親の期待を超えて、自分らしく生きる

中村陽子/心理カウンセラー

母が重たい。 その呪縛を解くために、けっこう長い人生がかかってしまうことがあります。 母親の呪縛っていうと、言葉が重いのですが。要するに、母からの影響です。

子ども心に母を見ながら、「お母さんは、幸せそうじゃない」「満足そうじゃない」ということに胸を痛めていた――。
そんな話をカウンセリングの現場では、ほんとうによく聞きます。

お母さんがいつも、父親の愚痴を言っていた。「どうしてお父さんと結婚しちゃたんだろう。ほかにもいい人がいたはずなのに」「こんな人と結婚するんじゃなかった」

お母さんがいつも、人生の不満を言っていた。「お母さんには、ほかに夢もあったのに」

母が満たされていない感じを振りまいていたり、大変そうだったりすると、それだけで子どもは胸を痛めてしまうものです。
そして、思うことがあるんです。
「自分が、お母さんを満たしてあげなくちゃ」

だけど、「自分がお母さんを満たしてあげなくちゃ」と思ったことはあんまり覚えていないことが多いんです。

覚えていないけれど、お母さんの満たされない気持ちを自分の中に取り込んで子どもである自分が、お母さんの果たせなかった夢を果たそうとすることもあるんです。それを、「親の期待」として感じていることもあります。

子どもの頃に思った無意識的な想いなので、「なぜだかわからないけれど、自分がこういう気持ちや行動に駆り立てられる」という形で出てくることが少なくないんですね。

親がこんなことを言った。こんなふうに期待した。それが重くてつらかった。

と感じること、もちろんあります。

だけどそれは、それだけ期待を叶えてあげたかった気持ちがほんとうは大きかったということかもしれません。

親が期待した。
をそれだけ期待に応えたい気持ちが強かった。
と思い直してみる。

こう思い直してみることは、自分の生き方を自分の手にするために実は大切な視点でもあります。
自分で自分の生き方をつくっていくそのためには、意思を自分のものにしていくことも大切だからです。

***
満たされない親の気持ちを満たしたい。その思いを抱え続けた例をひとつご紹介します。

A子さんはずっと長い間、「娘の私が立派になって親に家を建ててあげなくては――」という気持ちが心の奥にあったといいます。

お母さんからいつも、お父さんの愚痴を聞かされて育ったんですね。「うちのお父さんは頼りない。もっと広い家に住みたかった。でもうちのお父さんじゃだめ。ほんとなら、お父さんじゃない人もいたのに。どうして結婚しちゃったのかしら」

両親がケンカをすると、母親が激しく怒りをぶちまけていたので、子ども心に「うちの両親は仲が悪い」と見えていたんです。

そして気づくと、思うようになっていたんです。「自分が親に家を建ててあげなくては」

子どもの頃、親の期待に応えよう応えようと頑張った分思春期に、親と大きく距離を取るようになりました。もう無理、応えられないと思ったからです。

別に親の期待に応えなくてもいい。頭ではそう思えるようになりました。社会人になってからすぐに一人暮らしを始め、家を出ました。

だけどいつも気持ちが、掻き立てられるんです。
「本当だったら、もっと経済力をつけなきゃいけないのに。できていない、できていない……」
期待に応えなくていいって、頭でわかっているのに。
「本当なら、もっと経済力をつけなきゃいけないのに。できていない、できていない……」

そうやって、いつも現状の自分に満足できずにいました。自分なりに頑張っているはず。なのに、できてない、できてない。そして、何も手に入っていない――。いつもそんな焦燥感に追われ続けていたんです。

そのくらい、無意識的に「自分はこれをほんとうはしなくっちゃいけない。親のために」と思っている意識があり、それができない自分を責めてしまう……。

心の中でそんな葛藤を抱えていたんですね。
そして走り続けて、疲れ果ててしまった。もうこれ以上、走れないと思った。燃え尽きてしまった。そしてカウンセリングを受けるようになりました。

このような「お母さんの望みを叶えたい」という想いを、知らない間に心の奥に持ち続けていることがあります。
大人になる過程で、そんなふうに思わなくってもいいんだと頭でわかるようになっても心に「ほんとうは叶えなきゃいけない」という想いが残っていてその想いが自分の生き方を、知らず知らずに引っ張っている。
そんなこともあるんです。

親がほしがっていたものを、あげたい。
親の無念さを、自分が代わりに果たしたい。

母親だけでなく、父親にもこんな思いを抱くことももちろんあります。
自分でも気づかないうちに、そんな想いを心の奥に抱えてそれが自分の生き方に影響を与えていること、あるんです。

これらの想いを抱えている人は、こんな感覚を持っているかもしれません。ほんとはできれば、自分が親を満足させたい。満たしてあげたい。だけど、いつも親は満足してくれない。

いやいや、自分はぜんぜん親想いじゃないからと感じる人もいるかもしれません。だけど、根っこを辿っていくと、親を想う気持ちに出会うことが少なくないんです。

親を満足させたいけど、満足させられない。この葛藤、もう抱えなくてもいいのかもしれません。

なぜなら、子ども自身が幸せに、その子らしく生きることが親にとっての喜びなのですから。

親の期待が重い。
もうこれ以上、私に期待してこないでほしい。
そんなしんどさを持っているとしたら、そろそろ自由になってもいいのかもしれません。

親の生き方と自分の生き方。違っていていいんです。自分のために、幸せになっていいんです。

なにかに縛られない自分の生き方、一緒に見つけていきませんか?

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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