結婚できないのは、お母さんを一人にできないから…
結婚できないのはお母さんをひとりにできないから
周りは結婚していくのに、自分だけ結婚できない……。
そんなお悩みを伺うことがよくあります。
仕事が忙しくてぜんぜんこっちを振り向いてくれない男性や遠距離の男性、彼女のいる男性を好きになってしまう。
不倫の恋をすることもある。
自分には結婚は無理なのかなって思う。
周りが結婚していくのを見ているのは、ほんとうに悲しい……。
そんな悩みをシングル女性の方々からほんとにたくさんお伺いしています。
自分はずっと一人なんだって、思ったほうがいいんじゃないか。
そうすれば、悩むこともなくなるから。
こんな気持ちになることも少なくありません。
こんなタイプの人が結婚しないでいる理由を探っていくと
「私が結婚するわけにはいけない」
という思いが見えてくることがあるんですね。
私には彼ができないと思ってたけど…
例えば……架空のA子さんの物語です。
周りの結婚している友達を見ていると、とても悲しい気分になるといつも思っていました。
みんなは結婚できるけど、自分は結婚できないと感じるからです。
友達から、彼氏つくればいいじゃんとか、彼氏できると思うんだけどなと言われることもあります。けれど、自分ではぜんぜんそんなふうに思えません。
「A子さんなら結婚できると思うのに」と言われると、とても悲しい気持ちになります。
なぜなら、彼氏さえできる気がしないからです。
私が好きになる人はこっちを振り向いてくれないし、私を好きになってくれる男性のことは避けたくなるし。
私が結婚するなんて、無理。
そう感じていました。
A子さんは子どものころから母親のグチを聞いて育ってきました。
お父さんとなんて、結婚するんじゃなかった。
お父さんは、つまらない。
もっとほかの人と結婚していれば、違う人生があったかもしれないのに。
そのためA子さんは思っていました。
お母さんは幸せじゃないんだ。
お母さんの人生には、いいことがないんだ……。
お母さんからのこんな思いも感じていました。
お父さんの代わりに、あなたがそばにいてくれるわよね。
お父さんの代わりに、あなたが私を幸せにしてくれるわよね。
そして「お母さんを一人にできない」という思いを心の奥に持つようになったのです。
もし、彼氏ができて結婚することになってしまったら……。
お母さんを一人にしてしまうことになります。
だけどお母さんを一人にさせるわけにはいかない……。
そんな思いから、無意識のうちに男性を遠ざけてしまうのです。
そして
私には彼氏ができない。私が選ばれるわけないから。
私には結婚できない。私のことなんて好きになるわけないから。
そんなふうに、思うようになったのです。
結婚したいけど、するわけにはいかない
もし、彼氏がいてもいなくてもいいし、結婚もどっちでもいい。
そんなふうに思っていたら、結婚している友達を見ても悲しい気持ちにならないものです。
結婚している友達、子どものいる同僚を見て、悲しい気持ちになるのだとしたら
ほんとうは自分もそれがほしいという気持ちがあるから。
ほんとうは結婚したい、家族をもちたい。
だけど、それをするわけにはいかない。
心の中に
ほしい気持ちと
ほしがってはいけない気持ちが
せめぎ合っているとしたら……
それはそれは、とても悲しくなってしまうと思うのです。
結婚している友達や職場の女性に、嫉妬を感じてしまう自分が苦しいのも
ほしいけど、ほしがるわけにはいかない
二つの思いがせめぎ合うから、苦しく感じてしまうのです。
ほしい気持ちを「絶望」で抑え込むことも
ほんとは自分だってほしい。
だけど、ほしがってはいけない。
そんな相反する二つの思いを心の中に抱えているとしたら
あきらめや絶望といった思いも、強く感じているかもしれません。
絶望するほどまでに、あきらめている。
なぜなら、ほしがってはいけないから。
それは、ほしい気持ちを絶望という感情を使ってまで抑え込んでいるといえるかもしれません。
もしそんな思いを心の中に抱えているとしたら、どれほど悲しいことかと思うのです。
母親との間で身をひきさかれるような思いを抱えているのは、
実はシングル女性だけに限りません。
結婚しているけれど、お母さんのもとを離れてしまっていることに
お母さんを裏切ってしまったような苦しさを抱えていることもあるのです。
自分だけ幸せになるわけにはいかない
親が幸せそうじゃないと感じると、親を置いて自分だけ幸せになるわけにはいかないと思ってしまうものです。
両親の仲がよくないように感じていると
どうしてお父さんとお母さんは結婚したんだろう。いっそのこと他の人と結婚してくれればよかったのに、と文句を言いたくもなります。
親思いの子どもほど、こんな気持ちを持つんです。
それもこれも、やさしいから出てくるんです。
親をそれだけ思っているから、出てくるんですね。
親を一人にできない。
実家を離れるわけにはいかない。
親が幸せじゃなさそうなのに、自分だけが幸せになるわけにはいかない。
やさしいから、こんな思いを持ち続けているんですよね。
そして同時に、それほどまでにお母さんを幸せにしてあげたい自分がいるんですよね。
お母さんを幸せにしてあげたいのに、幸せにしてあげられない。
そんな自分に無力さを感じてしまい、心の奥で自分を責めてしまうほど
お母さんのことを笑顔にしたい自分が、いるのかもしれません。
だけど、自分の人生を生きない、自分が幸せにならないというやり方で
お母さんを幸せにすることって、ほんとにできるのでしょうか?
親の生き方の中に意義を見出してみる
親を置いて、自分が幸せになるわけにはいかないと思っているとき
心の中で、親を「かわいそうな人」「弱いもの」と感じています。
これは、親自身に人生をつくっていく力があるということを見逃してしまっているといえるかもしれません。
親を助けたいがために、かわいそうな人と感じてきたけれど
でも親は自分が思っているほど、弱い人でもかわいそうな人でもないのかもしれない。
そんな視点で、親のことをふりかえってみてもいいのかもしれません。
というのも。
親が生きてきた時代と、子どもたちが生きてきた時代は違うから。
子どもから見ると、親の生き方には何の楽しみもないように思えることはよくあります。
姑のことで苦労もしてきた親を見て、お母さんの人生は苦労ばかりに思えているかもしれません。
だけどもしかしたら、親はそれをしたくてしているところもあったのかもしれません。あのいやな姑の面倒を最後までみていたのは、それをすることにお母さんなりに意義を感じていたからかもしれません。
子どもにグチってしまうことは度々あったかもしれないけれど、子どもが思うほどかわいそうなわけではなかったのかもしれません。
親の生き方をかわいそうに見ることもできます。
一方で、親の生き方の中に意義を見つけ出すこともできます。
もし、親の生き方の中に意義を見出すことができたとしたら……。
あなたはどんな気持ちになるでしょう。
もしかしたら、親の生き方をこれまでとは違った角度から見直してみることをしてみてもいいかもしれません。
それによって、これまでとは違う親の物語に気づくこともあるかもしれません。
すると、自分の人生を生きていいと思えるかもしれません。
幸せになっていいんです。
あなたは幸せなっていいんです。
心やさしきあなたが、自分らしく生きることにOKを出していいんです。
自分のほしい幸せを手にできますように。