恋愛心理学

バツイチ子持ち男性との結婚。幸せになりたいけど、別れたくなるとき

中村陽子/心理カウンセラー

バツイチ子持ち男性と付き合っているのだけれど。
この彼と結婚して幸せになれるんだろうか――。

バツイチ子持ち男性を好きになったシングル女性なら、一度は思う気持ちなのかもしれません。

彼のことは好きだけど。子どもがいる……。
一緒に住んでいないけど。でも……。

子どものいない男性も、世の中にはたくさんいるんだから。
わざわざバツイチ子持ち男性と結婚しなくても……。

バツイチ子持ちの男性との結婚を考え始めたとき
「なんか気が引ける」「わざわざ大変な人を選ばなくても」という気持ちになることが少なからずあるようです。

バツイチ子持ち男性との恋愛・結婚に
迷いや悩みが出てくるわけ

バツイチ子持ち男性との恋愛、結婚に、迷いや悩み、出てきますよね……。

もう付き合っている状態なら
彼は、子どものことが大事。
私のことも大事だと言うけど、子どものことも大事なんでしょ。
そんな気分が、出てきます。

婚活で出会ったバツイチ子持ちの男性なら
彼には娘がいる。
日曜日には娘に会いに行くって言っている。
彼と娘との間に、私は入る余地がないように感じる……。

そんなふうに思ったりしますよね。

「週末は、子どもと会う」って、あたりまえのように言う彼。
子どものことで、元妻とやりとりしているのを知ると、「なんか、やだなー」と思いながらも、そんなことに口出しすることもできないし。
何も言えずに悶々とする……。

こんなことで、いちいち悩んだり、腹を立てたり、悶々としたりしてる私って、心が狭いのかな……。
そんなふうに悩んでいる方は、本当に多いんです。

でも。
彼と私。
二人の間に「子ども」や「元妻」の存在があって、それがどうしても気になってしまう……。

その心理は、バツイチ子持ち男性と付き合うシングル女性の多くの人が、抱えているのかもしれない。

いったん、そう思ってみてほしいんですね。

そのうえで、バツイチ子持ち男性とのお付き合いでの悩みを見ていきたいと思います。

彼との距離が、あと一歩縮まらない…

バツイチ子持ち男性とのお付き合いをして、女性側が悩みを抱えてしまう場合、「ある一線から、なかなか距離が縮まらない」という悩みであることが多いんです。

お前が好きだー。離したくないーーー。
というふうには、近づいてきてくれない彼であることが、多いんですね。

付き合ってはいるけれど、ある一線から距離を縮められない感じがある彼。
そのため女性側は「彼は私のこと、好きなんだろうか」と感じてしまうようなんです。

デートするし、いろいろなところに連れてってくれる。
だけどなんか、もう一歩近づける感じがしない。

バツイチ子持ちの彼と付き合って、同棲までした。
だけど、結婚となると彼の気が進まない感じがある。

女性側が思うようには、彼との距離を縮められない。
そんなジレンマを、バツイチ子持ちの彼に対して抱くことが多いようなんですね。

そして「彼は私のこと、好きじゃないんじゃないか」「この彼と付き合い続けていても、先があるんだろうか」と感じることが起こります。

これは、彼の深層心理に「女性と親密になるのが怖い」という心理があるからなんですね。

バツイチ男性は心に傷を持っていることも

バツイチ子持ちの彼は、離婚を経験しています。
子どものいる男性が離婚をするとなったとき、かなりの傷を負っていることが少なくないんです。

例えば
「結婚して子どもが生まれてからというもの、妻に拒否されずっとセックスレスだった。自分は拒否されてるんだ、自分は家族の中に入っていけないんだと長い間思い続けてきた」

「妻から一方的に離婚を切り出された。自分ではどうにもできないことがその理由だった」

「結婚して子どもがうまれてから、妻がヒステリックになるようになり、口論がよく起きるようになった。あるとき、妻に罵倒されものすごくショックを受けた」
などなど。

結婚生活や元妻との間での傷ついた気持ちを抱えていることが少なくありません。
男性のハートは、ことパートナーシップに関しては女性よりも繊細だったりするからです。

仮に、直接的な傷つき体験がなかったとしても、男性にとって「結婚生活をうまく成し遂げることができなかった。子どもまでいたのに」ということ自体が、彼の心にダメージを与えています。

そのため、「もう一度、女性と近い距離になること」に怖れを感じてしまっていることがあるんですね(心の深い部分で)

結婚生活を失敗してしまったという思いから
「自分は、たったひとりの女性さえ、幸せにできないんじゃないか」
そんな怖れも、持っているかもしれません。

また、もともと女性との距離が遠くて、それが原因で元妻と別れているということも考えられます。

いずれにしても、彼の心の奥にある「近づきたくても近づけない」という気持ちを見てあげることが、バツイチ子持ち男性との付き合いを進めていくうえでは、大事なポイントになってくるんですね。

バツイチ子持ち彼が、どうして結婚に踏み切れずにいるのか。
彼の中の「心の痛み」「近づきたくても近づけない理由」を理解したことで、結婚するに至ったケースもあります。
なかなか結婚を決めてくれないバツイチの彼と、結婚が決まりました!

自分の中の近づけない理由も探してみる

パートナーとの間で起こっていることを見ていくときに、実は大切な視点があります。

それは、パートナーとの間で起こっていることは、もしかしたら自分の側にもあるかもしれないという視点です。

「好きな相手に、近づきたいけど近づけない」という思いは、彼だけが持っているわけではないかもしれない。
そんなふうに思ってみることが、大切なんですね。

この彼を選んでいるのが、自分だとしたら。
この彼を選ぶ理由が、自分にはあったのかもしれない。
そう思ってみることで、見えてくることがいろいろあります。

私は子どもが産めないかもしれないから……

例えば……。
子持ちの彼を選んでいるのはなぜなのでしょう?
深層心理的に、子どもがいるほうが都合がよかったということもあるです。

よくあるケースとしてお話してみますね。
Aさんは、バツイチ子持ちの彼との付き合いで、悩みがありました。
それは「彼と子どもとの間に、自分が入っていけない気がする」という悩みでした。

彼にとって一番大切なのは、子どもなんじゃないか。
私も彼のことが好きだけど、彼と子どもとの間の絆には、自分はとても勝てそうもない。

彼から、「子どもと会ってきた」という話を聞くたびになぜか怒ってしまい、よくないと思いながらもそのいら立ちを彼にぶつけてしまいます。

そしてそのたびに「彼にとっての一番は、子どもなんだ」と思い、これ以上彼と付き合っていても先がないんじゃないかと感じてしまいます。

けれど。
どうしてこんなにも、彼に子どもがいることが気になるんだろう。
そこを掘り下げていったら、気づいたことがありました。
それは……自分には子どもを産みたくても産めないんじゃないかという思いがあったこと。

Aさんは心の奥に「自分には子どもを産めないんじゃないか」という思いを持っていました。「子どもを産めないかもしれない自分が、子どもを持ちたい男性と付き合うわけにはいかない」という思いが心の中にあって、だからすでに子どもを持っている男性を選んでいたんです。

だけど……ここで話が終わっていればこんなに悩まずに済んだのですが。
彼から子どもの話を聞くたびに、Aさんの中の「自分は彼に子どもを産んであげられない」という気持ちが刺激されてしまったんです。

離婚して子どもと別々に暮らしている彼が、どれだけ子どもを好きか知っている。彼はやっぱり子どもがほしいんじゃないだろうか……。

そんなふうに思うと、「彼に子どもを産んであげられない」という思いが刺激されて、「私じゃ、彼を幸せにすることはできないんじゃないか(私は彼から離れたほうがいいんじゃないか)」と心の深い部分で感じてしまうわけです。

だけどこの場合、手放すべきは「子どもを産んであげられない自分は、男性を幸せにすることができないんじゃないか」という思いです。

彼はAさんに対して、そんなことをぜんぜん思っていないのに、Aさんが「私では彼を幸せにできない」と思っている。
こういうすれ違いって、いっぱいあるんですね。

大切な彼にとって、私は迷惑になってしまうのではないか。
そんな心理については、こちらの記事を読んでみてくださいね。
子どもを産めないかもしれない私が、結婚するわけにはいかない本当の理由

それに、カウンセリングで話を伺っていてよくあるのが「若い頃に、子どもができにくいかも」と言われたことで、「自分は子どもができないかもしれない」と思い込んでしまっていることがあるんです。

その場合は、女性性(自分の中の大人の女性性)にブロックがあることが少なくないんですね。そのブロックがなくなると、もともと持っていたセクシャリティを解放されたりもするんですね。

元妻に、彼はまだ未練があるんじゃないか

Bさんは、元妻と自分を比べてしまう苦しさを感じていました。
彼は元妻のことがまだ好きなんじゃないか。
離婚しても子どものことで元妻とやりとりしているのを聞くにつけ、「彼はいまも、元妻のことが好きなんじゃないか」と感じてしまうのです。

元妻は、家庭に入って子育てをがんばっている人でした。ほんとうは、彼はそんな元妻みたいな女性のほうが本当は合ってるんじゃないかと感じていたのです。

けれど。
これは心理的に見ると、「家庭に入れない自分、子どもを持てない自分」を責めている心理が見えてきます。

自分もほんとうは、ああいうふうにならなきゃいけないのに。
なれていない。

そう思っている分、自分にだめ出しをしているために、「彼は元妻に、まだ未練があるんじゃないか」と感じてしまっているのです。

自分に「ないもの」を見て、「こんな自分では、彼に受け入れてもらえない」と感じてしまっているんですね。

二人の距離を埋められるのは、どっち?

この「自分にないものを見て、こんな自分では彼にふさわしくない」と思ってしまう心理は、恋愛のシーンでとてもよくある心理です。

そのため、バツイチ子持ちの彼の問題で悩んでいるときに実は大切なのは、自己肯定感なんです。

知らず知らずのうちに、自分のある部分につけてしまった×印を見つけて、「×印をつけなくてもよかったんだ」と思うことなんですね。

というのも「ほんとうなら彼の子どもを産みたいのに」という思いにしろ、「ほんとうなら、もっとちゃんと稼げる私にならなきゃいけないのに」という思いにしろ、その根っこを探っていくと、そこに愛があるんです。

彼の子どもを産んであげたいのは、彼が子ども好きなのを知ってるからです。
もっとちゃんと稼げる私になりたかったのだとしたら、それはきっと助けたい誰かが心の中にいるからなのかもしれません。

バツイチ子持ちの男性を好きになっているということは、たぶんとても愛したい人なのではないでしょうか。
心の奥にちょっと傷のある彼を、愛したい、自分がなんとかしてあげたいという気持ちのある、愛情深い人なんですよね……。
だから、悩んでいるんですよね。

彼との間の心の距離を近づけられるかどうか。
鍵を握っているのは、実はこちら側だったりします。

というのも、彼のほうからはなかなか近づけないのだとしたら……。
ふたりの関係性を近づけられるのは、こちら側からなんですね。

そのためにも、自己肯定感が大切なんです。
心の距離を自分では縮められない彼に、こちらから近づいていくには
自分につけた×印を外していくこと。
そして、自分の中の愛したい気持ちに気づくこと。
さらに、自分がどれほど愛情深い女性なのかに気づくこと。
そして……彼の愛情を受け取れるようになること。

というのも、気づいていないかもしれないけれど…。

あなたの存在が、彼に喜びを与えています。
あなたの存在そのものが、彼に再び生きる力を与えています。

離婚して、一人になった彼にとって
いま、生きる力を与えているのは、あなたなんです。

彼との関係、どうしようか。
別れたほうがいいのか、それとも彼と付き合い続けて幸せになれるのか。

そんなふうに悩んでいるなら、一度お話を聞かせてくださいね。
大好きな彼と幸せになれますように。

距離の縮まらない彼、向き合ってくれない彼とお父さんとの関係

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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