シングル女性の「卵子凍結したい気持ち」の裏にあるもの

中村陽子/心理カウンセラー

自分は子どもを持つか持たないか、わからないなと思う。
子どもは好きなほうだと思うけど、自分がいつ結婚するかわからない。
卵子は老化するっていうから。
いつ結婚するかわからない自分は、卵子凍結したほうがいいんじゃないか。

女性の生き方の選択肢が広がり、仕事をがんばったり、やりたいことを探したりなどいろいろな活動に精を出す分、結婚や出産を考える時期が遅くなってくると、卵子凍結も選択肢の一つとして考えることもあるかもしれません。

また、「仕事が忙しいから」とか「そもそも結婚相手が見つからなさそうだから」とかそんな理由から考えることもあるかもしれません。

私はいま50代で子どもがいませんが、30代のころにやっぱり卵子凍結を考えたタイプでした。
まだ、具体的な卵子凍結の仕組みが医療現場におりてきていない段階で「どうやら卵子凍結というものがあるらしい」と知り、「卵子凍結したい」と思ったりしていたんですね。
体のどこかに不具合があったわけではありません。なのに30代前半で「卵子凍結できるならしたいな」と思っていたんですね。

結果としては、卵子凍結もしなかったし、妊娠したこともないし、子どももいないのですが。
もし若い頃に卵子凍結ができていたとしても、子どもを持っていなかっただろうなと思っています。

というのも、卵子凍結をして出産可能年齢を伸ばすことができたところで、自分自身の心が変わらない限り、子どもを持てなかっただろうなと思うからなんですね。私の場合は。

きっと子どもを先延ばしするだろう

自分のことを振り返って、「なんであんなに、卵子凍結を考えたんだろう……」
そう思ったとき、こんな心理が見えてきました。

子どもは好きと感じている。
(はっきりと意識はしてないが)子どもはほしいと思っている。
だけど、子どもをもつことを先延ばしすることに自信がある。

ん? どういう意味?
子どもをもつことを先延ばしすることに、自信があるって何だ?

卵子凍結を考えるということは、産み時と言われる年齢では子どもをつくらないだろうと思っているということになります。

「きっと子どもをつくるのが遅くなるだろう、私は」
と思っているということなんですね。

つまり

「家族を持つために、いますぐ、できることを始めたいと思います!」

ではなくて

「子どもをいつ作るかわからないから、卵子凍結をします」

という優先順位になっていたわけなんです。

「いつ作るか、わからない」と、無意識的に強く思っていたことが見えてくるわけなんです。

「いつ作るかわからない」けど「子どもほしい」

同時に「子どもほしい」という気持ちも持っていたわけなんです。
そうじゃなければ、卵子を保存しておきたいと思わないですから。

「いつ作るか、わからない」けど、「子どもほしい」

つまり、子どもを持つことについてのマインドが2つに割れてしまっているわけなんです。

一つは、子どもほしいマインド。
もう一つは、いつ作るかわからないマインド。
子どもを持つことを遠ざけるマインドです。

子どもほしい気持ちと、子どもを持つことを遠ざける気持ち。

相反する2つのマインドを持っていると、右にも左にも進めません。
子どもを持つ方向に進むことも、子どもを持たない方向に進むこともできません。

だから、出産タイムリミットが近くなってくると、ものすごく苦しくなります。
子どもほしいのに、子どもを持つ方向に舵を切れないからです。
ほしいのに、そっちに向かえない。

そのため、「日曜日に街を歩いたら、子連れの家族ばかりが目について。ものすごく悲しくなる」と、とてもブルーになったりするんです。
こんなふうに思うのも、ある意味で、「私には子どもを持つことができない」って絶望してる自分が心の中にいるからとも、いえるかもしれません。

私自身、40歳過ぎて子ども持つ方向に向かって行動しているつもりだったけど。
子どもがほしいからと結婚しても、不妊の検査を始めたとたんに離婚することになったし、離婚後に急いで婚活を始めたものの「結婚は絶対しない」と断言している男性と大事な時期を過ごしたし……。
ぜんぜん「子どもを持つ方向」には向かっていけなかったんですね。

そして時間切れになって、子どもを持たない方向に進んだ結果になりました。
子どもを持つことを遠ざけるマインドが自分の中にあった結果、子どもほしかったけど持つことができなかったんですね。

だけど、「子どもを持たない」と決めていたわけではぜんぜんなかったから。
時間切れになってからも心がチクチク痛む時期もありました。

そんな経験から、思うんです。
もし「自分は子ども作るのが遅くなりそうだから、卵子凍結したほうがいいんじゃないか」と考えることがあるとしたら。

なぜ、卵子凍結を考えてるんだろうって。
もし、子どもを持つことに抵抗があるとしたらなぜだろう。
一度、自分の心に聞いてみるのも大事かもしれないと思うんです。

もしかしたら子どもほしい気持ちがあっても、「今じゃない」と後回しにして「ほしい気持ち」をかき消しているところはあったりしませんか?

ときどき「家族とこんな日曜日を過ごせたらいいな」というイメージが頭に浮かぶことがあっても、「いやいや無理だから」とか「今じゃないから」とかき消したりしていませんか?

もしそうだとしたら、「ほしい気持ち」をかき消しているのかもしれません。


子どもにまつわる心の声って、自分一人ではなかなか見えなかったりすることが多いんです。頭で思っていることと、心の奥の「無意識」で思っていることって違っていたりするからです。
そして「無意識」にどんな思いを持っているかって、自分一人では気づけなかったりするんです。

たとえばね。私の例でいうなら。
昔、子どもの頃に「母性を怖いと思った」ことがあって。
そのとき、母性に×印をつけちゃったみたいなんです。
その思いが無意識の中に刻み込まれていて。
その結果、子どもを持たない生き方をすることになったみたいです。

だけど、自分だけでは気づけないんです。
心の無意識にある思いが、自分の生き方を左右してるなんて。
知らなかった。
しくじり先生風にいうなら。もっと早く知っておければよかった。

もし、子どもにまつわる自分の気持ちで、なんかこうもやもやしてるなって思うことがあるのなら。
それは、なんらかのサインかもしれません。
子どもを持つか、持たないかについて、そろそろ自分の心と向き合ってみない?というサインかもしれません。

もし、少しでも何か気になるなって思うことがあったなら。
一度お話してみませんか。
話しているうちに、何かに気づくこともあるかもしれません。
何を話そうかうまくまとまっていなくて大丈夫です。
いつでもお話聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
カウンセリングサービス所属。3500件以上の個人カウンセリングを行う。
婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
元女性誌編集者として1万人超の働く女性のお悩みを調査。自分らしい生き方のお手伝いしています。
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