恋愛心理学

夫をどうしても許せなかったのは、子どもの頃の怒りが原因だった

夫の「ここ」がどうしても許せない。
そんな気持ちになるとき、夫の行動を改めてほしいと思うものです。
だけど、何度言っても変わることはなく、「どうしてやめてくれないの!」との怒りがわいてきます。
「夫の行動が私を怒らせる」と思うものですが、実は「自分自身の子どもの頃の怒り」が原因で、夫に怒っていたということもあるんです。

どうして夫は、私の嫌がることをするんだろう


あるAさんのお話です。

「夫との関係をこれまで見直してきて。
夫に、私のわかってほしいことを伝えたりしながら、いい関係を築けるようになってきました。だけどどうしても、夫に引っかかることがあって。

結婚当初の話なので、何年も前のことなんですが。
夫は再婚で子どもがいる、私は初婚だったんです。
私は夫の子どもと仲良くしたいと思っていたのに。夫は最初の頃、私の存在を子どもたちに言わずに隠そうとしたんです。そのあと、子どもに再婚したことを話したし、子どもたちも私のことを受け入れてくれている。

なのに。夫が子どもに会いに行くと聞くと、どうしても思い出して、腹が立つ。
子どもに会ってほしくないわけじゃない。夫には子どもといい関係でいてほしいとも思う。
そんな気持ちがある一方で、私の存在を隠そうとしたことを思い出すと、腹が立って腹が立って。
私の存在を無視された感じがするんです」

Aさんとは、夫との関係についてカウンセリングでたくさん話をしてきて、「夫との間に信頼関係もできているし、彼は彼なりにやってくれているのもわかっている」ということだったのに、「この件については、どうしても腹が立つ。思い出すたびに腹が立つ」とのことでした。

その腹立ちぶりに、不思議な感じがしたので、聞いてみました。

「ダンナさんが子どもになかなか再婚を言えなかった心情も、Aさんは理解しているのに。そこまで腹が立ってるのは、ちょっと不思議な感じがします。ダンナさんの何に、そんなにも腹が立ってるんですか? どんな腹立ちを感じます?」
と尋ねました。

すると
「反省しろって思う。気づけよ、人の気持ちに。相手のことを理解しようとせずに、私に相談もなく勝手に決めて、勝手にやってる。なんでこっちの気持ちがわからないんだ!と思う」
との答え。

「それって、もしかして。お母さんにも同じような気持ち。感じたことありますか?」
と尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「あるある。あります! お母さんに対して怒っているのと、同じです。お母さんにはいつも、同じように思って怒っています!」

子どもの頃の「母への怒り」を夫に映し出していた

子どものころに感じていたお母さんへの感情を、夫に映し出していたんですね。
こんなふうに「夫のこんな言動に腹が立つ」と感じていることに、お母さんやお父さんに思っていたことを映し出していることって、実は多いんです。

「そういえば。私が夫に対して『どうして人の気持ちを考えずに、こんなことするんだろう』というところ。お母さんにそっくりです」

こんなふうに、知らず知らずのうちにお母さんに似た人やお父さんに似た人をパートナーに選んでいることも、少なくないんですね。

Aさんに「お母さんに対して、『どうして人の気持ちを考えずにこんなことするんだ。反省しろ』って思うこと。子どもの頃にいろいろあったと思うけど。いつから、そう思うようになったと思います? 一番古いできごとって、なにを思い出しますか?」
と聞いていきました。
すると、こんな話が出てきたんです。

私の大事なクマちゃんを、お母さんが……

それは、子どもの頃にものすごくギャン泣きした記憶でした。
「母親にものすごく腹を立てたといえば。
私が3歳か4歳くらいのころのこと。私が大切にしていたクマのぬいぐるみを探していたんです。『あれ?ないな。どうしたんだろう』と思って、お母さんに『クマちゃんは?』と聞いたんです。そしたら『捨てたよ』と。

私がいつも抱っこして寝ていたので、ちょっと薄汚れていたんだけど。以前に1回洗ってくれたことがあったから。今回も洗ってくれたのかなと思って聞いてみたら。『汚かったから、捨てたよ』と言われたんです。

そのとき、『なんてことするんだ!』と思って、うわ~っとギャン泣きしたのを覚えています。だけど『私がギャン泣きするほどのことを、お母さんはしたんだ』ということが、母にはまるで伝わらなった。重大さを何もわかってもらえなかった。
私が大事にしているものを、私の許可なく捨てるなんて、なんてことするんだ!と。ものすごく怒った記憶があります。

よくよく考えると、それ以来、母のことを『こっちの気持ちなんて、この人はなんにもわかろうとしない人』という目で見るようになった気がします。それ以降もずっと『この人は、こっちの気持ちなんて何もわかろうとしない』と、なにかあるたびに怒っていましたから」

小さかった頃に、お母さんに対して激怒した記憶。
お母さんに「なんてひどいことをするんだ。何もわかってくれない!」と思った記憶。
これを思い出したことは、Aさんのダンナさんへの怒りを解消していく、大きな手掛かりになりました。

クマちゃん捨てられた事件。
これを思い出したあと、A子さんはこう思いました。
「子どもの頃の自分に、クマさんを返してあげたいな」

A子さんは、ダンナさんにも伝えました。
「実は子どもの頃の激怒したエピソードを思い出した。あなたに怒ってしまうのも、どうやらクマちゃんを捨てられたときの怒りが関係しているみたい」

すると、「僕がクマちゃん買ってあげようか」とダンナさんが言ってっくれたそうです。
「だけど、お母さんが捨てたんだから、お母さんに一度伝えてみようという話になったんです」

え? お母さん。そんなあっさり…

お母さんに話してみると、こんなことが起こったそうです。
「もちろん母は、クマちゃんを捨てたことなんて覚えてるわけもありませんでした。
だけど、私の予想に反して母はこう言ったんです。

『それは大事なクマさんを失礼しました。買ってあげる、買ってあげる』

その母の一言に、『えっ』と驚きました。
母が『それは失礼しました』と言うなんて。想像もしたことがなかった。
私にとって母は『人の気持ちを一切わかろうとしない、自分勝手な人』だったから、『大事なクマなのに、失礼しました』と言うなんて、思いもよらなかった。

だけど、クマちゃん捨てられた事件のときに、子ども心に『お母さんは、人の気持ちなんてぜんぜん考えようとしない人だ! 自分のことしか考えない、自分勝手な人だ』と思ったから。それ以降、母のことを『人の気持ちなんてぜんぜん考えない人』という目で、見るようになったんだと思います。
母の言動の中で『私の気持ちをぜんぜんわかろうとしないシーン』ばかりに着目しては、『やっぱりお母さんはこういう人だ!』と怒っていたのかもしれません」

お母さんは「捨てちゃったのは、どんなクマだったかな?」といって、子どもの頃のアルバムを探して、クマの写真を見つけてくれたそうです。
そして、写真のクマちゃんに似たぬいぐるみを見つけてくれたそうでした。

クマちゃんに会えた!

そして、お母さんに買ってもらったクマちゃんとご対面したところ……。

「私の中から『ものすごくうれしいっ』という気持ちが出てきたんです。
これまでもらったものの中で、何よりもうれしかった。

目の前のクマちゃんを見たとき、うれしくてうれしくて。
きっと私の中の子どもの頃の気持ち(インナーチャイルド)が、『うれしいっ』と思ったんだろうな。

自分でも、こんなにクマちゃんが好きだったとは……というくらい、うれしいっという感情に自分でも驚きました。
クマちゃんが返ってきたことで、クマちゃんを捨てられてギャン泣きした自分の気持ちは、すーっと平穏になっていきました。

今回の一連のクマちゃん騒動で、わかったことがあるんです。
それは……うちの夫もクマみたいな人だということ!
自分でもびっくりしました。
まさか、それほどまでに自分がクマちゃんを求めていたとは。

ほんと、無意識って不思議なんですね」

お母さんが見つけてくれた生育日記には、こう書かれていたそうです。
「A子1歳。クマのぬいぐるみが大好きで。朝起きると、まずはクマのぬいぐるみをうれしそうに抱いている――」

子どもの頃、自分がクマが好きだったことさえすっかり忘れていた。
それでも、心の奥ではずっと「クマちゃん大好き~」という気持ちを抱いていた。
今回、ダンナさんに怒っちゃう件をきっかけに、心の奥にあった未完了の気持ちに気づいて、それを完了させることができたといいます。

もしかしてアトピーがひどかったのは…

Aさんはこんなことも教えてくれました。

「私はアトピーがひどくて。大人になってからも本当に大変で、全国あちこちの病院にかかったり、入院したりしたことがあるんです。そんな私が、アトピーの人たちと接していて気づいたことがあるんです。アトピーの人たち、怒っている人が多いなって。
私はもしかしたら、クマちゃん事件で大きな怒りを抱えたのかもしれません。
子どもの頃すぎて、その怒りがこんなにも大きな影響を与えていたなんて、ぜんぜん思ってなかったけど。
もしかしたら、自分の中の怒りを見つけて完了させていくことは、アトピーのしんどさから抜けていくためにも意外と大事かもしれないなと」

繰り返される感情は、解放されたがっている

繰り返し出てくるパターンって、ありますよね。
人に対してどうしてもこれだけは許せないという気持ちになる、これを言ったらどう思われちゃうんだろうと思うなど、人それぞれ、繰り返し現れてくる感情のパターンってあるものです。

それは、昔、なにかがあったときに生じた感情が「未完了のまま(完了していない)」になっているからかもしれません。

昔、すごくショックなことがあった。
子どもの頃に、すごく悲しいことがあった。
そのときに抱いた感情が、未消化なまま心の中に残っていることってあるんです。
そうすると、ある出来事が起こったときに、その感情を通して出来事を見るために、「また同じような感情になること」が繰り返されたりするんですね。

お母さんに対して抱いた気持ちを、ダンナさんの言動に対しても抱く。
そういうことって、ふつうにあることなんです。

あれ?どうしてこうなってるんだろう。
ダンナさんに怒りたいわけじゃないのに。どうしてこうなるんだろう。
ふと、そんな疑問を持つことは、自分のパターンに気づくきっかけになります。

Aさんは、「いなくなってしまったクマちゃんと再び出会うことができた」ことで、未完了の感情を終わらせることができました。
(それによって「どうしてこっちの気持ちを無視するようなことをするんだ」という気持ちを、お母さんやダンナさんに抱かなくなりました)

ほかにも、カウンセリングのイメージワークなどで、子どもの頃の「わかってほしかった気持ち」に気づいてあげたり、わかってあげたり、感じてあげたりすることでも、未完了の感情を終わらせていくことができます。
そして、それまでとは違ったものの見方、感じ方ができるようになっていきます。


どうして、怒りたくないのに怒っちゃうんだろう。
どうしていつも、こんな気持ちになるんだろう。
もし、そんな気持ちになることがあるなら。
解放されたがっている気持ちがあるサインかもしれません。

よかったら、いつでもお話聞かせてくださいね。

(Aさん、掲載していいよと言っていただきまして、ありがとうございました!)

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中村陽子/心理カウンセラー
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