実家暮らしの女性がなかなか結婚できない本当の理由

中村陽子/心理カウンセラー

実家暮らしの独身女性がなかなか結婚できない本当の理由

実家暮らしで独身のまま30代、40代になり、肩身の狭い思いをしている。
そんな話をよく伺います。

実家暮らしというだけで
「自立しないで親にパラサイトしている」
「家事を全部、親にやってもらって自分は好きに生きている」
「自分のためだけにお金を使えてうらやましいよね」
「ずっと親に頼って生きてきて、わがままなんでしょ」
と勝手なイメージがつきまといます。

実家暮らしの独身女性の中には、これらの勝手なイメージを自分に当てはめて
「自分は実家暮らしだから。ちゃんと自立できていなくて、肩身が狭い」と感じていることがあるようですが。

ここで、キッパリ言います。
そんな、世間の勝手なイメージに自分を当てはめる必要ありません!

実家暮らしの独身女性って、そんなに気ままに生きているんでしょうか?
いいえ。
ぜんぜんそんなことありませんよね。

「実家暮らしの独身女性が自由気ままに生きている」というのは、あくまでも内情を知らないイメージにすぎなくて、
実際には、自由とは逆の生き方になっていることも少なくありません。

実家暮らしで独身=気ままというわけではないんですよ!
と声を大にしてお伝えしたいです、はい。

なぜ、気ままではないのかというと……。
実家暮らしをし続けているのには、理由があるからなんです。

そこには大きく分けて2つのタイプがあります。

まず1つ目は
親を置いて実家を出るわけにはいかないという理由です。

親を置いて、自分だけ実家を出るわけにはいかない

子どものころ、両親のケンカする姿をよく目にしていた。
うちの両親は仲が悪いと思いながら育った。
母親から父親の悪口をよく聞かされていた。
父親がワンマンで、母親がぜんぜん幸せそうじゃなかった。

そんな中で育つと
「私が実家を離れたら、お母さんをひとりにしてしまうんじゃないか」
「ただでさえ両親が不仲なのに、私が実家を出たらこの家族はどうなっちゃうんだろう」
「私が実家を出て行ったら、お母さんには何もなくなってしまう。ただでさえ幸せそうじゃないのに。私までいなくなってしまったら、お母さんには何もなくなってしまう」
などの思いを持つことが少なくないんです。

わかるわかる、と深く頷いていませんか。

実家暮らしの人の恨み言として
「両親の仲が悪かった」話になることってとても多いんです。

「うちの両親は子どものころから仲が悪くて。お父さんがもっとお母さんのことをかまってあげていれば、私だって違う生き方ができたのに」

「お母さんがもっとお父さんのことをわかってあげたりしていれば、私だって違う生き方ができたのに」

いまこれを読んで、ん?と思われました?

そうなんです。
「両親の仲が悪かったこと」と、「私が今も結婚せずにこんな生き方をしていること」が
くっついているんです。

ん? どういう意味?

「両親の仲さえよければ、私はもっと早くに家を出て、自分の自由に生きることだってできたのに」
と言っているわけです。

親の愚痴を聞かされて育つと……

親の愚痴を聞かされて育った人は、少なくないかもしれません。

「お父さんみたいな人と、どうして結婚しちゃったんだろう」
「自分の人生には、楽しいことなんてなんにもなかった」

もし、母親からこんな愚痴を聞かされて育つと、「自分が親を満足させてあげないといけない」と思うかもしれません。

「母親を残して実家を出てしまったら、ただでさえ幸せではない母親が悲しむ」と思うかもしれません。

両親の仲が悪いから、私はこの家にいなきゃいけない。
両親の仲が悪いから、親を放っておくことができない。私が家を出て行ったら、親はどうなってしまうんだろう。そんな思いから「子どもの自分」として親の間にいなくてはいけない。
と思うようになっても、不思議ではないんですね。

親を残して実家を出るのが心配で

架空のA子さんのケースです。

A子さんは子どものころ、両親がケンカしているシーンをときどき目にしていました。
お母さんが感情的に怒り、お父さんはシブシブそれに従う。
そんな両親でした。

お母さんからお父さんの愚痴も、よく聞かされていました。
「どうしてお父さんみたいな人と、結婚しちゃったんだろう」

A子さんは、「うちの両親は仲がよくない」と思うようになりました。
そして心の奥で「お母さんとお父さんが、別れちゃったらどうしよう」という気持ちを抱えるようになったのです。

お母さんはお父さんのことが好きじゃないみたい。
お母さんがお父さんと別れたいって言いだしたら、どうしよう。
お父さんが捨てられちゃう。そうしたらお父さんが一人になっちゃう……。
仲のよくないお父さんとお母さんが心配。
自分が、実家を離れるわけにはいかない……。

ほかにも、「お父さんがお酒を飲むと人格がガラリと変わるタイプで、お母さんだけ家に残しておくわけにはいかない」「体の弱いお母さんのそばに、いてあげなくてはいけない」など、それぞれいろんな事情があったりします。

いずれにしても「親を放っておけない気持ち」が心の奥にあって、実家を出られずにいる。
そういうことって、実はとても多いんです。

シングルマザーの母を置いていくわけにはいかない

ほかにも
「シングルマザーのお母さんが、女手ひとつで子どもを育ててくれた」という話もあります。
お母さんに恋人がいたり、再婚していたりしたら「お母さんをひとり置いていくわけにはいかない」という気持ちにもならないものなんですが。

「お母さんはお母さん自身が幸せになることは横に置いて、私のために仕事もして、家のこともやって育ててくれた」などの思いがあると、お母さんをひとり残して、自分だけ家を出るわけにはいかないという気持ちになったりします。

よくあることなんですが。
ちょうど思春期の頃(小学校高学年から高校生くらいにかけての時期)に、お母さんに恋人らしい人ができたみたいだったんだけど。他人が家の中に入ってくるのが嫌で、お母さんの恋人を嫌がってしまった。そしたら、お母さんは恋人と別れてしまったみたいで。
それ以来、恋人ができたなんて話を聞いたことはない……。

思春期ってとても多感な時期なこともあり、親に恋人ができて紹介されても受け入れられなかったりすることって多いんです。親に恋人ができる=「親も女である(男である)」ということを暗に示しているからです。
思春期の子どもにとって、それを受け入れるのって嫌なものなんですね。
だから「嫌だ」という態度を示した。

それが原因かどうかはわからないけれど、そのあと親がひとりになり、恋人もおらず、再婚もしていないと、「あのとき、自分が嫌がったから。親をひとりにさせてしまったのではないか」と無意識的に感じてしまうことがあります。
そして、その責任を取らなくてはといわんばかりに、親から離れるわけにはいかないと感じてしまうこともあります。

「結婚したいし、家も出たい」という気持ちもある。
だけど潜在意識に、実家を出るわけにはいかないという思いがある。
ふたつの相反する思いがあるから、動けない……。

そういうことって、実はとても多いんです。

実家を離れなくてすむような恋愛

自分だけ、実家を離れるわけにはいかない。
潜在意識にそんな気持ちがあると、こんな恋愛をしてしまうことがあります。

・結婚したいと思いながらも結婚できなさそうな相手を選んでしまう
・遠距離の彼、不倫の彼、ほかに彼女のいる彼など、結婚に至らない相手を好きになる
・結婚しそうな気配がすると「彼は私のこと好きじゃないのかも」と別れてしまう
・なかなか心を開いてくれない、心の距離を縮めにくい相手を選んでしまう
・自分を振り向いてくれない相手に片思いを続けてしまう
・いい夫になりそうな男性には興味が持てない

こんなふうに結婚に結びつかないような相手との恋愛をしては、別れるというパターンを繰り返していることが多いんです。

もしかして「心当たりがあるかも」と思ってたりします?

ああ、こんな恋愛パターンを繰り返してる自分ってなんてだめなんだろう
って思ったりしてません?

ぜんぜん、そんなふうに思う必要ないんです。
だって、実家を離れちゃいけないという思いの奥には、 お父さんとお母さんを置いていけないというやさしい想いがありますよね。
めっちゃやさしい娘なんだ、私って気づいてますか?

実家暮らしの自立できていない私
恋愛も婚活もなぜかうまくいかないだめな私
と思い込んではいませんか?

逆なんです。
親を想う気持ちから、家を離れることができないでいるだけなんです。
とてもとても心やさしい人なんです。

親を置いていけない自分と、ほんとは自分の人生生きたい自分

だけど。
家を出るわけにはいかないと思っている自分のほかに、もう一人の自分もいるんです。

それは……
ほんとうは自分の人生を生きたい自分です。

家を出るわけにはいかない自分と、自分の人生を本当は生きたい自分。
ふたりの自分がいるようなところがあるんです。

自分だけ、周りから取り残されている気がする…

「自分だけ、みんなみたいに彼氏をつくったり、結婚したり、家族を持ったりできない。
周りのみんなが手に入れているものを、自分は手に入れることができない。
自分だけ、周りから取り残されている感じがする」

もし、こんなふうに思っているとしたら…。

「ほんとうは恋愛したい、自分だってパートナーほしい。
だけど、家から出るわけにはいかない」

「親のそばを離れるわけにはいかない。
だから自分の人生を、生きるわけにはいかない」

こんな思いが心の奥にあるのかもしれません。

ときには、こんなふうにも思うかもしれません。
「私はなんのために生きているんだろう」って。

自分が本当はしたいことを諦めている。
本当はほしいものを諦めている。
すると「私は何のために生きているんだろう」という気持ちに、なるんです。

心のどこかで、諦めようとしていませんか。
好きな人と出会って、結婚して、家庭をつくることを。
大好きな人と出会って結婚するようなことになってしまったら、家を出なくてはいけなくなる。
だから、好きな人と出会わないようにって。

私にはぜったい、恋愛なんてできない。
誰も私のことなんて好きになってなんてくれない。
私を好きになって結婚しようと思ってくれる人なんて、私には絶対現れない。
こう、思っていたりしませんか?

だけどこう思うことで、「恋愛するわけにはいかない」と自分に言い聞かせているのかもしれません。
無意識のうちに。

親に八つ当たりしてしまうことも

親にケンカをふっかけたり、暴言を吐いたりすることも、あるかもしれません。
自分でもどうして親に怒っているのかわからないし、暴言を吐いているのかもわからない。
だけど、親に八つ当たりしたくなる。

それは「親の元を離れるわけにはいかないから、自分の人生を生きられない」と思っているからかもしれません。

自分の人生を生きたい自分が、八つ当たりしたくなるんです。
お母さんのせいで、自分の人生生きられないじゃないかって。

「親を残して家を出るわけにはいかないから」と自分の望む生き方を諦めようとしている分だけ、親に当たりたくなるんです。

「本当だったら自分だって結婚したり、一人暮らししたり、親の心配せずに自由に生きたいのに」という気持ちがある分だけ、親へのうらみが出てくるんです。

自由になりたいのになれないのは、親のせいだ~って。

だけど、こう思うのも当たり前ですよね。
自分を犠牲にしているから、「親のせいだ~」と言いたくなるんです。

親に八つ当たりをしたあとで「どうしてこんなこと言っちゃったんだろう」と落ち込みます。「親をうざく思う自分は、ほんとひどい人間」と、自分のことを思ってるかもしれません。

だけど逆なんです、逆。

親のことを思うあまりに、自分の自由に生きることを横に置いて、親のそばにいるほど、親想いのやさしい娘なんです。

だけど、自分が望む生き方を犠牲にしていると、どうしても親を責めたくなってしまうんです。

自分の人生を生きていい

実家を離れてはいけないと思う一方で、だけどこのままずっと実家にいるのかと思うと絶望的な気持ちにもなる……。

これが実家暮らしの人たちの抱える気持ちです。

実家を離れるわけにはいかない。
だけど自分の人生だって、ほんとうは生きたい。

この2つの相反する気持ちを抱えながら、身動きがとれずにいませんか?
実家を離れるわけにはいかないという気持ちが強ければ強いほど
ずっと結婚もせず、家庭も持たずひとりぼっちなのかという絶望を感じていませんか。

でもね。
絶望しているということは、絶望するくらいほんとうはほしいものがあるということ。

もし、あなたが絶望しているとしたら。
どんなことに絶望していますか?
自分にはどんなことを叶えられないって絶望していますか?

それらを、叶えていいんです。
だって、自分の人生だから。

これまでずっと親のことを思って生きてきたやさしいあなただけど
自分の人生を生きても、いいんです。
自分のために、生きてもいいんです。

本当はどう生きたいのか。心の声を聞いてみよう

もし、親のことを思ってこれから先も実家にいたとします。
10年後、20年後、満足する生き方になっているでしょうか。

もし、答えがノーなのだとしたら。
自分が生きたいように、生きると決めてもいいのかもしれません。

自分の生き方を犠牲にして、親のそばにいたとして
その結果、自分を幸せにできないとしたら……
きっと親を恨んでしまうかもしれません、本気で。
5年後、10年後、15年後に本気で恨んでしまうかもしれません。

また、親が亡くなったあとのことを想像すると「ひとりになっちゃう。どうすればいいんだろう」とも感じるかもしれません。

果たしてそれは、自分が望んでいる未来でしょうか。

「実家を離れないという生き方」をそろそろ卒業してもいいのかもしれません。

親のそばにいてあげている自分が、家を出ることを想像した時
「いやいや、うちの親は私を出て行かせないと思う」
「私が出て行くと言ったら、猛反対してくると思う」
そんな気持ちも出てくるかもしれません。

母と娘がくっついていると、離れるときに痛みが出てくるんです。
離れるのがさびしいから、「どうして出て行くの、出てく必要ないじゃない」ってお母さんは言うかもしれません。

それらは離れるときに出る痛み。
離れるために、必要な痛みなんです。

だけど、お母さんはあなたの幸せを願っていないのでしょうか。
手放したくない思いはありながらも、同時にあなたには幸せになってほしいと思っているのではないでしょうか。

あなたは幸せになっていいんです。
自分のために自分の人生を生きて、幸せになっていいんです。

まずは、自分の人生を生きていいという許可を、自分にしてあげませんか?

親想いの気持ちゆえに家をなかなか離れることができない人は、「自分の人生を生きていい」といきなりは許可が出せないかもしれません。

自分の人生、生きてみたいとまずは思ってみること。
そして、自分の人生を生きたい自分の心の声に耳をかたむけてみることです。

あなたの心は、ほんとうはどんな生き方を望んでいるでしょうか。
諦めも混ざっているかもしれないけれど、心が本当に望んでいるものって何でしょうか。

それらを見つけていきませんか。

いつでも、お話聞かせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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