言いたいことが言えなくて、黙ってしまうわけ
「これくらい、言わなくてもわかってくれてもいいのに」
「どうして私のこと、わかってくれないの」
彼が私のことをわかってくれないのは、私に関心がないということ?
私のことが好きなら、わかってくれてもいいはずなのに。
「こうしてほしいのに」という気持ちをわかってくれない彼に、きっと私のことが好きじゃないんだと落ち込んでしまったり。
彼がぜんぜんこちらのことを気にかけてくれていないように感じて、いら立ってしまったり。
言わなくてもわかってほしいのにと思えば思うほど、いら立ちは高まるものです。
どんどんイライラして、不機嫌になって、ムスっと黙ってしまうこともある。
いったんこうなると、自分の殻から出られなくなる…。
せっかく久しぶりに会ったのに。
せっかく二人で旅行に行ったのに。
せっかくの時間が、台無しになっちゃった。
ほんとうはムスっとしたいわけじゃないのに。
こんな経験したことがある人、多いのではないでしょうか。
どうしてこうなっちゃうのかというと。
言いたいことを言えないから。
自分の気持ちを言えないから。
自分からは言えないから、わかってほしいと思ってしまう。
そんなところがあるようなのです。
言いたいことが言えないと、「察してほしい」と思うものです。
だけど、相手はこちらが望むようには察してくれないから、我慢がたまっていきます。
そしてだんだんと不機嫌になってしまうんですね。
自分が察してるんだから、相手も察してくれるはず
自分の気持ちを言えない。思ったことが言えない。
そんな悩みを持つとしたら、次のような話に「わかる気がする」と思われる方もいるかもしれません。
たとえばこんな話。
私は彼のことをよく見ている。彼が何をほしがっているかとか、何をしてほしいと思ってるのかとか、こんなことを言われたらいやだろうなとか、こんなことされたらいやだろうなとか。
私はものすごく考えて、気を遣う。
「こんなこと言ったら、彼は嫌じゃないかな」
「こんなふうに言ったら、彼はどう思うんだろう」
彼の顔色をいつも伺いながら話している。
それが自分にとっては当たり前。
だから思う。
「どうしてこちらの気持ちをわかろうとしないんだろう」
「こんなことしたら、私が嫌がるのをわかってるはずなのに。どうして彼はしてくるんだろう」
だけどこんなふうに思うのは、自分が彼の言動にいつも気遣って、察しようとしているから。
自分がこれだけ相手の顔色を気にして、察して、嫌ことを言わないように、しないようにと気づかっているんだから、相手だって当然そうだよねと思う。
だけど、ここが大事なポイントで。
こちらが相手の顔色をみて行動しているからといって、相手も同じかというと……。
ぜんぜんそんなことはなく。
彼は彼のペースでやる人だから、彼女も彼女のペースで言いたいことがあったら言ってくるだろうと思っている。そういうことって多いんです。
自分の言いたいことを言えなくなったわけ
自分の言いたいことを言わないで、我慢ばかりしている。
それがパターンになっているとしたら。そうなったのには事情があるはずなんです。
自分の言いたいことを言っちゃいけないと感じた出来事。
思い当たるものはありませんか?
たとえば――
子どもの頃もともとは人が自分のことをどう思っているか、気にするタイプじゃなかった。
あるとき、突然、周りの友達たちから仲間外れにされた。
私が言った何かが、グループの子の気に障ったみたいだった。
だけど、何が気に障ったのかわからなかったから、これは言っても大丈夫? 変な発言になってないかな?と、いちいち気にするようになった。
こんな体験から、自分が何かを言うときに周りや相手にどう思われるかをものすごく気にするようになったとします。
自分では、言いたいことを言っちゃいけないという感覚はないかもしれないけれど、「どう思われるか」を常に意識して自分の言うことや自分の態度を気にしていたら。
自分のほんとうの気持ちや、これしたいあれしたいを伝えずに我慢するようにもなりますよね。
そうなると、自分はこんなに相手に合わせているのに、どうして相手は私のことを察しようとしないんだろうとも、思うものです。
自分が相手に合わせて、自分の本当の気持ちやしたいことを我慢している分だけ、相手の自由なふるまいが自分勝手に思えて、腹も立つわけなんです。
こんな体験をしていると、「自分の気持ちやしてほしいことを伝えたほうがいいですよ」と言われても、それができないから困ってるんです!とも言いたくなるものです。
長い間、自分の気持ちを抑えて、相手に合わせるやり方をしなきゃとやってきたんだから、そう思うのも当たり前だと思うんです。
それでも、いまの状態が続くのもよくないなと思うなら。
まずはいったん
いまの彼との間で起きていることは、過去のなんらかの体験でつくられた「ものの見方、とらえ方、感じ方」がベースになっているのかもしれないと
いつから自分の気持ちを言わないようになったのかな。
いつからどう思われるかを気にするようになったのかな。
そんなふうに過去を振り返ってみます。
そして「あ、もしかしたらあのときからかもしれない」と気づいたら、そのときの自分の気持ちを癒していくといいんです。
たとえば、上記のような例だとしたら
突然、仲間外れにされてびっくりしちゃったよね。
自分の何が悪かったんだろうって、思っちゃったよね。
仲間外れにされて、いやだったよね……。
そのときの自分の気持ちをわかってあげたり、かけてあげたい言葉をかけてあげたり。
まだ心の中にいるそのときの自分を癒してあげるといいんですね。
そのときの気持ちが開放されて、癒されていったら、「これからはこんなふうにしてもいいんだよ」と許可を出していくといいんですね。
自分の気持ちを大切にしていいんだよ。
自分の気持ちを抑え込まなくてもいいんだよ。
してほしいことがあったら「こうしてほしいな」と伝えてもいいんだよ。
こんなふうにインナーチャイルド(子どもの頃につくった傷ついたマインド)を癒していくことで、「自分の言いたいことを言うわけにはいかない」という呪縛を解放していくこともできるんですね。
彼と一緒にいるときに、ほんとは楽しい時間を過ごしたい。
不機嫌な態度で彼を困らせるのも、彼に悪いなと思う。
その気持ちがあるから、「このままでいいのかな」って思うんですよね。
そんなあなたが自分の気持ちを伝えられるようになって、彼といい関係がつくれますように。
よかったら、いつでもお手伝いさせてくださいね。
言いたいことが言えないパターンのもうひとつのケースとして
「子どもの頃に家や親が大変だった」「大変そうな親のために自分が我慢しなくてはいけないと思うようになった」というものもあります。
それについてはこちらをご覧くださいね。