自己実現、やりたいこと

頭で考える思考タイプさんが、行き詰まっているときは…

中村陽子/心理カウンセラー

頭で考えすぎると、うまくいかない?

私、頭で考える思考タイプなんです。
頭の中であれこれ考えて組み立てるのが、当たり前すぎて、頭で考えるタイプという意識すらしていなかったほどでした。

いまでこそ、体の感覚や感情を大事にできるようになりましたが。
それでもやっぱり、頭で考える思考優先タイプなんですね。

思考優先タイプの人は、なにをするにも頭の中であれこれ考えますよね。
それ自体に、いい悪いというのはぜんぜんないんですが。
頭で考えたことが詰まってしまって、「なんかやってもやっても、うまくいかないな~」ということが続いていることも、どうやらあるようなんですね。

詰まるって何?
頭で考えたことが、あたかも自分にとって大事なことのように思えてしまう状態。

たとえば。
婚活をするのに、「こういう人がいい」と考えたりしますよね。
そのとき、頭であれこれ考えますよね。
頭で考えていることは、思考的にどんどん膨らんでいきます。
そして「こうでこうでこうだから、こういうのがいい」と、確定するわけです。

「こんな時代だからこそ、サバイバル能力の高い人がいい。いつどうなっても『この人なら、なんとかしちゃうだろう』と思えるような人。それと人の気持ちがわかる人で、話を聞いてくれる人で……」と、頭で考えるとあれこれ出てきたりしますよね。

そして頭で考えたものを「そのとおり」と思うわけです。

だけど……。
頭で考えたものは、頭で考えたものなので。
心や体とつながっていないこと、とっても多いんですね。

動けないのは、こころがつながっていないから?

頭と心がつながっていない状態で
頭で考えたもの(心とつながっていないもの)で行動しようとするとどうなるかというと……。

「やったほうがいいとわかってるけど、やる気にならなくて…。だめだ。自分ってなんてナマケモノなんだろう」

「やらないと現実が変わらないと思って行動したものの。結果がぜんぜん手に入らない」
などの状態になりやすいんですね。

婚活の例でいえば
「婚活したほうがいいって思うけど。マッチングサイトまたやるのかと思うとなんか気が重くて。だけど、こんなふうに動けない自分ってほんとダメだなって思う」

「出会いの場に行かないと現実が変わらないから、行くんだけど。いろんな人に会ってもピンと来なくて。仲良くはなれるんだけど、付き合うとこまでいかなくて。いつになったら付き合えるんだ?と思うと、もうやってられない気持ちになる」

など、こころ(感情)とつながっていないまま、頭で考えて「やらなくては」とか「これがいいに違いない」となっているので、なかなか動き出せなかったり、行動してもピンと来ないことが続いたりということに、なってしまいやすいんですね。

考えで頭がいっぱいになっているときは

ものごとがうまくいかないと。
あれこれ、考えたりしますよね。

どうしてうまくいかないんだろう。
何がよくないんだろう。どうすればいいんだろう。

そうやってうまくいかない原因を考えれば考えるほど、頭の中が考えでいっぱいになります。

そして
「考えたこと=これをやればいいはずだ」
「考えたこと=これをしたからうまくいかなかったんだ」
と思うようになります。

だけど、「これをやればいいはずだ」「これをしたからうまくいかなかったんだ」が、自分にとってほんとに大切なことではないことも多いんです。

頭の中が

これをやればいいはずだ
これをしたからうまくいかなかったんだ
これがいけなかったんだ

で、いっぱいになっている。
それゆえに、自分のこころが見えなくなっているということもあるんですね。

またいっぱいになっていると、「それ以外の選択肢がある」ことも見えなくなってしまうんです。

自分の頭の中にあることこそが「絶対」に思えている分だけ
それ以外のものが見えなくなってしまう。
つまり、全体像が見えなくなってしまう……ということが起こってしまうんですね。

「こういうはずだ」と囚われている分だけ、
その「こういう」に自分の意識のフォーカス(焦点)が当たっています。

ということは
ものごと、できごとの「自分の意識がフォーカスしている部分」だけを見ている
ことになります。

何を意味するかというと
ものごと、できごとの全体像が見えていない。
ものごと、できごとの「自分の意識がフォーカスしていない部分」が見えていない。
ことになるんですね。

フォーカスしている部分しか見えていない。
それによって、うまくいっていないことも実はいっぱいあるんです。

頭の中だけで、目の前のものごとが見えない

思考優先になっているとき。
どういうことが起きているのかというと……。

頭で「想像・物語」を生み出している状態とも言えます。
言いかえると、現実(リアル)に触れていない状態で想像・物語を生み出している状態とも言えるんですね。

現実に触れていないってどういうことかというと。

目の前に人がいるとしますよね。
目の前の人を見ているようでいて、実は自分の頭の中での想像・物語を見ている。
見ているのは「自分の頭の中の想像」で、目の前の人(できごと)を見ていない。

例えば。
自分の想像で「きっとあの人は、私のことをよく思っていないに違いない」と思っているけれど、目の前の人を見ない(目の前の人に意識を向けない)まま、自分の想像を見ている。
など。

ほんとに、けっこうふつうにやってます。
誰しもこういうこと、してたりするんです。
そのくらい、思考優位になっていたりするんですね。

頭の中のぐるぐるを外に出す

頭であれこれ考えちゃうほうだ。
頭の中であれこれ想像や物語をしちゃうほうだ。
もし、そんなことに心当たりがあるなら。

まずは、頭の中にあるものをいったん外に出したほうがいいんですね。

面談カウンセリングでは、心理セラピーとして頭の中にあるものを語ってもらったりします。
場合によっては、対話形式で語ってもらいます。

不思議なんですけど。
語っているうちに、「あれ?」とか気づきが出てきたりするんですね。
「あれ? ん? はて?」

セッションの中で「あれ?」と気づきが出てくることもあれば、セッション終了後何日かしてから「ん?」となることもあるのですが。

頭の中で
「これは、こうのはずだ」
「こうするといいんだ」
「こうじゃなきゃだめなんだ」
「これがいやなんだ」
と思っていた事柄を外に出す(外在化)ことで、
「ん? あれ? そんなにこだわらなくてもいいのかもしれない」
となったりするんですね。

また、頭の中のぐるぐるとした考えだけでなく、自分の中に起こっていることを口に出してみることで、ずっと抑えていた何かを外に出していくことにもなったりします。

また、体で感じている感覚をとらえながら、口に出していくこともあります。
というのも、感情は体にも刻まれているからです。

人は、過去に出来事があったときに、想いや感情を表現せずに飲み込んでしまうことってよくしちゃうんですね。そして、その想いや感情が抑えられたまま残っている。
頭の中のぐるぐるや、抑え込まれていた気持ちを口に出していくことで、それらを解放していきます。

すると、視野が広がる。
ものごとの見方や感じ方が変わるんですね。
抑えていたものに囚われなくてすむようになるからです。

実際にセッションが終わった後にクライアントさんからは「さっきまで感じていた胸の重苦しい感じが、取れた」「さっきまで胸がぎゅっと詰まっていたのが、開いた感じがする」「自分で気づかなかったけど、何かを背負ってたんだなとわかった。下せた感じがするから」「背中が軽くなった」と体の感覚を表現されることも多いんです。

口に出して言ってみる対話を1時間くらいかけてじっくり行うこともあります。
長年抑え込んできた気持ちを口に出して表現できることで、「あれ以来、朝起きたときの気分がぜんぜん変わった。重さがなくなった」などの感覚になることもあるようです。

頭の中にぐるぐるしていることに、意外と気づかないまま「なんかうまくいかない」と感じていることってとても多いんです。

ぐるぐるを外に出す方法として、自分でできることはノートに書く。思い浮かんだまま、とにかく書くという方法があります。ぐちゃぐちゃは、ぐちゃぐちゃなまま書いていきます。

もうひとつは、人に聞いてもらうこと。
ノートに書き出すのと人に聞いてもらうのとでは、やっぱりぜんぜん違ったりします。

人に聞いてもらうとは、一緒に自分に意識を向けてもらっているということ。
だからこそ、出てくるものもあるんです。

カウンセリングって、「場」を開いている状態でもあるんです。
場があるから、ぐるぐるを外に出して外在化することができたり、自分のこころの声に気づくことができたりするんですね。

頭のぐるぐるって、外に出さないとずっとぐるぐるし続けてしまったりします。
このぐるぐるしてる状態って、しんどいし、動けないんですよね。

もし思考優位で、なんか行き詰まっているかもしれないと感じているなら。
お話を聞かせてくださいね。

自分を知りたい、掘り下げたいときに、カウンセリングをおすすめしたいわけ
いまのままでいいのかな?の心の声はシフトチェンジのサインかも


この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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