本当はなんとかしたいけど、どうしていいかわからない……と一人で悩んでしまうとき
そんなとき、たいていは「自分一人で悩んでいる」ことが多いんです。
このままじゃいけない気がする。
本当はいまの状況から抜け出したい。
けど、どうしていいかわからない――。
そんなときも、「自分一人で悩んでいる」ことが多いんです。
でね。
不思議なことに、「他の人も、同じように悩んでいる」というのを体感的に知るとね、気持ちがちょっと楽になるんです。
一人で悩んでいるとき、「ダメダメな自分」を「なんて、ダメダメなんだ」と責めてしまっています、自分で。
で、ダメダメな自分だからこそ、「このダメダメな部分をなんとか隠して、人前では振る舞わなきゃ」と思います。
職場で、ご近所づきあいで、知り合いや友達との間で、「悩みとか悶々とか、ない私」として、振る舞うんです。
さらに、家に帰ってきて「悩みとか悶々とか、ない自分になっていない私」を「だめじゃん、これじゃーーーっ」と、さらにダメ出ししてしまいます。
多くの人の心の中で、起っていることなんです。
そのくらい「ダメダメな私じゃ、ダメーーーーっ」と、自分が思っているってことなんですね。
でね。
「他の人も、同じように悩んでいる」というのを目撃するとね、「ダメダメな自分を責めること」が、ちょびっと減るんです。
「あれ? こんなふうに『ダメダメじゃん』と感じているのは、私だけじゃなかったんだ」
そう思うとね、ちょびっと気が軽くなるんです。
自分へのダメ出しが、ちょびっと減るからです。
「あ、私だけじゃなかったんだ」と思う。
するとね。
「ダメダメを、自分の中だけに隠しておかなきゃ」という、閉じた世界に、ちょびっと光が差し込むんです。
「自分一人でダメダメを抱えてなくて、いいのかもしれない」って、体感的に感じられると、そこから何かが変わりはじめたりするんです。
だって。
自分だけじゃないのだから。
こんなふうに「ダメダメ」って思っているのは、自分だけじゃないのだから。
自分の中のダメダメを、誰かに打ち明けられるようになると、何かが変わるんです。
最初の一歩は、めっちゃ嫌です。
人になんて、ぜったいに、打ち明けたくない。
それでも、他の人が自分のダメダメを打ち明けているのを見ているうちに、こんな思いわいてくることもあります。
「私、ずっと誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない」
長い間、心の奥深く、自分にも見えない場所に、そっとしまっておいた気持ち。
それをね、誰かに打ち明け始めることで、あなたが変わっていくこと、本当に多いんです。
人は、そうやって生きてきたのだと思います。長い歴史の中で。
自分ではどうにもできない「こんな自分、ダメダメ」という思いを、人に打ち明ける。
そうすることで、「本当は、ぜんぜんダメダメなんかじゃなかったんだ。ダメダメって思う必要なかったんだ」と自分の心が大きく転換するほどの何かが、舞い込んでくる。
カウンセリングって、そういうことなんだと思います。
人に打ち明けられない思いを、打ち明ける。
一人では、どうしていいかわからなかった思いの中に、突破口を見つけていく。
そんな時間なのだと思っています。