人生やり直したい・停滞感

人生をやり直したいと思ったとき

中村陽子/心理カウンセラー

人生をやり直したいという後悔

このままの状態が続いても――未来になんの希望もない。

そんなふうに思いながらも、身動きがとれないとき。
ありますよね。

そんなとき、もしかしたら自分の人生に諦めの気持ちを抱えているのかもしれません。

いまのままいても、どうにもならない。
ただ、日々が過ぎていくだけ。

そうわかっているのに、動けないとしたら。
これまでの人生にたくさんの後悔を抱えているのかもしれません。

本当なら、もっとうまくやりたかったのに。できなかった。
本当なら、期待に応えたかったのに、ぜんぜんだめだった。

そこに大きな後悔があると、
人生を巻き戻してやり直したいと、繰り返し繰り返し、妄想したりします。

もしあのとき、うまくやれていたら…
もしあのとき、あんなことしなければ…
もしあのとき、彼のことを選んでいれば…
もしあのとき、ちゃんとやっておけば…
きっと今ごろ、違っていたのに。

もっとうまくやりたかった。
あのときに、気づいておければよかった。
どうしてあんなことしちゃったんだろう。
なぜあのとき、あれを選ばなかったんだろう。

そのくらい過去を振り返って、後悔しちゃってるですよね。
それは、それほどまでに、ほんとはうまくやりたかったこと、手にしたかったこと、やり遂げたかったことがあるということかもしれません。

ほんとは手にしたかった。
あのときやり遂げたかった。
そんな思いが強いほど、過去に留まりつづけてしまうんですね。

時計の針が止まっていませんか?

だけど、人生をやり直したいと思ったとき。
「いま」を大切にすることなんです。

過去に引っ張られている意識を「いまここ」に向けていくことなんですね。

人生をやり直したいという思い。
それは、意識が過去にあります。
過去を見ている、過去に思いがとどまっている状態なんですね。

まずは、そこに気づくといいんです。
意識が過去に向いちゃっているのかもしれない。
過去のどこかで、時間が止まっちゃってるのかもしれない。

そんなことに気づけると、いいんですね。

未消化な感情、未完了な思いはありませんか?

そして、過去を受け入れていく。
これほどまでに、過去にしばられている思いがあるということは
過去に残ったままになっている感情があるということなんです。

感情的に未消化なものが、ずっと残ったままになっている。
それは当時、あまりにつらすぎて、しんどすぎて、ショックが大きすぎて、そのときには受け入れられなかった感情であることが多いんです。

未消化な感情は、そのまま残ってしまうんですね。
自分の中に蓋をされたまま残っていたり、場合によってはそのときの自分と一緒に切り離してしまっていたり。

だけど。
自分の中に残り続けているんです。
潜在意識や無意識の中に、残り続けている。

その未消化な感情、未完了な思いが
気持ちを過去に引きとどめているんですね。

その未消化な感情、未完了な思いを完了させていくといいんです。

失敗しちゃったという思い、どうしてあんなことしちゃったんだろうという後悔、悲しみ、果たせなかったという無念さ、うらみつらみの気持ち……。
いっぱい出てくるかもしれません。
怒りの気持ち、悔しい気持ちもいっぱい出てくるかもしれません。

ずっと自分の中にため込んできたそれらの思いをいったん受けとめて、完了させていくといいんですね。

ちゃんと悲しんだりしましたか?
ちゃんと怒ったりしましたか?
ちゃんと悔しがったりしましたか?

そうしないままで来ているなら、未消化の感情が心の中でぐるぐるとし続けているかもしれません。
悲しみ、怒り、悔しさなどの感情を未消化のまま抱え続けていると、ついつい人のことを恨んじゃったり、過去のことを恨んじゃったりもします。

例えば、会社を辞めたいわけじゃなかったのに辞めることになった。
そんなことがあったなら、「あんな会社、つぶれてしまえばいいのに」なんてことを思ったこともあるかもしれません。
それもこれも、悲しみ、怒り、悔しさなどの感情が未消化のまま残ってるからだったりするんです。

感情ってエネルギーだから。
持っていき場のないエネルギーが、自分の中でグルグルし続けているのって、ほんとはとってもしんどいんです。

だから、未消化な感情は、感じたり、誰かに気持ちを受けとめてもらったりして外に出し、完了させたほうがいいんです。

そして同時に
ほんとはうまくやりたかった、ほんとはなんとかしたかったという自分もきっといるはずなんですね。
ほんとはうまくやりたかったという思いが強いほど、
うまくやれなかったという気持ちばかりを見て、自分のことを責めてしまってきたかもしれません。

その自分のことも、受け入れてあげるといいんです。
責めるのをやめて、受け入れてあげる。
自分のことを責めちゃう気持ちがあると、なかなか前に進めないからなんですね。

人生をやり直すために、いまを大事にする

人生をやり直すことって、いつからでもできます。

過去に戻ることはできないけれど、これからをつくっていくことはできるから。
これからをつくっていくために、大切なのは「いまここ」なんです。

「いま」の積み重ねが、未来をつくるから。
いまできることに意識を向けて、いまできることを一つ一つしていく。
その積み重ねが、1週間後、半年後、1年後につながっていきます。

いまに意識を向けて、できることをしていくんです。

まずは、自分の気分がよくなることをするといいかもしれません。
というのも、人はどの瞬間も「選択」をしています。
選択の積み重ねが、未来につながっていきます。

どうせなら、いい選択ができたほうがいいですよね。
そのためにも、自分がいい気分でいられるようにすることも大事なんです。

おいしいものを食べる。
散歩をする。
ほんとは行ってみたかったところに、行ってみる。
お天気の日に布団を干す。
興味のあったことに、ちょっと手を伸ばしてみる。
気になっていた映画を見てみる。
などなど。

そうやって、自分の気分がよくなること、楽しくなることをどんどんしていきます。
具体的に見つからないなら、「なんかちょっと気になる~」ということに手を伸ばしてみる。
それだけでも、いいんです。

自分の気分がよくなっていく、毎日の中でちょっとでも気分がよくなることをどんどん自分にさせてあげるといいんです。

すると、いまの先が見えない、何をしたらいいのかもわからないという気分から、ちょっとずつ変わっていくんですね。

本当はしてみたかったことは、何?

本当はしたかったこと、してみたかったことを思い出してみるのもいいんです。

これまで、ちょとっとでも「してみたいな」と思ったことを書き出してみるのもいいんです。
10個、20個、30個……と、ほんとはしてみたいなと思ったことを書き出してみます。

そしてその中で、「これやってみたいかも」ということに手を出していくんです。
やってみて、別に面白くもなんともなかったなというものもあるでしょう。
でも、それでもいいんです。

自分がしたいこと、してみたいことに手を伸ばしていくということは、自分の気持ちを大切にしながら動くことだからです。

最初は小さなことから、手を伸ばしていくかもしれません。
それで、いいんです。

で、そのうちに「すごく心地いい」「すごく楽しい」「心が喜んでいる」と感じるものに出会うかもしれない。
そしてそれをやったとき、「そうだ。自分のしたいこと、やりたいことを抑えなくていいんだ。自分のしたいことに、手を伸ばしていいんだ」と許可が下りるかもしれません。

昔から、ずっと行ってみたい場所があった。
そこに行くにはあまりに遠いし、お金もかかるしって後回しにしていたけれど、思い切って行ってみたら。
心がほんとにワクワクして、楽しさや面白さを感じる気持ちが蘇ってきた。
そして、それをきっかけに、「自分がやりたいって思うことをしていんだ」「思いついたことに、どんどん手を伸ばしていこう」と許可が出て、そこから人生がどんどん好転していった。
そんな人もいます。

過去に向いている意識の向きを変えていく。
そして、自分の心が喜ぶことに許可を出していく。
そうすることで、希望って取り戻せたりするんです。
ほんとです。

いつからだって、やり直すことはできます。
やり直すって何かというと、これからの新しい未来を自分の納得いくようにつくっていくってことだと思うんです。

いまなかなか身動きができないなら。
どうしても気持ちが過去に引っ張られてしまうなら。
まずはそれらの未完了な思いを手放していくことから、はじめてみませんか?

いま、モノクロな日々と過ごしているなら。
もう一度、自分の人生に色を取り戻していきませんか?
お手伝いさせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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