個人セッションの感想

親を背負う生き方を下ろすために

中村陽子/心理カウンセラー

面談カウンセリングの感想をいただきました~。

背負う生き方しか知らなかった私

中村さん

先日は、カウンセリングありがとうございました。
あれから1週間経ちました。
色んな気付きがありましたが、おそらく、背負う生き方しか知らなかった私が、それをやっと認識できたのだなということは、とてもいいキッカケになる予感がします。

カウンセリング中に言葉では、楽になりたいと言いましたが、前に進めないのは、心が今の方が楽だからかも知れないなと。
ホントはどこかで傷付くのがとても怖いから。
頭では、繋がりが消えることはないってわかっているのに、心はそうではないようです。

そして彼も気付いてないけど、似たような部分があるんだと思います。
そんな彼も私も好きだから、今はそれをただ受け入れようと思いました。
でも、肩の荷はもっと下ろせる気がするので、頑張ろうと思います。

そして、彼や親と別れることに対する、寂しさや辛さという感情(見捨てられ不安)をどうにかしなゃならないと思うことから、どうにかしなくてもいいのかも知れないなと。
これは心の問題なので、考えてもすぐ答えが出ないんだなと、納得した感じがありました。
私は私の感情を大事にしたいと思います。
(悩み過ぎている時は、反対回りを意識すること。彼にも教えました)

私は私の人生を生きている。
30歳で家を出た時からはそう思ってました。
結婚をしてみたいという願望がないわけではないです。
ただ、結婚して、孫を産んであげなきゃとか、親や周りの人が喜ぶことができない自分をずっと責めてきたと思います。
それに気づかないフリをしていたと思います。
勝手に思っても誰も喜ばないんですけどね。
もうそういう誰かが望む私像みたいなものから離れて、新しい自由を選ぶ時なのかなと。

それにしても親の呪縛から逃れるのが、こんなにも大変なこととは!!
思い知らされました(笑)

長い文章で、ずらずらとまとまりなくすみません。
私と向き合っていただき、本当にありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています。

(Fさん)

親を置いていくわけにはいかない

Fさん、ご感想をいただきましてありがとうございます!

Fさんのお悩みは「自分は、実家のある地元を離れるわけにはいかない」という気持ちからのものでした。
親を置いていくわけにはいかないというお悩みを抱えるのは、心やさしいからなんですよね。
親の大変さを一緒に背負う生き方をしている方は、親想いの心やさしい方ばかりなんです。

親想いだからこそ、悩んでしまうし
ときには、できていない自分を責めてしまうんですよね。

「結婚して、孫を産んであげなきゃということができていない自分を責めてきた」という一文からも、想う気持ちがひしひしと伝わってきます。
なんとかして親を喜ばせてあげたいという、親を想う気持ちが大きいからこそ
喜ばせてあげられない自分を責める気持ちが出てきたんじゃないのかな。

親を置いていけない、だけど結婚して孫を産んで喜ばせてもあげたい。
2つとも、親を想う気持ちから出てきているものだけど
相反するもの。

親を置いていけない(結婚するわけにはいかない)という気持ちと
結婚して孫を産んで喜ばせてあげたいという気持ちを抱え続けていたのは、
ほんとにしんどかったのではないでしょうか。

相反する思いを持っているのは、
たとえれば、ふたつに分かれた道の分岐点で、右にも左にも進めずにいる状態です。
だから、進めなくて当たり前なんだけど
それでも心やさしき親想いさんは、先に進めないでいることを責めてしまったりもするんですよね。

いまの自分の気持ちに気づけたことって、とても大きなことなんです。
心の中にこんな思いがあったんだなと気づくことで、
「じゃあどうしていこうか」と選んでいけるようになるからなんですね。

ほんとにシンプルなんですけど。
潜在意識の中にある気持ちに気づいていないときは、どうしようかを選びたくても選べない。
だけど「こんな気持ちがあったのか」と気づくことで、選べるようになるんですね。

「もうそういう誰かが望む私像みたいなものから離れて、新しい自由を選ぶ時なのかなと」
という言葉から
Fさんが新たな一歩を歩み始めたのを感じます。

まずは自分を幸せにする
自分らしく幸せになっていく
そんな一歩を踏み出し始めたFさんのこれからが楽しみです。

親を背負う生き方になるのはどうして?

ここからは、親を背負う生き方をして
同じような気持ちを持っている方のために少し解説させていただきますね。

結婚したい気がするのになかなか進まないというご相談の中に
親を背負う生き方をしていることはとても多いんです。

実家に病気の家族がいたり、心配な家族がいたり、子どものころに親が長い間病気だったりした場合
大人になったいまも、家から離れられない(離れるわけにはいかない)という思いを抱えることがあります。

親を置いていくわけにはいかない。自分だけが幸せになるわけにはいかない。
心の奥にそんな気持ちを抱えていることがあるんです。

例えば
好きな彼がいる。だけど、彼のもとに行くわけにはいかない。
恋人がほしい。だけど、実家を離れるわけにはいかない。

こんなふうに気持ちがふたつに割れてしまうため、先に進めなくなってしまうんですね。

そして
「結婚したいと思ってるのに関係が進まない彼と、別れたほうがいいんじゃないか」とか
「自分には、彼氏を持つこととかってできないんだ」
という気持ちになってしまったりするんです。

結婚したい気持ちはあるのに、なかなか先に進まない恋愛をしているとしたら
「もし結婚したくないとしたら、どうしてだろう?」
「この状態でいることが、自分にとってもし都合がいいとしたらどうしてだろう?」
と心の奥に問いかけてみると、思い浮かぶ何かが出てくるかもしれません。

頭でわかってるのに
背負ったものを下ろせない理由

親を背負う生き方とは、親が抱えている大変さを一緒になって背負おうとする生き方ともいえるかもしれません。

親が背負っている大変さを、自分が背負わなくてもいいはずですよねと言われたら
頭では、そのとおりだと思うものです。

自分が幸せになっていくために、背負っているものを下ろしていい。
頭ではわかる。だけど、心がそれを受け入れたがらないこともあります。

それはなぜかというと。
人の心理として、自分の家族や自分が子どものころの環境にあったものと同じものを
持ち続けようとするところがあるようなんです。
子どものころの家庭内にあった空気感と、同じ空気感の中に居続けようとするところがあるようなんです。

たとえ一人暮らしをしたとしても、自分が身にまとっている空気感は
子どものころに実家で感じていたものと同じ…。
そういうことってあるんです。

家族が、大変さ、苦労、しんどさなどを背負ってきたとしたら、自分も同じものを背負おうとしてしまう。
というのも。
子どものころ、家族とずっとそうやって、つながってきたからです。

親が背負っているものと、同じものを背負う。
親のいる状態と、自分も同じような状態にいる。
そうすることで、親との間のつながりを感じているところがあるのです。無意識的に。

背負ってきたものを下ろしていくことは、つながりがなくなってしまうような気分になってしまうんですね。
だから、下ろしたくない、下ろすのがつらい。
そんな気持ちも、出てくるものなんです。

そのくらい家族想いなんですよね。
家族のことが心配で、一緒にいてあげたいという気持ちがあるってことなんですよね。

場合によっては、置いていくわけにはいかないって気持ちが邪魔なんだと感じることだってあります。

親があんなふうだから、自分はいまこうなってるんだ
親があんなふうだから、自分は動けずにいるんだ
親があんなふうだから、恋愛したり結婚したりさえもできないんだ
と、親を責めたくなる気持ちを感じていることも少なくありません。

親さえあんなふうでなければ、自分だって自由になれるのに…。
こんなふうに責めずにはいられないくらい、親のそばにいてあげなくてはという親を想う気持ちがあるってことなんですよね。

そんな心やさしき親想いさんに知っておいていただきたいことがあります。

家族が背負っているものを下ろして、自分が自由になっていくことは
家族を裏切るような、つながりを自分からたち切ってしまうように感じるかもしれません。
だけど実は、逆なんです。

自分が自由になって、幸せになっていくこと。
それが家族に新しい風を呼び込みます。

家族がしんどさや大変さの中にいるのだとしたら
そこに、新しい風を呼び込んでくることで、新しいつながりを家族にもたらすことができるんです。

自分が自由になる、自分が幸せになることで
これまで家族の中にはなかった、新しい風や希望を招き入れることができます。

まずは自分が幸せになることは
それは、家族が背負ってきたそれまでの生き方のパターン(家族代々のパターン)を
終わらせることにもなるんです。

心やさしき親想いのみなさんが
自分が幸せになる道へ一歩進めますように。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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