自分らしく生きる

変わりたいのに変われない。あと一歩を進めるヒント

中村陽子/心理カウンセラー

自分を変えるとは、ものの見方を変えること

恋愛や婚活がうまくいかなかったり、
彼と別れることになったり、
仕事で燃え尽きそうになっていたり…。

最初のきっかけは目の前に問題が起こって、「もうこんなにしんどいのはムリ。なんとかしたい」とカウンセリングを受け始めること多いと思うんです。

そして、うまくいかなかった恋愛の話をしたり、仕事の現場で日々感じていることの話をしたり、親や家族の話をしたりするなかで、

「いま感じている感覚が、昔のある時点の感覚と同じだ」

ということに気づいたりします。

そして「どうしてそんなふうに感じるようになったんだろう?」という話をしながら、
その感覚を自分がどうして持つようになったのかがわかってきたり、
そのときの自分の気持ちをわかってあげたり、
その気持ちの根底にある気持ちに気づいたりしながら、

「もうこの思いを持たなくてもいいのかもしれない」って手放したり

しますよね。

例えばこんなプロセスを経て、
ものごとの見方・捉え方や自己イメージが変わっていきます。

ものの見方・感じ方が変わると行動が変わる

よく「自分を変えましょう」って言われますよね。
それって、ものごとの見方・捉え方や自己イメージ(自分が思っている自分についてのイメージ)を変えていきましょうっていう意味なんですね。

そしてなぜそれが大切なのかというと。
ものごとの見方・捉え方や自己イメージが変わることで、
行動が変わっていくからです。

例えば。
誰かを目の前にしたときの受け答えの仕方や接し方が変わったり。
周りからこう思われてるんじゃないか、という感じ方が変わって、周りとの接し方が変わったり。
いままでは、相手から言ってくれるを待つだけだったのが自分から働きかけられるようになったり……。

ものごとの見方・捉え方や自己イメージが変わることで行動が変わり、
行動が変わることで
それまでとは違う現実・関係性をつくりやすくなるんですね。

行動が変わると、現実が変わる

職場で一人で仕事を抱えていたのが、人にもお願いできるようになったり。
好きな彼との間に、なぜか距離を取ろうとしてしまうパターンを超えて、彼の想いを受けとれるようになったり。
一人でいたほうがラクと思っていたのが、やっぱり結婚したいと思って動き始めることができるようになったり。

そうやって、
目の前の日常の中でのできごと一つ一つへの対応を変えながら、
これまでとは違う現実を生み出していけるようになる
んですよね。

自分だけ幸せになるわけにはいけないと思ってたけど。
自分なんかが幸せになっちゃいけないと思ってたけど。
幸せになっていいのかもしれない。

自分だけラクになるわけにはいけないと思ってたけど。
自分なんかがラクするわけにはいけないと思ってたけど。
自分のこと甘やかしたりしたらいけないって思ってたけど。
ラクに、心地よくいられる状態を自分に与えてもいいのかもしれない。

自分だけ自由になるわけにはいけないと思ってたけど。
自由になったらいけないって、なぜか思ってたけど。
自由に自分の好きなことに手を出して、楽しむってことを自分もしてもいいのかもしれない。

こんなふうに、心が変わっていくんですよね。
こんなふうに心が変わっていくことで、引き寄せる現実も変わっていくんですよね。
自分のものの見方・捉え方が変わって、目の前のひとつひとつへの対応が変わるから、なんですね。

変わりたいのに、変われないのは
引き戻しがあるから

こんな「これまでとは違う現実」をつくっているプロセスの途中に、起こることがあります。
それは「けっこうよく起こる」というレベルで、起こったりします。

それは何かというと……。
引き戻し、です。

カウンセリングを受けたり、自分なりに自分と向き合ったりして、「そっか。もうこの思いを手放してもいいのか」と思って、「自分のことを幸せにしてあげてもいいのかもしれない」「自分が背負わなくてもいいのかもしれない。ラクになってもいいのかもしれない」「自分も愛されていいのかもしれない」って自分を幸せにする方向に舵を切り出していきますよね。

だけど、引き戻しの声が聞こえてきたりするんです。
いやいや、そんなことしたらだめでしょ。
そんなの、向かないでしょ自分には。
そもそもそういうキャラじゃないでしょ。
そんなふうにラクしちゃ、だめに決まってるでしょ。それをさぼりって言うんだよ。

で、思うわけです。
そうだよね。あんなふうになれるわけないよね。私が。
いまの自分のままのほうが、しっくりくるもんね。

こんなことしたって、無駄だよね。
どうせ変わるわけないんだよ。
いままでだって変わらなかったじゃん。やっても無駄だよ。

そうやって、引き戻しに遭うんです。
ムリだよ~、無駄だよ~。
そっちは向いてないよ~。
そんなことしたら、どう思われる?
やめときなよー。
自分が受け入れてもらえるわけ、ないじゃ~ん。
変われるわけ、ないじゃん。
って。

この引き戻しは「起こるものなんだ」と思っておくのがポイントです。

引き戻しがあっても、へこまない

これまでとは違った、ものの考え方・見方・捉え方をしようとしているとき。
これまでとは違った自己イメージを受け入れようとしているとき。
これまでとは違った行動、対応、反応、接し方をして、これまでとは違う現実を生み出そうとしているとき。

引き戻しって、起こるんです。
繰り返します。
引き戻しって、起こるものなんです。

だって。
よくよく考えてみたら、
かな~り長い間、ずっとしてきた考え方・ものの見方・捉え方なんです。

10年、20年、30年、40年……
そんな長さです。自分にとってすっかりお馴染みのものなんです。
もともとの考え方・ものの見方・捉え方、自己イメージのほうが「しっくりくる」という気がして、当然なんです。
だって、なが~い付き合いだったから。

ですよね。
10年以上のお付き合い、なんですから。

これまでとは違う方向に舵を切り出したときに、
もともとのほうに引っ張られても、
「そりゃそうだよね」って思いませんか?

だから、引き戻しが起こるものなんだと思っておくことは大事なんですね。

引き戻しのたびに、意思の力で選び直す

これまでとは違うものの見方・考え方・捉え方・自己イメージになろうとしているとき、ひき戻しが起こるのはわかった。
じゃあ、どうすればいいの?

それは……
ひき戻しが起こるたびに、意思の力を使うんです。
これまでとは違うものの見方・考え方・捉え方・自己イメージのほうを、
信じてみようって思ってみることなんです。

これまでと違うものの見方のほうを、信じて選び直す

例えばこんな感じ。
カウンセリングで話したりしたことで
これまでとは違うものの見方が、一瞬、できるようになった。
そう思ってもいいんだ、と自分なりに納得もできた。
自分なりに、自分のほしいと思っているものもわかった。

でも……。
いざ彼を前にすると、私がいたら迷惑なんじゃないかと感じてしまった。

このとき
「私がいたら迷惑なんじゃないかって、いま、思ってる」と気づくこと。
(気づけたら、そのたびに、自分をすごいとほめてあげてくださいね)

そして、気づいたら。
「そうだ。自分はこれまでとは違うものの見方・考え方をするんだった」と思い出し、そっちを選ぶこと。

彼にとって私が笑顔でいることがうれしいんだ。
彼と一緒にいていいんだ。
自分を大切にしてくれる人と一緒に幸せになっていいんだ。
こっちの考え方を信じてみようって、思ったんだ。
こっちの考え方を自分に許そうって決めたんだ。
引き戻しで昔の考え方が出てきてるけど……
こっちの考え方を、いま選ぶんだ。

昔(もともと)の考え方・ものの見方、自己イメージが出てくるたびに

あ、いま昔の考え方が出てきてる
(気づく)

私は自分を幸せにしようって思ったんだ
(思い出す)
 ↓
私は自分を幸せにする考え方を信じてみよう
(選ぶ・ふたたび選ぶ)

このサイクルを何度も何度も、やっていくんです。
何度も何度もやるうちに、新しいものの見方・考え方が自分になじんできます。
そうなるまで、何度も何度もやっていくといいんです。

ひとりでやらず、誰かの力を借りてみる

ひとりではできないこともとても多いんです。
ひき戻しの力に、自分だけでは太刀打ちできなかったりするものですから。

だからこそ、人の力を借りるといいんですね。
自分のほしいもの、行きたい方向、なりたい姿
=ビジョンを一緒に見続けてくれる誰かの力を借りるといいんですね。
友達でも、気心知れた先輩でも、カウンセラーでも。
まずは誰かひとり、
自分のビジョンを一緒に見てくれる人の力を借りるといいんです。

自分ひとりでは信じ切ることができないのなら、自分の代わりに信じてくれる誰かに手伝ってもらえばいいんです。応援してもらえばいいんです。

繰り返し繰り返し、選び直す

例えば
これまでと違うものの見方・考え方の感覚が一瞬わかるようになり、
新しいものの見方で一日をすごしたらとってもうまくいった。

だけど一週間経ったら。
また元の日常、元の考え方に戻ってる。
カウンセリングに電話した。
そして、これまでと違う新しいほうのものの見方を思い出した。
次の日から、また新しいほうのものの見方・考え方で人に接したり、仕事をしたりするようになった。

でも、新しいほうの考え方に、疑いが出てきた。
え? そんなわけないじゃん。って
自分がそうなっていいわけ、ないじゃんって。

また、カウンセリングに電話した。
そして新しいほうのものの見方、考え方を思い出した。
次の日から、また新しいほうのものの見方・考え方で人と接した。

こんなふうに何度も何度も
引き戻されては新しい考え方を思い出し、選び直す。
その繰り返しなんです。

変わりたいと思っている自分に
すごいね~とエールを送ろう

ほんとにすごいと思うんです。
何度も引き戻されても、「これまでとは違う自分になろう」ってチャレンジを続けていること自体、ほんとうにすごいことだと思うんです。

「引き戻されちゃう私って、だめだな」なんて思う必要、ぜんぜんありません。

見るのはそっちではなく
引き戻されても引き戻されても、それでも「これまでとは違う自分になろうとしていること」。
そんな自分って、すごいと思いませんか?
ほんとに、すごいんです。

これまでとは違う自分になろう。
自分変わっていこう。
そう思えていること。
その意思を持っていること自体、ほんとうにすごいんです。

だから、繰り返し繰り返し。
引き戻されるたびに、選び直すことができるんですよね。
そこに、意思があるから。

最初は、引き戻される力のほうが強いかもしれません。
けれど、何度も何度も繰り返すうちに、新しい考え方・自己イメージのほうを「もしかしたらそうなのかもしれない」って思えるようになっていきます。

そしてだんだんと、新しい考え方・自己イメージのほうの自分がしっくりくるようになっていきます。
そうやって進んでは戻り、また選び直して、また進んでは戻り。
その繰り返しなんです。
みんなそうなんです。

だから、引き戻しが起こっても、ぜーんぜん大丈夫です。
こんなにやってるのに変わってないじゃん、って思わないでくださいね。
変わろうとしている自分、ほんとすごいんです。
すごいね~って、いっぱい思ってくださいね。

それに。
自分では変わっていない感じがしても、変わってます。一歩ずつ。
ガラリと変わらないから、わかりにくいかもしれないけれど。
変わっています、一歩ずつ。

だから。
こうなりたい、これがほしい、こういうものを実現したい。
それらのビジョンを自分は手にしていいんだ~、そうなっていいんだ~って自分に言ってあげてくださいね。

気づいて、思い出して、意思の力で選び直す。
それが変わっていくときのプロセスなんです。

変わろうとしているあなたに、エールをいっぱい送らせてくださいね!
そしてよかったら、いつでもお手伝いさせてくださいね。

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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