「心の癒しをやっても、変わらないんじゃないか」。夜明け前が一番暗い

中村陽子/心理カウンセラー

カウンセリングを受けたり、ワークショップに出たりして心の癒しを始めたものの、最初のうちは変化も感じたけれど、途中からぜんぜん変わらない気がするばかりか、ひどくなっている気がする。

心って不思議なもので。
これまで頑張ってきた人ほど、心の癒しを始めると、途中の過程でしんどさを感じる時期があるようなんです。
頑張ってきた人ほど、たくさんのしんどさに蓋をして、自分の内側に抱え込んだまま走り続けてきていることが多いからなんですね。

それが、心の癒しを始めることで、蓋してきたものが表面に上がってくるために、「なんか前よりもひどくなった」と感じる時期もくるようです。

スランプが続いている。
なんか気が晴れなかったり、しんどい気持ちだったり、嫌な感覚が続いている。
気分転換などもあれこれ試してみたけれど、重たい気分がなかなか抜けない。

だけどそれは、途中の過程なのかもしれないんですね。
それまで感じたことのない嫌な感覚が、癒されるために上がってきた。
ずっと蓋してきたものが、癒されるために上がってきた。
それがゆえの、嫌な感覚であることも多いんです。

いま「変化の手前」にいるのかもしれません。

夜明け前が一番暗い、という言葉がありますよね。
心の世界でも同じことがいえるようなのです。


私の話なんですが。
心の癒しにコツコツ取り組んできたおかげで、朝目覚めたときに「今日もいいお天気~」とさわやかで晴れやかな気分で一日を始められるのが通常モードになりました。

カウンセリングに出会う前。もともとは、朝起きるのが苦痛。世界が灰色。何の面白味もない、味もしない。
体も心も重たい、いつもイライラしているのが通常モードでした。
自分だけ世界が終わっちゃってる。そんな感覚の中にいました。
それが、心の癒しにコツコツ取り組んだおかげで、朝起きて「うわ~、今日もいい気分~」と感じられるのが日常にまで、心が軽やかになっていったんです。

とはいえ、ここ半年くらいスランプに入ってしまったようで。
通常モードのさわやかな晴れやかさを、味わえなくなっていたんですね。
これから先のビジョンを描こうとしても、頭では考えられるんだけど、心がついてこない。

おかしいな、おかしいな。
自分でもあれこれあたりをつけては、感情を癒す作業をやってみたり、奮発して高級旅館に泊まってみたり。
栄養とってみたり、体のメンテナンスしてみたり。
さんざんやってみるものの、晴れやかさが戻ってこない。

おかしい。なんだこれ?
ちょっと重たい感じから、抜けられなくなっちゃったんだろうか……。
そんな不安が、ときどき頭をよぎっていたのです。

ここ数年、晴れやかなさわやかさが通常モードだったのに。
もう戻れないんだろうか……。

だけど、できることといったら。
自分で思いつく限りの、心の癒しをするしかありません。
なので、心のひっかかりを片っ端から探しては、感情を癒すことをコツコツやっていったんですね。
面談で行っているような心理セラピーを、自分で自分にコツコツやっていった続けたわけなんです。
(マニアの域だなと自分でも思います。笑)

コツコツと感情を癒すことに取り組んだおかげで、感情の層がかなりめくれたんだと思います。
取り組んでいる最中は、「やってもやってもぜんぜん抜けられないな」としか感じなかったのだけれど。
コツコツ感情を癒すことをやり続けた結果。
かなりの大穴(大穴って。笑)にたどり着けたんです。

あー、これか。これだったのか。
そりゃ、時間もかかろう。(スランプ抜けるのに、半年かかった)

だけど、自分では大いなる納得の大穴だったんですね。
なんせ35年もの。
35年間ずっと受け取ることができなかったものに、やっと向き合って受け取れた。

自分の人生パターンのひとつに、与えるけれど受け取れないというものがあったんです。
さんざんハードワークをして圧倒的な結果を出す。なのに会社をクビになる。
経済力のない男性をパートナーにして、自分がめっちゃがんばって稼ぐ。なのに家を出て行かれる。
とかね。

このパターンから逃れるために、君子危うきに近寄らずとばかりに、このところは「近寄らない戦略」を取っていたようにも思います(無意識に)。
たとえば、お付き合いをせず、結婚に向かっていかない距離感に自分を置きながら、相手をめっちゃ応援する。

さんざん応援して、相手がめちゃめちゃ稼げるようになって「よかったね~」となって、相手からとても感謝されても、近寄らない戦略が根底にあるので、自分には還元されないとかね。

受け取れないのは、同じじゃん。笑

こんな人生のパターンに大いに関わるような、35年ものの大穴だったんです。
(大穴という表現も、変ですけど。笑)

コツコツと心のひっかかりにまつわる感情を癒すことを続けたおかげで
この大穴が浮上してきたんだな、と思っています。

たまねぎを、むいてむいてむいてむいて(←コツコツ感情を癒して、感情の層をむいていった)。
やったかいが、ありました~。

おかげで、また晴れやかさが戻ってきました。1.5~1.8割増し。
内側からエネルギーがあふれてきている感覚もあって。お~、これからが楽しみ~という感じ。

加えて「次のステージってこういう感じか」という新たな感覚もつかめた気がします。
もちろん、受け取る気まんまんです。

これまでも受け取る気まんまんだった(つもり)だし、昔に比べたらぜんぜん受け取れるようになってるけど。
受け取るのステージが、ちょっと変わったような。そんな感覚がしているんですね。


長くなりましたが。
何をお伝えしたいのかというと。
やってもやっても、なんか抜けられない感覚が続いているとしても。
いま、トンネルを抜ける手前なのかもしれません。

特に、自分にとって大きな癒しが起こる手前は、すごく不調な感じがあったり、しんどい気持ちが続いている感覚があったり、ぜんぜん抜けられない感覚があったりするようなんですね。

あまりに抜けられないので、いくら癒したところでムダなんじゃないかとも思うこともあるかもしれません。
だけど、いまの状態は「途中経過」で、自分にとって必要な癒しがくる手前なのかもしれないんですね。

いままでの「自分にとって当たり前の状態」とか、いままでの「自分とはこういうもの」といったものから、変わっていこうとするとき。
変化の手前に、とても嫌な気分が出てくることは本当に多いんです。

やってもやっても、自分はやっぱり変わらないんじゃないか。
という思いも出てきます。

だけどこれらは、変化するために出てきている嫌な感覚なのかもしれないんです。
これまで長い間、心の奥に封じてきたもの。
それらが、浮上してきているだけ。
癒されるために、浮上してきている。

心の奥に封じられたままだと、そこにあることさえ気づくこともできないけれど。
嫌な感覚として上がってきているなら、それは癒していくチャンスだったりするんです。

変化の手前って、そういうもののようなんです。

今回の大穴にたどり着く前に、こんな言葉を自分に贈りました。
おかげで、ずっと封じてきたものが浮かび上がってきて、癒すことができました。

自分を幸せにします。
何があっても幸せになります。
私は、私に向けられた愛のすべてを受け取ります。
私は、次のステージに進みます。

これらの言葉をアファメーションすることで、嫌な夢を見たり、嫌な気分が上がってきたり、とても落ち込んだりもするかもしれません。
だけどそれらの嫌な感覚も、心の奥に封じてきたものが上がってきただけなんですね。
癒されるために。

もしいま、スランプの感覚があったり、しんどい思いが続いていたり、心の癒しなんていくらやったところで抜けられないんじゃないかと思っていたりするなら。
必要な変化の手前に、いるのかもしれません。

そんなときは、どうかひとりでやろうとせずに
いつでもお手伝いさせてくださいね。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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