いまの恋愛がうまくいかないのは、昔の失恋の影響だった
恋愛がうまくいきません。
結婚もしたいと思ってるのに、なかなか人を好きにならないし、付き合っても数カ月で別れてしまうんです。
仕事はうまくいってると思います。
だけど、恋愛だけなんかうまくいかないんです。
周りはどんどん結婚して子どもも生まれているのに、自分だけ取り残されてしまっていて。
焦る気持ちも出てきてしまいます。
こんなご相談を受けることがよくあります。
恋愛や婚活がうまくいかないとき、恋愛や結婚を遠ざけておきたい理由が心の中にあることが多いんですね。
いろんな理由があるのですが、その中のひとつに「昔の失恋が、まだ終わっていない」ということもあるんですね。
昔の失恋が終わってないってどういうこと?
昔の失恋が、まだ終わっていない?
だって、もう10年も前のことですよ。
という声が聞こえてきそうですが。
3年、5年、10年と時間が経っていたとしても、心の中に昔の失恋の痛みがまだ残ったままになっていることって、実はすくなくありません。
恋愛がうまくいかないというご相談では、
「いつぐらいまではうまくいってました? そういえばこのあたりから恋愛がうまくいかなくなったなと時期ってありますか」と聞くことが多いんです。
すると
「そういえば、20代まではうまくいかないって思ってなかったかも。30歳のときにあの彼と別れて…。それ以来、なんか恋愛が続かなくなっちゃったんですよね」
などの話が出てくることがあります。
なんか恋愛がうまくいかないんだよなと感じているなら、
「あれ? こんなふうにうまくいかなくなったのって、いつからだっけ?」と振り返ってみると、何か気づきが見つかるかもしれません。
そしてもし「あ、あそこからかもしれない」と思う地点があったとしたら、それはあなたにとってはとても大きな意味を持つ失恋だったのではないでしょうか。
そんな失恋を境に、自分の中にある大切な何かを封印してしまうようになったということも、とても多いんです。
あの失恋をする前の私、どんな私だった?
たとえば、こんなケースです。
(よくあるお話を元に、こちらで作ったケースです)
「婚活はしているものの、好きな人がなかなかできなくて。
いいなと思う人が現れたとしても、私が誘っていいのかな。迷惑にならないかなと思ってしまう」というA子さん。
恋愛がうまくいかないっていうけど、もともとはどんなタイプだったんですか?と聞くと、
「相手のことをすごく好きになる一途なタイプだった」といいます。
そんなA子さんの恋愛が変わったのはいつですか?と聞くと
30歳のころかもしれませんという答えが返ってきました。
話を聞いてみると、こんな事情だったようなのです。
彼とは、結婚するつもりでいました。
彼のことが大好きだったし、二人でいるのがとても楽しかった。
私たちはうまくいっていると思っていたんです。
それが、30歳になったとき、彼から別れたいと言われて。
彼は仕事でトラブルが発生して、それを機に仕事がうまくいかなくなって会社を辞めた時期でした。
結婚を考えられなくなった。だから別れたいというのです。
突然のことに「どうして別れたいのかわからない。私は別れたくない」と彼にすがりついちゃったんですね。
だけど、彼の気持ちは変わらなかったんです。
そして、もう会わないと言われてしまったんです。
別れたのは私の何かが悪かったから?
私の何が悪かったんだろう。
私が別れたくないって言ったから、重たくなっちゃったんじゃないのかな。
別れたくないって言ったから、彼に嫌がられちゃって、もう会わないって言われちゃったんだ。
そんなふうに思いました。
とA子さんは言います。
別れを切り出されたとき、どうして別れると言うのか、その理由をいろいろ探したりするものです。
どうしてだろう、彼はどうしてこんなこと言うんだろう、私の何かが悪かったのかなと原因探しをするうちに、「私の○○のせいで別れるって言われちゃったんだ」と思ってしまったりするんですね。
特に、相手から突然別れを切り出されたら「私のせいだ。私の何かが悪くて嫌になられちゃったんだ」と思ってしまうものなんです。
「彼が好き」という気持ちを受け取ってもらえないと、私が重たかったんだろうかとも思ってしまうものなんです。
それ以降、「私のこんなところは、よくないところなんだ」とか「私の好きという気持ちは重いんだ」と思うようになってしまうことってとても多いんですね。
あのころはわからなかった彼の気持ちを探ってみる
だけど、別れることになった理由を探っていくと、当時は見えなかったことが見えてくることはたくさんあります。
彼がなぜ別れを切り出すことになったのか。
当時は見えなかった理由を見ていくと、「私が悪いわけではなかった」ということが見えてくることも多いんです。
A子さんの彼は、仕事がうまくいかなくて会社を辞めてしまいました。
彼女を幸せにしたいけど、会社も辞めちゃったいまの自分では結婚なんてすることができない。
彼女が結婚を望んでいるのは知っている。だけど、自分はいつ結婚できる状態になるかわからない。
こんな状態で彼女と付き合っていても、彼女のためにならないんじゃないか。
そんな思いから、彼女の元を去っていったのだとしたら……。
A子さんが悪かったわけでは、ありませんよね。
私が重たくしちゃったからでも、ありませんよね。
彼から嫌いになられたわけでも、ありませんよね。
こんなふうに、別れの理由を読み解き直していくことで、失恋したときに抱え込んでしまった思い込みを手放していくことができます。
昔の失恋で「何が悪かったんだろう」と原因探しをし続けたせいで
私の気持ちが重かったんだ。
だから別れることになっちゃったんだ。
という思い込みを持つようになってしまったとしたら……。
人をなかなか好きになれなくなったりしますよね。
だって、私の「好き」の気持ちが重いのだとしたら、私が好きになることは相手にとって迷惑だって思っちゃうから。
「好き」の気持ちを出さないように、封じ込めてしまうこともあるのです。
好きという気持ちを封じ込めてしまっていたら。
「付き合っても、なんか彼を好きって思えない。この彼じゃないってことなのかな」
「彼氏はほしいけど、好きになる人に出会えない」
ということが起こっていても、不思議ではありませんよね。
こんなふうに、自分の大切な気持ちを封じ込めてしまうことって、とても多いんです。
知らないうちに、封じ込めている。
だから、自分ではわからないんですね。
ずっと言えずにきた気持ちを口に出して言ってみる
この封じ込めた気持ちを取り戻すには、心に残っている想いを解き放っていくといいんです。
彼にほんとうは言いたかったけど言えなかった気持ちをぐっと飲み込んだのと一緒に、自分の大切な気持ちも封じ込めちゃっているからです。
カウンセリングでは、別れた彼が目の前にいると思って、彼にあのころ言えなかった気持ちを言ってもらいます。
心に残っている未完了の気持ちは、口に出してみることで解き放つことができるんですね。
「なんで別れたいって言ったの。私はあなたに嫌われちゃったんだと思ってた」
「どうして理由を教えてくれなかったの。理由を教えてほしかった」
「別れ際に、ひどいこと言っちゃったのがずっと引っかかってた。あんなこと言っちゃってごめん」
「私はあなたが好きだった。あなたがつらいときだって、私はそばにいたかった」
「ほんとはずっと一緒にいたかった」
何を言ってもかまいません。
心に残っている気持ち、何でも言ってみるんです。
こんなふうに言えずに飲み込んでしまった気持ちを、目の前に彼がいると思って口に出して伝えてみることで、ずっと残っていた心のしこりがとれたりするんです。
本人を目の前にしているわけじゃないのに……。
飲み込んだ気持ちをそのまま言葉にして口に出しているだけなのに、うわっと涙が出てくることもあるんです。
ずっと言えずにいた気持ち。
一人で胸の奥に抱え続けてきたんですよね。
言っちゃだめと思って、飲み込んでしまったのかもしれません。
だけど。
その気持ちから解放されても、いいはずですよね。
ずっと言えずにいた気持ちを口に出して言ってみる。
ずっと抱え続けてきた想いを、口に出して言ってみる。
そうすると、一枚一枚皮がめくれていくように、心のしこりが溶けていき、その奥に一緒に閉じ込めてしまっていた大切な気持ちを取り戻すことができるんです。
「あなたが好き」の気持ちを取り戻す
それは、誰かを心から好きになる気持ち。
飲み込んだ気持ちを外に出していくことで
「あ、私はこんなにも誰かのことを好きになる気持ちを持っていたんだ」
「好きな人と一緒にいるのって、こんなにも幸せだったんだ」
と思い出すことって多いんです。
誰かを好きになる気持ちや好きな人といて幸せを感じる気持ち。
もし、これらを閉じ込めたままでいるとしたら……。
なかなか人を好きになれないのも、付き合っても気持ちが盛り上がらないのも、いまの恋愛がなんかうまくいかないのも、わかる気がしませんか?
昔の失恋、とっくに終わってるものと思っていても、心の中に想いが残っていることはよくあります。
別れを告げられた失恋だけでなく、自分から別れようと相手を振った失恋でも、想いが残っていることがあるんです。
その想いを癒すことで、自分にとって宝物ともいえる大切な気持ちを取り戻すことができます。
それは、自分の欠けてしまったとても大切な心の一部を取り戻すようなものかもしれません。
もし、「そういえばあの別れ以降、自分の恋愛がうまく行かなくなっちゃった気がする」と思いあたるものがあるのなら……
昔の失恋を振り返って、あなたの気持ちを取り戻してみませんか?
ぜひお手伝いさせてくださいね。