恋愛心理学

好きな人ができないのは、昔の失恋の影響かも

中村陽子/心理カウンセラー

好きになれる人と出会えない

婚活をしていて出会いはあるものの「いい人に出会えない」「ぜんぜん好きになれない」という話をとてもよく伺います。

ここしばらくの恋愛を振り返ってみても、自分から大好きになっていないかもしれない。
相手から言ってきてくれたから、付き合ったということばかりだな。
そういえば、自分からは好きになってないかもしれないな…。
お付き合いしている彼のこと、「この人でほんとうにいいの?」という気持ちよくも出てくる。
付き合っても、遠距離だったり、三角関係だったりで、なかなか距離が縮まらない相手ばかり。
もし、こんなことに思い当たるところがあるとしたら……。
昔の失恋について、振り返ってみてもいいかもしれません。

過去の失恋、心の中に残っていませんか

人をなかなか好きになれない
三角関係や遠距離など距離を縮められない彼とばかり付き合っている
付き合っても長続きしない
この人でいいのかなとよく思ってしまう
などの場合、
昔の恋愛や離婚の痛みがまだ残っているということがあります。

自分では、ずいぶん昔のことだしとっくに吹っ切れていると思っていたり
もう二度と会わないし、会うつもりもないと思っていたりする彼との恋愛の痛みが
心の中にまだ痛みが残っていることって少なくないんです。

そういえば、昔、あの彼と別れたとき。
ショックのあまり何年も、彼のことを忘れられずに引きずってしまった。
自分の何かが悪かったから、嫌われちゃったじゃないかと思った。

あの彼と別れてからは、自分から誰かを大好きになることなくなったかもしれないな……。

だとしたら。
あれ以来、自分から大好きになることにストッパーをかけるようになっているかもしれません。

例えば、こんなお話があります。

結婚したいかどうかと聞かれたら、わからないって感じなんです。
そんなふうに話していたA子さん。

ずっとひとりでいるのも……と思って
結婚相談所に登録。相手からは気に入ってもらえるものの、なかなか真剣交際にいたりません。いい人だけど、好きになれそうもないというのがA子さんの悩みでした。

それまでどんな恋愛をしてきたんですか?と尋ねてみると、遠距離の彼や既婚者の男性。

自分にはパートナーを持つことが向いてないんじゃないか。
ひとりでいるほうが、向いてるんじゃないか。
そんなふうに思っていたといいます。

恋愛から一歩引いているようなところがあるA子さんに、誰かを心から好きになったことがあるか聞いてみると、20年前の彼の話が出てきました。
それはそれは大好きだった、心から大好きだった彼だったといいます。
あんなふうに誰かを心から愛したことは、あれ以来ないかもしれない――。

大好きだった彼とお別れしたのは20年以上も前のこと。
彼に嫌われて、愛想をつかされて、別れることになったとずっと思ってきたといいます。

20年も前のことだから。
もうとっくに気持ちの整理はついていると思っていたけれど……。

だけど、この彼と別れて以来、誰かをものすごく好きになったりしていないとしたら。
真剣に相手と向き合うような付き合いをしてこなかったのだとしたら。

彼との思いが、まだ終わっていないということなんです。

本気にならないようにしていませんか

大好きだった彼に振られてしまった。
大好きだった彼を振ってしまった。
結婚するつもりでいた彼と婚約破棄になってしまった……。

そんな別れを体験したとき、つらくてつらくて苦しくて。
もう二度とあんな思いはしたくないって思ったとしたら、誰かを好きになることにブロックをかけてしまうことがあるんです。

昔、あの彼のことが好きで好きでたまらなかった。
彼をとても大事に思って、彼を愛していた。
だけどもう、あんな思いをしたくない。
心のどこかで、そう思っているんです。

そうすると、本気にならないようにって、心にストッパーがかかってしまうんです。

本気で誰かを好きにならなくなったあなたは、もともとは誰かを心から愛する情熱をたくさん持っている人なんですよね。

情熱的に愛したからこそ、あれほど別れがつらかった。
そして、情熱的に愛することをやめて、本気になることにストッパーをかけるようになった。
だとしたら。
いま、もの足りない味気ない日常を送っているのではないでしょうか。
なぜなら、情熱的に誰かを愛したいという心を持っているのに、それを使えていないからです。

本来の自分を生きていない分、味気なさを抱えることになるんです。
情熱的に愛するという自分の本質に蓋をしてしまっている分、日常が味気なくなってしまうのです。
それは自分の大事なパーツを生きていないことでもあるんです。

誰かを本気で好きになることから距離を取っている分
本気にならなくていい相手と付き合ったり
一定以上は距離の縮められない三角関係になってたり
付き合っても本気で彼を好きになることから一歩引いてしまったり
相手から好きになられること、愛されることを避けてしまったり
そんな恋愛になってきたのだとしても
誰かを心から愛したい想いがあるからこそ、本気になったら大好きになるのがわかってるからこそ
距離のある関係になってきた、というだけなんですよね。

自分から本気で好きになっていないかもしれない。
いつからだっけ?
そう振り返った時、「あ、あの彼と別れてからずっとだ」と思い当たるふしがあるなら。

心の奥にまだ残っている昔の恋愛、あの彼との思いをいやしていきませんか。
あなたが再び情熱的に誰かを好きになれますように。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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