女として生きてこれなかった私。

中村陽子/心理カウンセラー

いろいろな理由があるんですが。
「女として生きてこれなかった私」を自分の内側に秘めていることがあります。

ほんとに、いろんな理由があるんですが。
女としての私を生きてはいけないと、昔、あるとき、思ってしまった。
そして、気がつくと、女としての私を生きてきていない自分がいる。

そんなふうになっていることって、実は少なくないんじゃないかと思うんです。

女としての私を生きてはいけない気がする、と思ってしまった理由はさまざまで。

たとえば、
私の場合は、「自分は子どもを産まないほうがいい」と思ったことが一因だった気がしています。
こんなふうに思ったことなんて、とっくの昔に忘れてたんですが。
子宮に手を当ててみたときに、そう思ったことがあったのをふと思い出しました。
子どもに負の連鎖をつないでしまうような気がして怖かったんですよね。
若い頃にそんな感覚を持ってたんだなーって、ふと思い出しました。

こんな人もいるかもしれません。
一家の長女として生まれた。
この家の跡取りを、自分がしなきゃいけない。
ほんとだったら男の子を望まれていたんだろうな。
だけど女の子だった私は、せめてお婿さんを取らなくちゃいけなくて。
だけど、好きな人をこんな家庭の事情に巻き込むことってできないし。
だとしたら、私はずっとひとりでいたほうがいいのかもしれないな。

こんな人もいるかもしれません。
お父さんは、男の子がほしかったんだ。ほんとは私に男の子であることを望んでたんだ。
私が女の子じゃなければ、お父さんの期待に応えてあげられたのに。
女の子だったから、期待に応えてあげられなかったんだ。
女の子の私より男の子の私のほうが望まれているのなら、女の子としての私は表に出て来ないほうがいいんじゃないか。

こんな人もいるかもしれません。
子どものころ、愚痴ばかりの母の姿をいつも見ていた。母にとっての結婚生活は、大変なことばかりのように思えた。結婚なんていいことない。結婚なんてしないほうがいいんだ。
ずっと一人で生きていける自分にならなきゃいけない。

こんな人もいるかもしれません。
あなたは子どもができにくいかもしれませんねと婦人科検診で言われた。
そうなんだ、って思った。私は子どもができにくいんだ。
だとしたら、もし私が結婚したらダンナさんに迷惑かけちゃうかもしれない。
だって子どもが産めないかもしれないから。
だとしたら、私はひとりでいたほうがいいんだ。

理由ってほんとに人それぞれで、生きてきた道が違う数だけ、いろいろな理由があったりします。

「たしかに、そうずっと思っていたな」と感じることもあれば
「言われてみれば、そう思ったことがある」という程度のことかもしれません。
昔に思ったことなだけに
「そんな気持ちが自分の中にあったなんて」と驚くこともあったりします。

その思い。
昔、あるときに思ったことが、心の奥にずっとあって
自分の生き方にこんなにも大きな影響を与えていた……ということ、あったりするんです。

潜在意識や無意識に、ひっそりとある思いだから
ふだんはぜんぜん意識できないけれど。
その思いが、自分の生き方に影響を与えていること、あったりするんです。

なにかがきっかけで、女として生きないほうがいいんだ、女として生きてはいけないんだという生き方をしてきた人って、少なくないんじゃないかと思うんです。

この思いは多少なりとも誰もが抱えているものかもしれません。

女を生きられていない。
その感覚が、突如、わきあがってくることがあります。

自分だけが、婚活できていないと感じる瞬間だったり。
自分だけが、結婚できず、家族を持てずにいると感じる瞬間だったり。
子ども連れの家族を見ると、胸が痛くて痛くてたまらなく感じる瞬間だったり。
このまま、女をしないまま、枯れるわけにはいけないという想いが、ふと湧いた瞬間だったり。
誰も愛することなく、私は終わりを迎えるんだろうかとふと思った瞬間だったり。

ふと湧き上がってくる想いの痛みのほうを見ると、「自分はどうしてこんな生き方になっちゃったんだろう」と感じてしまうかもしれません。

だけど、それらの想いが教えてくれているほうを見ることも、できます。

それは

自分には、まだやっていないことがある。
女としての私を、まだやってない。

ほんとは誰かに愛情を注ぎたい。
ほんとは誰かを育んでみたい。

女としての私を、表現したい。
女として、愛し愛されてみたい。

女としての私を、生きたい。
このまま、人生を終えていくわけにはいかない。

そんな感覚が内側に湧きおこっていることを、教えてくれているサインなのかもしれません。

女に生まれたんだから。

自分の美しさを、ほんとうは見てもらいたい。
自分が女であることを、ほんとうは見てもらいたい、感じてもらいたい。
内側からわきあがるような、女であることを、出したい、表に出したい。

女として、男性を愛したいし、女として愛されたい。

自分の母性をほんとは誰かに注ぎたい。
ただただ、注いでみたい。

だって、女に生まれたんだから。

やってみたい、って思っていいんです。
それ、ほんとはやってみたかったって思っていいんです。

これまでそれぞれの事情があって、することができなかったけれど。
でも、ほんとはそれやってみたいって思って、いいんです。

だって、女に生まれたんだから。

もうこの年齢だから無理って、そんな思いが脳裏をよぎることもあるかもしれません。

もうこの年齢だから子ども産めないしとか、体のラインがくずれちゃったしとか、いろんな思いが脳裏をよぎることもあるかもしれません。

だけど、いまからだって、できます。
いつからだって、女を表現することって、できるから。

もう若い頃のようなハリがなかったとしても
いまからだって、この年齢なりの美しさを表現していくことはできます。
若い頃には思えなかった、自分らしさを加えた女らしさを楽しんでいくこと、きっとできます。

女であることを、見てくれる人もいます。
あなたが女であることを表現しはじめたら。それは自然とあふれ出るから。

もう子どもが産めなかったとしても、愛情を注ぐ対象を見つけることってきっとできます。
誰かを育てること、誰かの育ちにかかわることってきっとできます。

表現してみたいって思うこと。
使ってみたいと思うこと。
生きてみたいと思うこと。
味わってみたいと思うこと。

すべてはそこから始まります。

あなたが、ほんとうはやってみたいことなんでしょう。
ほんとうは、表現してみたいことなんでしょう。


これまで自分が自分に対して課してきた自己イメージを脱いで
本当は生きたかった私を表に出していく。
そんな時期に、いま、いるのかもしれません。

だとしたら。
女を生きてみませんか?

いきなりガラリっとは、きっと変わりません。笑
いきなり別人に変身する、みたいにはきっとなりません。笑

だけど
女であることを、生きてみたいな。
まだやっていないことを、使ってみたいな。
女であることを、味わってみたいな。

そう思ったときから、一歩ずつ、だんだんどんどん変わっていきます。
3カ月後、半年後、1年後……だんだんどんどん変わっていきます。

ほんとにね。
いつからだって、生きられます。

だから、一緒にやってみませんか?


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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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