恋愛心理学

一生結婚できない気がする。落ち込む気持ちが教えてくれること

中村陽子/心理カウンセラー

一生結婚できないかもと落ち込んだときは

周りがどんどん結婚していく中で、自分だけが取り残されている気がする。
「子どもができた」なんて聞くと、つくり笑顔で「おめでとう」と言いながら、心のザワザワを悟られないように必死で隠す。

婚活した時期もあるけど、婚活に疲れてしまった。
結婚相談所、やめないまま月会費だけ払ってる。

自分だけ、結婚できない。
周りはみんな結婚して、子どももいるのに。
自分だけ、どうして結婚できないんだろう。

みんながふつうにできていること、どうして私だけできないんだろう。
私、おかしいのかな。

婚活しようと出会いの場にも出たけど。
マッチングアプリは年の離れた人からしかオファーが来なくて。
もっと早く婚活しとけばよかったと後悔の気持ちばかりが出てくる。

20代のときに付き合ったあの彼を、しっかり捕まえておけばよかった。
もうこんな年齢になっちゃって。いまさら、遅すぎる。

自分なんて、一生結婚できないんじゃないか。
そんな気持ちになって、落ち込んでしまう……。

こんなお話をよく聞きます。
私自身も思った時期がありました。

どうして自分だけ結婚できないんだろう。
どうして自分だけ家族を持てないんだろう。

みんなはふつうにできているのに。
バツイチの友達は、再婚してるのに。
どうして自分だけ、結婚できないんだろう。

自分に、何か足りないのかな。
みんながふつうにできることが、できない私。おかしいのかな。
みんなふつうに、彼氏をつくって結婚してるのに。
私、おかしいのかな。

魅力がないから、うまくいかないんじゃないか。
仕事ばかりで、かわいげがないからダメなんだ。
あの人のここが合わないとか、言ってるからダメなんだ・・・。

自分を否定する気持ちばかり、出てくるかもしれません。

ぜんぜん、そんなことないのに。
婚活がうまくいかない、結婚していないというだけで「自分に足りないものがある」と感じてしまうことがあるんです。

ダメなところ、足りないところばかり見ていない?

人は、うまくいかないとき。
「どこがダメなんだろう」って思う。
原因を見つけなきゃ、治さなきゃって思う。

原因がわかると、安心するから。
一生懸命にダメなところ探しをしてしまうようなのです。

だけど「自分のどこがダメなんだろう」「何が足りないんだろう」とダメなところ探しをしていくと、どんどん自信がなくなっていきます。
どんどん自分らしさも失われていきます。

ダメなところばかりに意識が向いているから。
足りないところばかりに意識が向いているから。
どんどん苦しくなってしまうのです。

だけど。
ダメなところばかりを、拡大鏡で一生懸命探していたら……。
自分に自信がなくなって、当たり前だと思いませんか。

いいところも、魅力的なところもたくさんあるのに
ダメなところや足りないところばかり探して、
「女子力の高い○○みたいにならないと……」とかやっていたら。

どんどん本来の自分からズレて行ってしまうのです。
「こんな自分じゃダメ」と自分を否定した上に、
「こんなふうじゃないと、ダメなんじゃないか」と<自分ではない何者か>になろうとする。
さらに、「選ばれるためにはどうすればいいのか」ばかりに意識を向ける。

そんなことしてたら。疲れ果てて当たり前です。
自分がわからなくなって、当たり前です。
自分に自信がなくなって、当たり前です。
こんな思いをするのなら、婚活もうしたくないと思って、当たり前です。

もし、婚活に疲れて「自分は結婚できないかもしれない」と思っているなら。
まずは、「ダメなところ探しをしているクセ」に気づくこと。

溜め込んだもんもんを吐き出そう

ダメなところ探しの思考にハマっているとき。
気づけないんです、自分では。

ダメなところを探すのがクセになっちゃってるから。
そんなときこそ、誰かのサポートを借りてみてください。

婚活で、結婚相談所のコンサルタントさんにこんなこと言われた。
いいなと思っていた人から、急にメッセージが来なくなった。
やりとりしてそこそこ仲良くなって、今度こそうまくいくかもと思いながら会いに行っても、次のお誘いがなく1回で終わっちゃった……。

そんなことが続いていたら、そりゃあ、へこんで当たり前ですから。
へこみますよ、ふつうに。
へこんでも「こんなことがあってさ~、落ち込んじゃった」と、話す相手がいなければ、自分の中に一人で抱えることになるから。
もんもん、もやもやとした気持ちが心の中に残ります。

たくさんのもんもん、もやもやをため込んで、抱え続けていたら。
そりゃあ、一生結婚できないんじゃないかという気持ちにもなることがあっても、当たりまえ。

もんもん、もやもやは、心の中に抱えていると、気分がなかなか浮上しないものなんです。
だからノートにわ~っと、「超サイテー、むかつく」とお恨み帳を書きつづるのもいい。もし、ノートに書いてすっきりできるなら、やってみてください。

だけど、ノートに書く気にもならないときは。
できれば、ボヤキやら何やらを、ほんとは誰かに聞いてもらえるといいんです。
「え~~~、それは腹立つよね」「それは、ショックだよね」と、誰かに聞いてもらえるといいんです。

ボヤキって、誰かに聞いてもらうことで。すーっと気が済んでいくものだから。

自分の中に溜まったもんもんとした気持ちを吐き出していけると、ちょっとすっきりしてきます。すっきりして、少し前向きな気持ちも出てきたりします。

一生結婚できない深層心理の理由

そして、抱え込んだもんもんを吐き出したりして、気持ちがちょっとすっきりしてきたら。
本題に入っていきます。

「一生結婚できないかも」と感じているとき。
心の中に「結婚を遠ざけたい気持ち」や「結婚するわけにはいけないという何か」を持っていることがあるんです。

もちろん「結婚したい」と思っていることは、十分、知ってます。
だけど、心の中にもうひとつの気持ち=「結婚するわけにはいかない理由」があることも多いんですね。

潜在意識って、聞いたことありますか?
ふだんは意識できない心の領域のことです。
意識できる部分を「顕在意識」といい、意識できないから「潜在意識」なんですね。

潜在意識・無意識は、心の領域の95%くらいを占めているとも言われます。
そのくらい「意識できている部分=顕在意識」って、少ないんです(5%弱ですから)。

で、心の領域の95%を占める潜在意識や無意識に、
自分では意識できない「思い込み」やら「思い」やら「感覚」やらがたくさんあるわけなんです。

そして、いま結婚していないとするなら。
潜在意識や無意識で、「結婚しないでいることを望んでいる」かもしれないんですね。

これまでカウンセリングで「私は、一生結婚できないんだ。みんなは結婚して、家族を持っていくのに。私だけ、一生このままなんだ」と言っていた方たちは、心の奥に「結婚するわけにはいかない理由」がありました。

心の奥で「結婚するわけにはいかない」と思っているから、「私は一生結婚できないんだ。自分だけ、置いていかれるんだ」という言葉が出てきていたんですね。

例えば。

シングルマザーのお母さんに育てられた。いまは離れて暮らしているものの、自分が結婚してしまったらお母さんを裏切ってしまうような気がしていた。
ずっと二人でやってきて、自分がお母さんの生きがいだと知っていた。だから、自分が結婚してしまったらお母さんをひとりにしてしまう。
だから、結婚するわけにはいかない。

お父さんが大酒飲みで。子どもの頃からお酒を飲むと、暴言を吐いて、酔っぱらってひっくり返っていた。お母さんは、こんな人と結婚するんじゃなかったが口癖だった。子どもの頃からずっとずっと聞かされて。お母さんはぜんぜん幸せじゃないんだと思ってきた。
もし自分が結婚して家を出てしまったら。お母さんをひとりにしてしまう。
あんなお父さんと二人きりの生活に、お母さんは耐えられるんだろうか。
そう思うと、自分は家を出るわけにはいかない。

子どもを持つことを怖いと感じてしまう。だから子どもをほしいと思わない。だけど、結婚相手は子どもを欲しい人かもしれないし、いいパパになる人かもしれない。そう考えると、自分は結婚しないほうがいいんじゃないかと思う。

子どもの頃はやさしかったお父さん。仕事がうまくいかなくなったあたりからギャンブル依存になった。お父さんは、弱くてぜんぜん頼りにならない、人に迷惑ばっかりかける。そんなイメージのまま、亡くなってしまった。だからなのか、ちょっとやっかいなところのある男性ばかりを好きになる。男の人を助けたいけど、助けられない。そんな気持ちが根底にあって、最後の最後で結婚を決められない。

両親の離婚で、父親が家を出て行った。母親に、お父さんのことを聞いちゃいけない気がしてずっと会っていない。別れって嫌だ。誰かと別れるつらさを味わうくらいなら、ひとりでいる。そんな気持ちが心の奥にあるみたい。

ここに書いたのは一例ですが。
自分では気づかないような気持ちが心の奥にあって、「結婚するわけにはいかない」「結婚したくない」と思っていて、その結果、婚活してもなかなかいい人と出会えなかったり、誰かとお付き合いをしても結婚する前に別れてしまったり……ということを引き起こしていることがあるんです。

一生結婚できない気がすると思うくらい、「結婚するわけにはいかない何らかの理由」を心の中に抱えているかもしれない――。

結婚していないのは、自分に何かが足りないから。
自分に魅力がないから。
ということでは、なかったんです。

だとしたら、心の中にある「結婚するわけにはいかない何らかの理由」にまず気づくこと。

潜在意識や無意識にある思い込みは、「気づくこと」で表面意識に浮かび上がってきます。気づいていないから「望まない現状」を生み出しているけれど、気づくことができれば手放すこともできるんです。

「一生結婚できない気がする」という人の中には、こんな人もいます。
面白いことなんて、ぜんぜんない。休日も、起きていても仕方ないように感じてしまって布団の中から出たくないときがある。
自分ってダメだなと思う。婚活がうまくいかないだけでなく、趣味ややりたいことさえないのかと思う……。

だけど、よくよく話を聞いていくと「恋愛・結婚できないくらいなら、起きていても仕方ない」という気持ちが、根底にあることも少なくないんです。

大好きな人と一緒に生きていく。なにげない毎日を共に味わっていく。
それができないくらいなら、生きている意味がわからない。

もしそうだとしたら。
一生結婚できない気がすると思いながら過ごしている日々は、自分の大事なものをすっかり諦めた生き方といえるかもしれません。
とても無味乾燥な、味気ない、なんの面白味もないものになっているかもしれません。

だとしたら、心の中をあれこれひも解いていきながら、潜在意識にある「結婚するわけにはいかない理由」に気づいて、手放していきませんか。

心の中で複雑にからまっていたとしても、ひとつひとつほどいていけば、「こんなこと思ってたんだ、私。そりゃあうまくいかないはずだよね」と笑いながら語れる日がくるかもしれません。

そのときには「一生結婚できない気がする」から抜け出して、次のステージに向かっているはず。
ほしいものに手を伸ばし、「こんな日が自分に訪れるとは思わなかった。本当に幸せ」と思えているかもしれません。

自分の心の中にどんな思いがあるのか。
それを一緒に見つけていきませんか。
カウンセリングで何回か話をしていく中で、自分でも思ってもみなかったようなことに気づいたり、思い出したりして、「心の中にこんな思いがあったのか」と気づいていけたりします。

話をしていくなかで、何かに気づいていく。
そこからスルリスルリと、いろんなものがほどけていったりもするんです。

私自身、カウンセリングを受けるようになって、「自分の心の中にこんな思い込みがあったんだ。それじゃあうまくいかないはずだ」という気づきを、いくつもいくつも感じてきました。そしてそれらを癒して手放していくたびに、自分が望む未来に手を伸ばしていけるようになりました。

もし、この記事を読んでちょっとでも気になるな、興味あるなと思ったなら。
心の中に見つけてほしい何かがあるよと、あなたの心が伝えてきているのかもしれません。

いつでもお手伝いします。
お話聞かせてくださいね。



この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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