20年前に亡くなった兄。自分が実家を出られない理由

中村陽子/心理カウンセラー

結婚もしたいしパートナーもほしいし、自分のやりたいことをやりたい。
なのに、実家を出てはいけない気持ちがある。
仕事も面白くないものを続けている。
この生き方、もうしんどくて続けられない……。
そんな悩みを持っていたNさん。

もともと楽しいことが大好きなNさんですが、長い間、それとは逆の日々を送っていました。
お話を聞いていくと、20年前に交通事故でお兄さんを亡くしたことが、自分らしい生き方をストップさせていることと関係していたようです。

面談の感想をいただきました。

中村さん、zoom面談ありがとうございました。
電話相談は前からしていただいてましたが、初めて顔を見てお話できてよかったです。

兄のことを家族以外の人に詳しく話したのは今回が初めてでした。

何度目かの電話相談の時に兄や家族のことを話すなら面接のほうがいいですよとアドバイスいただきましたが、その時は正直「そうなんかぁ」ぐらいのあまりしっくりきてない感じでした。

昔は何度か心療内科で相談してみたこともありましたが、当時はまだ話すこと自体がしんどかったのか、先生との相性がよくなかったのかわかりませんが、どこかでどうせ誰もわかってくれないから話したくないと諦めてたり、また話して嫌な思いをしたくないと自分を守る気持ちが先に働いてずっと秘密ごとのように自分の中に隠しもっていた気がします。

でも自分の中でもいろんなことの根本的な原因になってるのは兄のことだろうなと薄々は気づいていましたが、そこに触れるのがどこかで怖くて見て見ぬふりをしてずっとフタをしていたと思います。

当時の私はあの時の気持ちを感じ続けることが耐えられなくて、押しつぶされてしまいそうだったから、現実逃避するためにある時からか自分の感情を感じなくするようにしていました。

だからすごく年月も経っているのにずーっと心の奥底にその時に感じきらなかった気持ちが残っていて、重たい感覚があったんだと思います。

面談前は兄のこと=事故当時の事しか思い出せなくなっていて、だからか兄の写真もあまり見ないようになっていたし、自分の中で触れたくないことになっていたのが、
面談をしてもらって、どんな兄だったかとか、兄との思い出を振り返ることで、「幸せだった時、楽しかった時もあったなぁ」と思い出せました。それと兄のことがすごく大好きだったんだなと再認識もできました。

最近の変化として感じるのは、兄のことを口に出すのも前みたいに抵抗がなく友達に言えるようになったのと、
嫌な記憶ばかり思い出すから兄のこと自体、自分の中から消そうとしていて写真を見ても「本当にいたのかな?」と思うぐらい何も感じなかったのに、今ではちゃんといたし、写真を見ると本当にそこにいるぐらいに感じられるようになりました。

やっぱり家族を失ったとかのドラマなんかを観ると思い出してしまって、めっちゃ泣けてしまいますけど、
中村さんに何も否定せずただ聞いていただけたので、すごく安心して話せましたし、話せたことで心がかなり軽くなって少し行動も変わったのだと思います。
ありがとうございます^^

こんなに話すことに効果があるとは思ってたかったので自分でもびっくりしています。
つくづく感じますが話すことって大事なんですね。

(Nさん・38歳女性)

Nさん、感想ありがとうございます!

面談でお兄さんについての想いを話していただいたあと、「兄のことを忘れないために、兄を亡くした悲しみをずっと持ち続けていたんだと思いました」とNさんがおっしゃっていたのがとても印象に残っています。

面談では、お兄さんを亡くした当時、抑え込んでしまった気持ちを一つひとつ話していただきました。

「なんでいなくなったの」
「どうして(私たちを)置いていったの」

Nさんの口からこんな言葉が出てきました。
長い間、誰にも言えず、ずっとひとりで抱え続けてきた想い――。

突然のできごとが起こった時、そのできごとがショックであればあるほど、自分の気持ちを飲み込んでしまったりするようなんです。

人によっては、気持ちを飲み込んだことで
「思い出そうとしても、思い出せない」
感覚になっていることもあります。

10年、20年と長い年月が経っていると、あれはもう自分の中ですんだ話と思うことも多いものですが、実は「あのときの気持ち」を抱えたままであることはとても多いんです。

当時、抱え込んだ気持ち。
悲しみ、くやしさ、ショック、どうしていなくなっちゃったのという気持ち。
家族みんながあの当時、抱えていた気持ち。

いろんな気持ちを長い間、抱え込んでいたりするんですね。

一つひとつ、あのとき飲み込んだ気持ちを話をしていくことで、ずっと心の奥に持ち続けていた気持ち、誰にも話していない気持ちを解放していくことができます。

ずっと持ち続けていた気持ちを話していくとき、最初のうちは悲しさやくやしさなどのしんどい気持ちが出てくると思います。だけど、一つひとつ話していくことで、感情のひだがめくれていくんですね。それはまるで、玉ねぎの皮をむいていくような感じです。

ずっと抱えてきた気持ちを一つひとつ話していく。そして解放していく。
すると、大事な思いを思い出すことができるんです。

お兄ちゃんのこと、大好きだったんだ。
お兄ちゃんって、こんな人だった。
お兄ちゃんとの楽しい思い出、いっぱいあった。

悲しみがいっぱいで、悲しみと共に封じ込めていたけれど。
そうだ、お兄ちゃんのこと大好きだったんだ。

お兄ちゃんへの想いが、悲しみから愛へと変わるんですね。

そしてお兄ちゃんへの想いが悲しみから愛へと変わることで、悲しみを手放してもお兄ちゃんを忘れないでいられることにも気づけるんです。

すると、悲しみを手放してもいいと思えるようになります。
悲しみを手放して、自分らしく生きていいのかもしれないって。
お兄ちゃんも、自分のことで悲しい気持ちを家族に持ち続けてほしくないことも、わかるから。

面談が終わったあと、「背中が軽くなった感じがする」とNさんはおっしゃっていました。
そのくらい、当時の悲しい気持ちをずっと持ち続けてきたんですよね。
お兄ちゃんを忘れないために。

悲しみを持ち続けることで、亡くなった人を忘れないようにしようとしていることは少なくありません。
あの当時、家族が抱えた悲しみを家族みんなで持ち続けている。そんなこともあります。
これもひとつの愛のカタチなんですね。

だけど、悲しみを持ち続けていると、本来の自分らしい生き方が出来なくなってしまうこともあるんです。

もともとは楽しいことが好きだったり、自由に自分の道を歩みたい気持ちを持っていたりしても、
なぜか楽しい方向に行けない
やりたいことがあってもそちらに進めない
なぜかいつも重たい気持ちを抱えている
自分はみんなみたいに幸せな生き方できないと絶望的な気分になる
など、
自分の生きたい方向に進めず、葛藤を抱えていることは少なくないんですね。

Nさんも悲しみを持ち続けていたこの20年は、自分らしい生き方ができずにいたそうです。
お兄さんへの気持ちを癒したことで、楽しいことや面白いことが大好きで、わくわくの気持ちにしたがって感覚的に生きるのが好きなことを思い出しつつあるそうです。

「幸せになっていいのかもしれないって思いました」

楽しいことが好きで、「これいい、これ好き~」をたくさん持っているNさんとお話していると、聞いているこちらも「これからどんなふうに自分の花を咲かせていくのかな~」とわくわくします。
聞いているこちらもこう感じるのは、Nさんがわくわくの気持ちをいっぱい持っているからに違いありません。

自分らしく生きてもいいのかもしれない。
そんなふうに思えるようになってきたNさん。
これからがとっても楽しみです。

無気力なのは「怒りを抑圧」したのが原因だった 楽しい、これがやりたい、これが好き……。そんな感情を長い間、ずっと、感じないまま生きてきた。そんなももさん(仮名)の物語です。 ...


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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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