまでも自分が子どもでいることを望んでいるんじゃないか」「自分が成長して大人になってしまったら、親は悲しむんじゃないか」という気持ちを持つことがあるんですね。

大人になる=親元を離れるということなので、「子どもにあれこれ干渉するのがお母さんの生きがいなのに、それがなくなったらお母さんが悲しむんじゃないか」と心やさしい子は思うわけなんです。

もしかしたら、「大人になったら親が悲しむ」とは思っていないかもしれません。
代わりに「自分は何にもできないから。家事もできないし、自分で何かを決められないし、一人暮らしするほどのお金を稼ぐこともできないし」など、「自分は何もできないんです。だめなんです」として感じているかもしれません。

けれど実は、「(親のために)自分が大人にならないように」という枠を知らず知らずのうちにはめているからかも、しれないんですね。
「子どものままでいなくてはマインド」があると、大人になること=大人の女性になることを封印することになります。
そして、「35歳になるんだけど。自分でも子どもっぽいなと思う」と感じていたり、「異性に好意を持たれると、なんか気持ち悪くなる」ということになったりするんですね。

ほかにも「大人の女性になるわけにはいかない理由」として、母親が性的なことや恋愛を、嫌がるタイプだったなどがあって、「性的なことに興味を持つのをよくない」と思ってしまうこともあります。

「女の子の自分」を閉じ込めていることも

また、子どもの頃に「女の子としての自分」を閉じ込めていることあります。

たとえば、「旧家の長女に生まれて、家を継ぐことを期待されているように感じた。女の子としての自分は望まれていないように感じた」とか「お父さんは男の子がほしかったみたいで、私が生まれたとき『女の子か』とガッカリしたと聞いた」などがあって、「女の子の自分ではだめなのかな」と感じて、女の子の自分を閉じ込めてしまうこともあるんですね。
もちろん、女の子、女性として生きているんですが、どこか長男のような気持ちがあって、心理的には「女の子の自分」が閉じ込められたままになっています。

そうすると、思春期以降に大人になっていく過程で「女の子の自分」を成長させることのないまま、置き去りにしていることもあるんですね。

好きな彼、いいなと思う彼のほか、男の人に好意を持たれると嫌だなと感じて醒めてしまう蛙化現象が起きているのには、どうやらこのような原因があるようなんです。

「いいなと思う男性でも、好意を持たれると醒めてしまう」というパターンがあると、こんな心配が出てきます。

「このままではずっと、誰かと付き合ったり、結婚したりできないんじゃないか――」

いいなと思っている彼、好きな彼でも醒めちゃう自分では、恋愛したり結婚したりなんて、できないんじゃないか……。
この渦中にいるときは、「どうして私はこうなっちゃうんだろう……」と深く落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
いつまでこういうのが、続くんだろう……って。

止めていたセクシャリティを解放する

心って不思議なんですけど。
自分が意識できていることのほかに、意識できていない心の領域もあるんですね。

カウンセリングでは、意識できていない心の領域について話をしながらみていくと、いま起きている問題の原因になることが見つかったりするんです。

好きな彼でも、振り向かれるとシャッターを下ろしちゃうんです。
となっている原因を、子どものころや思春期、家族環境、いまの漠然としたお悩みなどの話を聞きながら、探していくんですね。

すると「あ、もしかしてここらへんに、引っかかってるものがありそうじゃないですか?」というものが見つかったりするんです。

カウンセリングで心理セラピーやイメージワークなどを用いて、引っかかっているところに詰まってしまった気持ちや、ネガティブなイメージを溶かしていくと……。
ずっと閉じ込めていた「女性性のエネルギー」や「セクシャリティ」が解放されていったりするんですね。

引っかかっているものが何層にもなっているときは、ひとつひとつ引っかかりを溶かしていくのですが、すると「自分はこんなふうに思っていたんだ。だけど、こんな思いを持たなくてもいいのかもしれない」という気づきが出てきて、生き方そのものがラクになったり、「自分には、結婚することなんてないだろう」とどこか諦めていた気持ちが溶けていって「私も家族を持ってもいいのかもしれない」と思えてきたりすることも多いんです。

女性性や自分らしさを開いて、幸せになっていい

カウンセリングで話していくなかで、知らず知らずのうちに抑えていた自分らしさを思い出したり、女性性やセクシャリティを開いていったり、女としての幸せを生きていいのかもしれないという許可が出たりしていくんです。

そうすると、顔つきがぜんぜん変わったりするんですね。
抑えていた本来の自分のエネルギーが循環し出すと言えばいいでしょうか。
いきいきとした感じだったり、大人の女性のエネルギーを感じさせる表情だったりに変わっていったりするんです。
こんなふうに、抑えていたものがどんどん外れていくうちに「今月、婚活がんばろうと思います」(←いままでさんざん、嫌だと思っていたのがウソのように、やる気が出てきたり)、「婚活サイトに登録するのはまだハードル高いけど。今度、友達の家でホームパーティがあるので。そこでちょっと頑張ってみようかな」という気持ちになったり。

ほんと不思議なんですけど。
自分から動きたくなってくるというか、「動いてもいいかもしれない」と思えてくるようなんです。

セクシャリティを抑えているとき、生きづらい感じがしていることも少なくありません。
それは、本来の自分らしさを表に出せていないからなんです。

私は女子っぽくないし、女性としての自信なんてないし、そもそも女を使わないようにしてきたしと思ってきた人もいるかもしれません。
でも、そんな人ほど、実は豊かなセクシャリティの持ち主なこともとても多いんです。
そして、心の奥では、その豊かなエネルギーを表に出したい、使いたいと思っていることもとても多いんです。

セクシャリティは、癒しの力でもあります。
自分のセクシャリティをいいものと思えるようになってくると、「自分のことをいいもの」とも感じられるようにもなっていくし、それを男性に与えて癒してあげることもできるようになっていくんですね。

いま蛙化現象に悩んでいたとしても、大丈夫です。

ほんとうはパートナーがほしい。
ほんとうは誰かを好きになりたい。
ほんとうは好きな人と家族をつくりたい。

そんな気持ちがあるのなら、それを叶えていきませんか。
いつでもお手伝いします。
一度、お話を聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
カウンセリングサービス所属。3500件以上の個人カウンセリングを行う。
婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
元女性誌編集者として1万人超の働く女性のお悩みを調査。自分らしい生き方のお手伝いしています。
「このままでいいのかなと、もやもやする…」ときは電話カウンセリング(45分間)もお試しくださいね。ツイッター@nakamurayoko70
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