自己肯定感

本当はなんとかしたいけど、どうしていいかわからない……と一人で悩んでしまうとき

中村陽子/心理カウンセラー
悩んでいるとき、もんもんとしているとき……。
そんなとき、たいていは「自分一人で悩んでいる」ことが多いんです。

このままじゃいけない気がする。
本当はいまの状況から抜け出したい。
けど、どうしていいかわからない――。
そんなときも、「自分一人で悩んでいる」ことが多いんです。

でね。
不思議なことに、「他の人も、同じように悩んでいる」というのを体感的に知るとね、気持ちがちょっと楽になるんです。

一人で悩んでいるとき、「ダメダメな自分」を「なんて、ダメダメなんだ」と責めてしまっています、自分で。
で、ダメダメな自分だからこそ、「このダメダメな部分をなんとか隠して、人前では振る舞わなきゃ」と思います。

職場で、ご近所づきあいで、知り合いや友達との間で、「悩みとか悶々とか、ない私」として、振る舞うんです。

さらに、家に帰ってきて「悩みとか悶々とか、ない自分になっていない私」を「だめじゃん、これじゃーーーっ」と、さらにダメ出ししてしまいます。

多くの人の心の中で、起っていることなんです。
そのくらい「ダメダメな私じゃ、ダメーーーーっ」と、自分が思っているってことなんですね。

でね。
「他の人も、同じように悩んでいる」というのを目撃するとね、「ダメダメな自分を責めること」が、ちょびっと減るんです。

「あれ? こんなふうに『ダメダメじゃん』と感じているのは、私だけじゃなかったんだ」

そう思うとね、ちょびっと気が軽くなるんです。
自分へのダメ出しが、ちょびっと減るからです。

「あ、私だけじゃなかったんだ」と思う。

するとね。
「ダメダメを、自分の中だけに隠しておかなきゃ」という、閉じた世界に、ちょびっと光が差し込むんです。

「自分一人でダメダメを抱えてなくて、いいのかもしれない」って、体感的に感じられると、そこから何かが変わりはじめたりするんです。

だって。
自分だけじゃないのだから。
こんなふうに「ダメダメ」って思っているのは、自分だけじゃないのだから。

自分の中のダメダメを、誰かに打ち明けられるようになると、何かが変わるんです。
最初の一歩は、めっちゃ嫌です。
人になんて、ぜったいに、打ち明けたくない。

それでも、他の人が自分のダメダメを打ち明けているのを見ているうちに、こんな思いわいてくることもあります。

「私、ずっと誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない」
長い間、心の奥深く、自分にも見えない場所に、そっとしまっておいた気持ち。

それをね、誰かに打ち明け始めることで、あなたが変わっていくこと、本当に多いんです。

人は、そうやって生きてきたのだと思います。長い歴史の中で。
自分ではどうにもできない「こんな自分、ダメダメ」という思いを、人に打ち明ける。

そうすることで、「本当は、ぜんぜんダメダメなんかじゃなかったんだ。ダメダメって思う必要なかったんだ」と自分の心が大きく転換するほどの何かが、舞い込んでくる。

カウンセリングって、そういうことなんだと思います。
人に打ち明けられない思いを、打ち明ける。
一人では、どうしていいかわからなかった思いの中に、突破口を見つけていく。
そんな時間なのだと思っています。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
記事URLをコピーしました