子どもを持てなかったという喪失体験

中村陽子/心理カウンセラー

子どもをほしいとか、ほしくないとか。
子どもを持たないまま、いまの年齢になったとか。
そんなテーマのお話を伺うこと、けっこう多いんです。
というのも、それは私自身の個人的な体験が背景にあるからなんですね。
今回は、少し私の個人的な話を聞いていただきたいと思います。

後悔しないため、が動機になっていたなんて…

私自身がカウンセリング初めてうけたのが7年前なんですね。
カウンセリングを受けたり、心のことを学んだりしてきたおかげで
「自分の心の中にこんな思いがあったんだ。だからこんな生き方になっていたんだ」とたくさんのことを気づくことができました。

心の中にある「こんな思い」に気づいて、それを癒していくことで
「こんな思い」に縛られることなく、無意識に引っ張られることなく
自分の人生をつくっていけるようになります。

言葉を変えると、自分はどうしたいのかを選べるようになるんですね。

どんなふうに生きていきたいか。
何を大切にしたいのか。
自分はどうしたいのか、を選んでいけるようになるんです。

いま、私は子どもがほしいとは思わなくなりましたが。
10年くらい前は、子どもがほしいピークの時期でした。

どうやらカラダから「子どもを産むならラストチャンスだよ~」という声が聞こえていた時期だったんですね。
だけど、子どもを持つことはできませんでした。
ほしいと思ってたんですけどね。

だけど、あの頃の行動を今から思うと。
「子どもをもつことは叶わない」という前提が、自分の潜在意識にあったんだなと思うんですね。

41、2歳のころ強く思っていたことは――

「やるだけのことはやった、と思えたら。あとで後悔しないと思う」

だったんです。

そのときは「子どもがほしいし、家族を作りたい。だから、いまできることをする」というつもりだったのですが

「やるだけのことはやった、と思えたら。あとで後悔しないと思う」

と言っている時点で

「やるだけのことは、やった。
だから、後悔はない」

という未来を思い描いていた、ということなんですね。
無意識的に。

あれれ?
子どもほしかったんじゃなかったっけ? 私。

子どもはほしいけど。
やるだけのことはやったから後悔はないという未来のために、頑張るぞー。
ってなってない? 
あれれ???

いまから思うと
こんがらがっていたわけなんですね。

こんがらがっていても
気づいた時点で、こんがらがりをほどいていくことはできます。

例えば。
誰かと一緒に生きていきたいという気持ちがあるのに
なぜかそれが手に入らない。なぜなんだろうと気づいたなら
心にどんな思いがあって、それを手に入れることを止めているのかを
みつけていくことはできます。

「これがほしいんだ」と思ったら、それを自分の人生に入れていけるように
いまからしていくことって、できるんですよね。

人生で、今日が一番最年少だから。

52歳で結婚。
結婚式、どうしようかな。
和装かしら?

とか、これからいくらでも叶えていくことってできるんです。

だけど。
子どもを産むことについては、どうしても年齢的なタイムリミットがあるんですね。

子どもを持てなかった喪失感

子どもを持たなかった私ですが、いまは自分の子どもをほしいとは思わなくなりました。
子どもに代わるものを見つけたからです。

だけど、こんなふうに思えるようになるまでは。
ちょっと時間がかかりました。
どのくらいかな? 5年かな、7年かな。

「自分は、まだ年齢的に子どもを望めるな」と思っているときには、ピンと来ないかもしれないのだけれど。

子どもを持たなかった。
となったとき。

頭では、自分なりにベストを尽くしたんだよと思えても
心がそう納得するのには、ちょっと時間がかかったりするんです。

時間というか。
ある種の喪失体験を経る必要があったかなと思っています。

子どもを持てなかったという喪失体験。

子どもをなくしたわけじゃ、ないんですよ。
産んでいませんから。

それでも、子どもを持てなかったという喪失感を通り抜ける必要がありました。
次に進むために。
いったんちゃんと、持てなかったことを受け入れるプロセスが必要だったんだと思います。

夫もいないシングルなのに。
不思議といえば、不思議ですよね。

子どもほしい気持ち。なぜ抱くんだろう

だけど相手がいようが、いまいが。

子どもほしい、という気持ち。
子どもに愛を注いでみたかった、という想い。
子どもに伝えたかった、という願い。

そんなものが自分の中にあったんです。

言葉にすることが難しいけれど
愛したかったし、育ててみたかったんですね。

人の心って、
もらったものを与えたい
というところがあるんじゃないかと思うんです。

子どものころに、誰かに愛してもらった記憶。

お母さんかもしれないし、お父さんかもしれないし。
おばあちゃんかもしれないし、おばさんかもしれないし、親戚のお兄ちゃんかもしれません。

誰かに愛してもらった記憶が、心の奥にあるから。
自分がもらったものを受け渡したいのかもしれません。

思春期や大人になってから、親に反発したり、距離を取るようになって
親と関係がうまくいってなかったとしても。

心の奥の奥の奥に
もらったものの記憶が、あるのかもしれません。

もらった相手は親ではなくて、おばあちゃんや親せきの誰かかもしれません。
それでも、もらったものの記憶があって、それを誰かに受け渡したいのかもしれません。

そこそこ山あり、谷ありな生き方をしてきた中で
自分なりに失敗したこと、そこから学んだこと、こうしておいたらよかったなと思うことを
伝える相手がほしい。

そんな気持ちもあるのかもしれません。

人の心って不思議なもので。
もらったものと与えるものとの間で、バランスをとるようなところがあるらしいんです。

もらったもの(受け取ったもの)ばかりが多くて、ちっとも与えることができていないと感じていると。
それだけで、罪悪感を感じてしまうなんです。

そのくらい
どうやら人は愛したい生き物のようなんです。

もうひとつ。思い出したことがありました。
それは何かというと。

子どものころ、母からこんなことを言われていたんです。

お母さんは結婚するのが遅かったけど、どうしても子どもがほしくてね。
ものすごい難産だったけど、あなたが生まれたのよ。

赤ちゃんを抱いている母の写真は、とても幸せそうな愛おしそうな顔をしていました。

ただ生まれてきただけで。
喜びの存在だった。

母との間に、心の葛藤があったときには
この言葉を思い出すことはなかったけれど。
そうだったんですよね。

それを心のどこかで、ずっと知っていた。
いろんな感情があって、まっすぐそうだとは思えなかったけれど
だけど心のどこかで、ずっと知っていた。

子どもがほしい。
その気持ちの中には、こんな想いもふくまれているように思うのです。

心の声を聞いてみる時間、もってみませんか

子どもを持つにしても、持たないにしても。
人生のどこかのタイミングで「どうするの?」という問いに向き合うときがきます。

それは、好きな人ができたときかもしれないし、
カラダから子どもどうするの?という声が聞こえてきたときかもしれないし
産みどきが終わってからかもしれません。

私の周りの子どものいない女性たち。
自分の心を癒して「自分の中にこんなマインドがあったんだ」を手放していった女性たちが
みんな口をそろえて言うことがあります。

心を癒すのがあと10年早かったら。
子ども持てていたのかもしれないなって。

あのころは、あれほどほしくないって思ってたけど。
心を癒すのがあと10年早かったら。
子ども持ててたかもしれないなって。

過ぎたことだから、のんきに言えるところもあるのかもしれませんけど。

子どもどうするかについて、あんまり考える機会ってないものです。

ほしいという気持ちはあっても、なんとなく先延ばしにしたり。
ほしくないなと思っていたり。
ほしいも、ほしくないも、その前に相手がいないと感じていたり。
そもそも恋愛が苦手だったり。

そんな気持ちのまま、日々が過ぎていったりします。
そうなんです、過ぎていっちゃうんですよね。

もし、ちょっとでも子どものことどこか心にひっかかるなとか
この原稿を読んで、なにか気になったとか思うなら。

いま、自分の心の声を聞いてみるのにいいタイミングかもしれません。

とはいえ。
自分ひとりで考えるのって、意外と難しいんです。
自分ひとりだけでは、なかなか気づけないような心の奥にある思いが
あったりするからです。

自分の気持ちがよくわからないんですという
迷いモード、わからないモードの方も
どうぞ、お話を聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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