恋愛心理学

自分を犠牲にしてでも彼を見捨てられない~助けたい症候群

中村陽子/心理カウンセラー

付き合っている彼がいる。
でも、その彼と一緒にいることにときどき限界を感じる。
もう、これ以上背負えないって、そんな気持ちが突然わいてくることがある。

というのも、彼はあんまり仕事が好きじゃなく、一人で生活するのもやっとの稼ぎしかなくて。
気がつくと、デートやそのほか、私がほとんどお金を払っている。
彼を助けるために私が出していたら、それが当たり前になっちゃった。

稼いでるほうがお金を出せばいいと思うけど。
でもときどき、「もう無理」って思う。

でも私が別れたら、彼を見捨てちゃう気がして、別れられない。
***

これを読んで「状況はちょっと違うけど、何か心あたりがあるかも…」と思うなら。
もしかしたらあなたは「助けたい症候群」かもしれません。

助けたい症候群~問題のある人を好きになる

助けたい症候群とは、
なぜかいつも、何かしらの問題を持った相手に心惹かれてしまう。
放っておけなくて、私がなんとかしてその人を助けたいと思う。
その結果、自分を犠牲にしてでもなんとかしようとしてしまう。
そんなマインドのことです。

「私が面倒をみなきゃ」のほかにも、「彼の孤独をなんとかしてあげたい」とか「彼の傷ついた心をなんとかしてあげたい」と感じていることもあります。

そして、
失恋や離婚の傷で女性を信じられなくなった男性
人を寄せ付けない孤独な男性
いま大変そうで苦しんでいる男性
家庭がうまくいっていない既婚者
定職に就いておらず不安定さのある男性
などに惹かれてしまうのです。

いまの恋愛で、苦しくないならいいんです。
でも、自分を犠牲にして相手を助けていると、どこか苦しさが出てきてしまうものなんです。

この関係を続けていても、先が見えない。
でも彼を見捨てて、自分だけがラクになるわけにはいかない。
だけど本当のことをいうと、しんどい――。
そんな気持ち、ありませんか?

助けたかったけど、助けられなかった誰か

助けたい症候群のマインドを持つ人は、
心の中に「本当は助けたかったけど、助けられなかった誰か」がいることが多いんです。

子どものころに親を助けてあげたかったという思いかもしれないし、
過去に付き合った恋人のことかもしれません。

離婚して一人ぼっちで大変そうな暮らしをしている親を助けたかった。
孤独な父をなんとかしてあげたかった。
借金やアルコールで、窮地に立たされている親をなんとかしてあげたかった。
病気になった恋人を本当は助けたかった。
「でも、そのときの自分には、何もできなかった」

「助けられなかった」という思いが残っていると、
いまの恋愛で、問題のある彼を助けることで、
その助けられなかった思いを果たそうとしてしまうんです。

だけど、「助けられなかった人の代わり」なので、
その彼を助けることができたとしても、
助けられなかったという思い自体はなくならないんです。

そのため、誰かを助ける恋愛をしてその人の状態がよくなっていざ幸せになりましょうかという段階になって別れてしまい、また別の助けたい誰かを探していく……ということを繰り返すこともあるんですね。

また、
「過去の自分」を助けようとしていることもあります。

本当はしんどかったのに、誰にもしんどいと言えなかった。
ひとりでずっと孤独を抱え続けてきた。

過去の痛みがあると、大変そうな人を見たときに、当時の自分を見ているような気持ちになります。

そして「なんとかしてあげたい」という気持ちになり、恋愛を通じて相手を助けようとするんですね。

問題のある彼を放っておけない、けど幸せな恋愛にならない――。
そのパターンを抜けていくには
「助けたかった人を助けられなかった」という思いや
「あのときの自分は、ほんとうはしんどかった」という思いを癒していくことなんです。

問題のある彼、付き合うのが大変な彼を放っておくことができないのは
自分の中に、助けられなかった誰かがいるからだ――。
まずは、この気づきが第一歩なんです。

助けられなかった罪悪感を手放す

そして。
大切な誰かを助けられなかった……。
そこには「本当は助けたかった」という想い、愛情があります。
だけど「助けられなかった」という方向ばかりを見てしまうんです。
助けられなかったという罪悪感、自分には何もできなかったという無力感を抱えていたりするんです。

また、そのとき大変そうな家族を助けるために「私のことはいいから」と自分を後回しにしたり、「私は家族の迷惑にならないようにしなくては」と自分の気持ちを誰にも打ち明けなかったりということを癖にしてしまい、大変なこともしんどいこともなんでも自分一人で抱えて、背負ってしまう……というパターンを持っていることも少なくないんです。

あなたは、心やさしき自分に気づいていますか?
自分には何もできない、自分は迷惑な存在だと思ったりしていませんか。

とにかく何者かにならなくては――やっきになって走り続けていたりしませんか?
そして、ヘトヘトになった自分を抱えていたりはしませんか。

だけど本当に、あなたは何もできなかったのでしょうか。
助けたかった人を、ほんとうは十分に助けていたのかもしれない。
そんな視点で過去を振り返ってみることも、実はとても大事なんです。

助けられなかったという思いよりも、
助けたかった人への愛情が自分の中にあったという方向を見ていくんです。
何もできなかったという思いよりも、
何かしてあげたかったという自分の中の愛情に、目を向けてほしいんです。

そして、「助けたかった」とあなたがそこまで想った人からの
あなたへの想いと願い。
それらを受け取っていく――。

助けたいマインドを癒していくのは、そんなプロセスになっていきます。

また。
助けたかったのは自分だった。
相手の中に見ているものが、助けたかった自分だとするのなら、
そのころの自分の気持ちを、まずは受け入れていくといいんですね。

つらかった、しんどかった、苦しかった。
頼る人が誰もいなくて、本当に大変だった。

そのころ、誰にも言えなかった自分の気持ちを、
誰かに話して、受け止めてもらうんです。
そうやってそのときの気持ちを誰かに受け止めてもらいながら、感情を癒していくといいんですね。

自分の中の置き去りになったままの自分。
あの頃あまりにしんどくて、自分のしんどい気持ちを切り離してしまったのかもしれません。それは、あの頃のしんどさを越えていくために必要だったのだと思います。

だから、いま、あの頃の自分の気持ちを受け止めてあげる。
あのころのつらさを。わかってあげる。
そうやって自分を愛してあげるんです。

そうすることで、しんどかった頃の自分の気持ちを癒して、解放してあげるといいんです。

しんどかった気持ちを解放することで、心にスペース(空き)ができます。
空きスペースができると、「自分が幸せになること」にも目を向けられるようになっていくんですね。

彼に幸せになってほしい。自分も幸せになる。

この2つは、両立できるものなんです。
どっちもあって、いい。

「自分の幸せ」も考えられるようになっていくと、犠牲的な恋愛ではなくなっていきます。
「彼との付き合いは、何かがしんどい」という思いを、持たなくてすむようになっていきます。

彼を助けるにしても、自己犠牲的に背負うのではなく
「私がしたいからするけど、できる範囲でやる」と思えるだけで、いまよりずっとラクになります。
「もう無理、これ以上背負えない」という思いを、持たなくてすむようになっていけるといいんですね。

助けたいマインドを癒していく過程で
彼と付き合い続けるかもしれないし、別の人を選ぶようになるかもしれません……。

どちらになるにしても
いまの「なぜか先の見えない状態」からは抜け出すことができるようになるでしょう。

どうか、あなた自身のことも
「幸せにしてあげるリスト」に入れてあげてください。

それがひいては、あなたが助けたかった人を助けることにもなるんですね。

助けたいマインドを持っている人は、いろんなものを背負って自分一人で抱え込んでしまうくせを持っています。
だけど、そろそろ背負ってきたものを下ろしてもいいのかもしれません。

よかったら、お話を聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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