愛されているか不安で、彼を試してしまう心理
彼に「試し行為」をしてしまう心理
「彼は本当に私のことを好きなのかな?」と不安になり、つい彼を試してしまう…
そんな経験はありませんか?
例えば
・彼が自分をどれだけ好きか、無理なわがままを言って試してしまう
・「私のこんなところ、好きじゃないでしょ」と何度も何度も彼に言っては、「そんなことないよ」と否定してもらいたがる
・そんなこと言いたくないのに、まるで嫌われたいかのような態度をとってしまう
・他の男性の話をさりげなく持ち出し、彼の気持ちを探ってしまう
・ちょっとしたことで落ち込んだり、体調が悪いと大げさに伝えたりして、彼の気を引こうとしてしまう
・ときには「もう別れようか」と口にして、彼の反応を試してしまう
こんな行動をすること、ありませんか?
今回は、彼を試してしまう心理の裏に隠された本当の気持ちと、その状態から抜け出すためのヒントを考えていきます。
なぜ試してしまうの?
心の奥にある「愛されたい」願い
彼を試してしまうとき、本当に知りたいのは、「彼は本当に私を好きなのか?」「私は愛される存在なのか?」ということです。
自分で自分を好きと思えない分だけ、彼に「こんな私でも、好きだと言って」と求めてしまう。
無理難題を彼にぶつけたり、彼を困らせたりして、「このハードル、飛んでみなさいよ」とばかりに、彼を試す。
そして彼が応じてくれるとようやく「大丈夫なんだ」と安心する。
そんなところがあるかもしれません。
「試し行為」が作り出す悪循環
彼を試すことで、一時的に安心感を得られるかもしれません。しかし、それはあくまで一時的なもので、根本的な解決にはなりません。「不安の根っこ」が解消されない限り、何度も彼を試してしまう…悪循環に陥ってしまうのです。
さらに、試し行為は「愛されているか」を確認するためのものだったはずなのに、繰り返されるうちに、相手に「私はあなたを信じていない」「私はあなたの愛情を疑っている」というメッセージを彼に送っていることにもなります。
最初のうちは、やさしく受け止めてくれたり、なんとか応じてくれていた彼も、何度も何度も繰り返されるうちに、だんだん疲れてしまいます。あなたのことが好きでも、だんだん負担に感じるようにもなるかもしれません。
また、「俺のこと、信じないならもういい」という不信感を抱くことにもなるかもしれません。
自己嫌悪と無価値観
愛情を感じにくくする心の壁
試し行為の背景には、「自己嫌悪」と「無価値観」という感情が深く関係していることがあります。これらは、まるで愛情を感じ取るためのフィルターを曇らせてしまうような存在です。
自分で自分を嫌ってしまう自己嫌悪
自己嫌悪とは、自分で自分を嫌う気持ち、自分を受け入れられない気持ちです。
自分に「×印」をつけているところは、ありませんか。
自分のことが嫌いだと、相手からどんなに愛されても、それを素直に感じ取ることができません。「どうせ私なんか…」と相手の愛情を疑ったり、否定的に解釈したりしてしまうのです。
例えば、彼が褒めてくれても、「お世辞に決まっている」「本心じゃない」と思ってしまったり、プレゼントをくれても、「何か裏があるんじゃないか」と勘ぐってしまったりします。
自己嫌悪が強いと、彼からの愛情を感じ取れません。彼がどんなに努力しても、「まだ足りない」「もっと何かしてくれるはず」と満足することができないのです。まるで、底の抜けたバケツに水を注ぎ込んでいるような状態です。
そして、彼が試し行為に合格すると「彼は誰にでも、やさしいんじゃないか。私じゃなくても同じことをするんじゃないか?」と疑ってしまうこともあります。
無価値観:こんな私は愛されない
無価値観とは、「こんな私には愛される価値がない」という思い込みです。
このフィルターを通して世界を見ると、相手の愛を感じ取ることができません。
彼がやさしくしてくれても「私に同情しているだけだ」「他に相手がいないから仕方なく一緒にいるだけだ」などと思ってしまうのです。
無価値観が強いと、「自分の愛情にも価値がない」と感じてしまいがちです。
自分の愛なんてちっぽけだ。私から好かれても、相手は嬉しくないだろうと思ってしまう。
「私が彼を好きな気持ち自体」に価値を感じられない分、「彼に何かしてあげなくては(彼に愛されない)」と感じて、尽くす行為をしたり、プレゼントを送ったりするようにもなります。
「これをしたら、彼が喜んでくれるかな」という思いからではなく、「私の愛には価値がないから、代わりに何かで埋め合わせなければ」という思いからの行為なので、どこか重たい感じにもなってしまうことも。
好きだと証明してほしいのは
心の傷を満たしたいから
「愛されているか不安になる」「彼からの『私を好き』という証明がほしい」という気持ちの根っこには、心の傷があります。
子どもの頃に、親の期待に応えなきゃとか、迷惑かけないように我慢しなきゃとやってきて「ぜんぜん、愛されてこなかった」と感じている子どもの頃のマインド(インナーチャイルド)がいるのかもしれません。
また、学校でなかなか仲間に入れなかったり、いじわるをされたり、学校を中退したりなど、「こんな自分はダメ」と自分に大きな×印をつけてしまったのかもしれません。
思春期に、男の子にからかわれたのをきっかけに「私はかわいくない」と思い込んでしまったり、太っていた時期があったことで「こんな自分では好かれない」と思い込んでしまったのかもしれません。
過去の恋愛で、彼に振られてしまったり、浮気をされてしまったなど、大きな心の傷を抱えて自信がなくなってしまったのかもしれません。
このように、
過去に生じた心の傷が、いまの恋愛の不安や試し行為の根っこにある場合もあるのです。
自分につけてしまった×印は、もしかしたらいくつかあるかもしれません。
それらを見つけて、心の傷を癒して、×印を外してあげること。
つまり、自分の傷や痛みをちゃんとわかってあげること。
そして自分につけた×印を受け入れていくこと。
そうすることで、「あなたが私を好きだと言ってくれないと、自分をいいと思えない」と彼に求めなくてもすむようになります。
自分を癒すのと同時に、自分で自分を満たしてあげるのも大切です。
楽しいこと、心地いいこと、美味しいもの、きもちいいものなど、自分の心が喜ぶことを日常の中で自分にコツコツ与えていく。
彼からの愛を感じられないのは、自分で自分を愛せないから。
自分で自分を愛すること、自分で自分を受け入れること、やさしくすることができるようになっていくこと。
実はここが、すごく大事。
そうすることで、彼からの愛情や好意に気づくことができるようになっていきます。
彼からの愛を受け取りやすくなるのです。
相手の言動に一喜一憂するのは、他人軸だから?
「彼は私のことをどう思っているんだろう?」「愛されているのかな?」と、相手の気持ちばかりを気にしている状態は、「他人軸」です。
他人軸の状態にいるとき
・相手からのLINEの返信が遅いなど、相手の言動に一喜一憂しやすい
・相手の言動、態度に振り回されやすい
・不安な気持ちを「あなたがなんとかして」と相手にぶつけやすい
・相手を自分の思い通りにコントロールしたくなる
他人軸の状態のとき、自分が不安に感じるか、安心していられるかが「相手の言動次第」になっています。
相手から頻繁に連絡が来るときは「私のこと好きなんだ」と安心していられるけれど、ちょっと連絡の頻度が低くなると「私に興味がなくなったんじゃないか」と不安になってしまう。
ある意味、他人軸の状態は「私の価値」を相手にゆだねているといえます。
相手が頻繁に連絡くれたり、好きだよと言ってくれたり、デートをちゃんと考えてくれたりすると
私にエネルギーを使ってくれている=私には価値がある
と思える。
自分に自信がなくなってしまっているとき、「相手から価値があると証明してもらうこと」を求めてしまうのです。
けれど、自分自身が心の奥で感じている自己価値は、バケツに穴が空いているような状態。それだと、いくら相手があなたにエネルギーを注いでくれても、ぜんぜんたまらず「もっともっと」と求め続けることになります。
自分で自分に価値を感じられない。
自分のことをいいと思えない。
この根っこが変わらないと、ずっと「相手からどう思われているか」を求めて、不安が続いてしまいます。
「愛される」から「愛する」へ
意識のベクトルを変える
「愛されているかどうか?」という不安は、他人軸のままでは、解消されることはありません。
相手の気持ちは常に変化するもの。
こちらを向いているときもあれば、仕事に集中しているときもある。趣味に夢中なときもある。
相手をコントロールすることはできないからです。
そこで大切なのは、意識のベクトルを自分自身から相手へと向けること。
つまり「愛される側」から「愛する側」へと意識を方向転換することです。
私はどう思われているか
私 ← 彼
私は彼をどう思うか
私 → 彼
意識の向きを変えるのです。
私は彼をどう思うかを、次の言葉に変換してみます。
私は彼をどんなふうに愛したいかな。
私は彼をどんなふうに喜ばせたいかな。
私は彼をどんなふうに応援したいかな。
意識のベクトルを「私が彼にどう思われているか」から、「私は彼をこんなふうに愛する」へと、方向転換するのです。
彼にどう思われているんだろう、と他人軸(彼軸)のときは、振り回されやすく、不安が大きくなります。
だから、「私は彼をこう愛したい」「私は彼の幸せを願いたい」へと意識のベクトルを「与える」にチェンジしていくといいんです。
与えることは、受け取ること。
とはいえ
彼の気持ちを試してしまうのには、人それぞれ理由があります。
それに、やりたくて、試し行動をしているわけでもないですよね。
だとしたら、根っこにある心の傷を見つけて癒すこと。
まずは、そこからはじめていくといいかもしれません。
それはもしかしたら、子どもの頃からずっと持っていたような心の傷かもしれません。
あなたがあなたのことを愛せますように。
自分ひとりでやろうとしなくて、ぜんぜん大丈夫です。
いつでもお手伝いします。
お話聞かせてくださいね。