できないことがあっていい。でこぼこでいい。

中村陽子/心理カウンセラー

そういえば、昔、演劇を観てた時期があったな~というのを思い出しまして。
そのころ聞いたエピソードを、ちょっとご紹介しますね。

今日のタイトルは、でこぼこで、いい。
才能について考えるとき、出てくるキーワードが「でこぼこで、いい」なんです。

才能とは、人と違うところであり、人よりも突出しているところのことです。
また、そこに興味を持ってやり続けられるからこそ、能力も開花します。

そのため、才能のあるところって、偏り(かたより)があるところです。

ほかのものには興味が持てない。
ほかの人ができるような普通のことができない。
ほかの人ができるようなことをしようとすると、ヌケてポカしちゃう。
そういうことって、ありますあります。
かたよっている、ってことはそういうことです。

そもそも。
かたよりって、あるものだと思うんですね。
Aについては、自分はけっこう得意だし、好き。
Bについては、ぜんぜんできないし、興味もない。

だとしたら、Aをやっていくことで自分の能力を発揮できるし
Bをする必要があるなら、誰かにお願いすればいい。
できないこと、苦手なことを「できるようにならなきゃいけない」って思う必要、ほんとはないのかもしれません。

それ、苦手なんですよー。
実は、これこれこういうの、苦手なんです。できないです。
って、言ってもいいんですよね。


ちょっと話が飛びますが。
昔、演劇をよく観ていた頃に聞いたお話。

ある脚本家がいました。
コメディを描くその人の舞台はものすごく面白くて、心温まる作品で、ファンも多くすぐにチケットが売り切れてました。
それもそのはず。宣伝チラシのコメントひとつとっても、笑いが入ってるんです。
新作発表の記者会見なのに、その人が話すとちゃんとオチがあって、まるでショーを見せられているかのようでした。

きっと四六時中、人を笑わせることについて考えてるんだろうな~って思ったんですね。

才能がある人って違うよな、さすがだよなと思っていたある日。
たまたまその脚本家をよく知る人に会いました。そして裏話を教えてもらったんですね。

その裏話とは…。
〇〇さん(脚本家さん)って、道を真っすぐ歩けないんですよ。
一緒に歩いているときに、ドブに落ちてはまっちゃったりするんです。

はい? なんですか?
道を歩いててドブにはまっちゃうって、なんですか???
できないことのレベルが、すごすぎませんか???笑

ま、聞いた話だから。ほんとかどうかはわかりませんが。

それにしてもピッカピカに光る才能がある一方で、おっちょこちょい感ハンパない。
天は二物を与えず……。

でもまあ。
そうだよね。それだけ笑いのこと、脚本のことばっかり考えてたら、ドブに落ちちゃいますよねと妙に納得したんですね。

あるものに関心を向けていたら、ほかのものに無頓着になる。
かたよりって、ありますよね。
かたよりがあることが、個性だし、才能ですもんね。

才能って、こだわり続けられるということでもあると思うんです。
生まれつき得意で努力しなくてもできてしまう、わけではなくて。
それが好きだから、ほしいから、うまくなりたいから、うまくいかないことがあっても、そこにエネルギーを注ぎ続けることができる。
才能って、そのことかなって思うんです。

やめないから、続ける過程でよりよいものを生み出せるようになっていく。

こだわり、かたよりあっていい。
苦手なことは苦手で、いい。
自分にできないことは、それが得意な人がいますもんね。

すべて全方位的にちゃんとできる、なんてことはできません。

できること、できないこと、好きなこと、関心のあること、ないこと。
でこぼこが、あっていい。

だけどそれって一部の才能ある人のことでしょ。
凡人には当てはまらないんじゃない、って思いました?
いえいえ。
誰でも得意なこと、苦手なこと、
こだわりがあること、ないことありますよね。
あっていいですもんね。

でこぼこがあっていいって思うと、自分の得意なこと、こだわれることに力を注げるようになります。

できないこと、苦手なことを平均的にするために頑張るやり方もあります。だけど、もともと苦手なことにエネルギーを注いでも、なかなか思うように伸びてくれなかったりします。
ましてや、もともと苦手なのに「ちゃんとやらなきゃ」ってやってたら、疲れてヘトヘトになります。
さらに加えて、うまくできないことに自分でだめ出しをしていたらとても疲れます…。

一方で。
でこぼこってあるもんだよね、と思って
平均点を目指さずに、得意なこと、こだわれること、興味のあることにエネルギーを注ぐこともできます。
そっちのほうが、すくすく成果が出たりしますよね。

もし、不得意なこと、苦手なことを「できるようにしなくっちゃ」と思いながら、なかなか大変な毎日を送っているとしたら。

できないことがあっていい。
でこぼこで、いい。
と思ってみても、いいかもしれません。

自分らしさがわからないなら、でこぼこな自分に許可を出そう 自分らしさがわからない 自分らしさがわからない。なんかどこか生きづらい感じがある。いつも自分を抑えて生きているというか。 ...

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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