恋愛心理学

「彼は私を好きじゃないのかも」の不安から抜け出すヒント

中村陽子/心理カウンセラー

彼に愛されていると感じられない理由

恋愛相談の大きなテーマの一つに「愛されている実感が持てない」というものがあります。

・もっと〇〇してほしいのに、してくれない。彼は私を愛していないってこと?
・付き合い当初に比べてLINEの返信が少ないので、不安になってしまう
・私のこと好きなら、もっと〇〇してくれるはずなのに。してくれない
・彼の気持ちを確かめたくて、彼を責めてしまうことがある……

実は、これらの悩みは「自分は愛されているんだ」という実感が持てないことに起因しています。

「私のこと、好きじゃないのでは?」という感覚のおおもとは、
実は彼との関係性の中で生じているものではありません。

ん? どういうこと?

「彼は私のこと、好きじゃないのでは?」という感覚を感じるとき、
<昔に味わった感覚>が呼びさまされていることが少なくないんです。

たとえば
子どもの頃に感じた「私は、親に叱られてばかりだった」
失恋した時に感じた「彼に嫌われてしまった」
中学生のときに感じた「友達に受け入れてもらえない」
など、昔の体験からくる感覚が
彼との間で、いま起っている(再現されている)。

親からいつもダメなところを言われていた。
友達に仲間はずれにされてしまった。
など、過去に何らかの体験があるのかもしれません。

自己肯定感が高いって、どういうこと?

「自己肯定感が低い」についての、よくある誤解があります。

自己肯定感が低い=自分の価値が低い という誤解 です。

〇〇できない私は、価値が低い
〇〇じゃない私は、価値が低い
(かわいくない私、テキパキできない私、人と上手に付き合えない私 etc……)

ついつい思ってしまいますよね。
けれど、価値が低いわけでは、まったくない んです。

自分で「こういう自分はだめ」と思ってしまっているだけなんですね。

過去のどこかの時点で
「私の〇〇なところは、よくないところ。だめなところ」と思ってしまった。
その自分を、自分が嫌ってしまっている。
「自分のこんなとこ、よくないよね」と自分が思っているんですね。

人からそう思われているかどうかなんて、ぜんぜんわからないのに。
自分が自分に、そう思っている。

自分の心の中の誤解を解いていく……
すると、自己肯定感が元に戻っていきます。
それが、自己肯定感が高くなるということなんです。

自己肯定感とは「どんな自分も、いていい」と思えることでもあります。
こんな自分もいるよね、と受け入れること。

怒りんぼの自分
人とうまくできない自分
嫉妬しちゃう自分
ホントは心の中で文句を言っている自分
けっこうだらしない自分
ぐーたらな自分
かわいげのない自分
失敗しちゃった自分

などなど

自分の「ここってよくないよね」と自分で思っているところ。
そんなところも、自分で受け入れて
自分って、そういうところあるよねと思う。

いい、悪いではなくて
そういうところ、あるよねって思う。
それが、自己肯定感なんですね。

人はついつい、いい自分じゃなきゃだめって思ってしまうものだけど。
ぜんぜんそうではなくて。
どんな自分も、「ま、これも自分なのよね」ってことなんです。

そんな感覚がだんだんわかってくると
「〇〇しないと、自分には価値がない」と思わなくなったり
「〇〇な私は、ダメなんだ」とも思わなくなったりして

いいところも、そうじゃないところもあるけど
ぜんぶ含めて私。
そんな私は、そのままで価値があると思えるようになっていくのです。

すると、彼からの愛も感じられるようになるんですね。

自分を受け入れている分
相手にも受け入れられていると感じられる。
これが、心の法則なんです。

彼は私のことが好きじゃないのかもと不安になるのは
自分自身の中に、受け入れていない自分がいるっていうことでもあるんです。

「こんな自分、だめだよね」と思っているために
彼からも「こんな私じゃ、好かれない」と感じている。

「こんな自分、ダメ」と思っている自分を、受け入れられるようになると
人からも「愛されてる」「受け入れられている」と感じられるようになるんです。

自分を受け入れる、自分を好きになるとは
自分につけた×印を、受け入れていくこと

どんな人も、これまで生きてきた中で
自分で自分に×印をつけてしまっている部分を内面に持っているものです。

いろんなことがうまくいっているように見える人でも
SNSでキラキラしているように見える人でも
なんらか、これまで生きてきた中で、自分で自分に×印をつけていて
「×印をつけた自分」を見せないように、と思いながら生きていたりします。

みんな、同じなんです。

そして、あるときうまくいかないことがあって
自分の心と向き合うようになり

小学生のあのとき、男子からあんなことを言われて×印をつけちゃったんだな
子どものころ、きょうだいと比べられて×印をつけちゃったんだな
お母さんにいつも足りないところばかり言われて、×印をつけちゃったんだな
思春期にすごく太っちゃって、そんな自分に×印をつけちゃったんだな
友達とうまくいかなくて、仲間に入れなかったとき、×印をつけちゃったんだな
大好きだった彼に振られたときに、×印をつけちゃったんだな
高校に行けなくなって中退しちゃったとき、×印をつけちゃったんだな
あのときあんなこと言っちゃった自分に×印をつけちゃったんだな

人それぞれ、いろんなことがあって、いろんな×印の自分を抱えていたりします。

自分の心と向き合って、「×印をつけちゃった自分」を受け入れていったとき
「こんなに×印、つけなくてもよかったのかもしれない」と思えるかもしれません。

「×印をつけちゃった自分」を受け入れることで
自分にやさしくできるようになっていきます。
そして、あらためて、自分のよさにも気づいていけるようになるんです。

この作業をひとりでやるのって、難しいんです。
「こんな自分はダメなんだ」と見たくないから、心の奥に閉じ込めてきたものだからです。

カウンセリングで「この話、これまで誰にも言ったことがありませんでした」とおっしゃっていただくことがよくあります。
そして同時に、誰にも話したことがなかったことを「誰かに話して聞いてもらうこと」でラクになるんです。

話して聞いてもらうことで「言っても大丈夫だったんだ」と、力が抜けるからかもしれません。

カウンセリングの6回券をつくっているので、6回通っていただくことが多いんです。1回目、2回目は「自分の中にこんな気持ちがあったなんて、びっくり」と驚いたりしながら、自分につけた×印を見つけて癒していきます。

途中、「こんな話、誰にも言わずにきた」という話をしていただくこともあります。

そして、3回、4回と回を重ねるごとに、どんどん雰囲気が変わっていかれることがとても多いんです。

それまでなんか、モヤっとした薄皮がかかっていたような感じだったのが
どんどんその人らしいいきいきとした感じが、出るようになっていくんですね。

それは、×印を癒したり、自分の中に抱えたままだった悲しい気持ち、悔しい気持ち、怒っている気持ちなどを吐き出したりしたことで、
自分のエネルギーを抑えなくてもいい状態になるからかなと思っています。

どんどんその人らしい生き生きした感じ
その人らしい女性らしい感じ、やわらかい感じ
その人らしいお茶目な感じ、おっとりした感じ

×印の誤解を解いて、自分を受け入れていった分だけ
どんどんその人らしさが出るようになるんですね。

そして気づくと、前よりもずっと
自分のことを「いいもの」と思えるようになっている。

そして、もっと自分らしくしていいんだと感じられるようになっている。

自分で自分を受け入れた分だけ、「相手からどうしたら愛されるんだろう」と思っていたことさえ、忘れてしまう。
あれ?そんなふうに思ってたんだっけ。私。

ということで。
自分につけた×印、見つけて癒していきませんか。
きっとだんだん、ラクになっていくはずです。
そして、恋愛するにも、婚活するにも、前よりずっと不安が減って
相手と楽しくいられるようになっている自分に気づくかもしれません。

いつでも、お手伝いします。
お話聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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