自己実現、やりたいこと

ひとりで生きていかなきゃワールドの住人になりがちなあなたへ

中村陽子/心理カウンセラー

あいかわらず、トイレットペーバーが買えない日々が続いていて。我が家はピンチを迎えています。こりゃしばらく手に入らないと覚悟した今日なのでした。

スーパーに行ったら、これまたびっくりするほどものがなく。とんがりコーンを買って帰ってきました。あ、それと梅干ね。
梅干しがあれば、白いご飯もおいしく食べられますもんね。

実は私は、自分一人で生き延びられるようにならねばならない、と長い間信じて生きてきたタイプの人間なんです。そのため、こんなふうにものが手に入らない状態になったりすると、サバイバル魂が刺激されたりします。

どんな状況下にも対応できるよう身も心も鍛え上げてきた歴史がありまして。笑
そのくらい「自分一人で生き延びなきゃ教」の信奉者だったんです。

自分を助けられるのは、自分だけ

サバイバル能力というと男性的なイメージがありますが、女性でも「どんな状況でもひとりで生き抜かなきゃ」マインドを持って生きている方、とても多いと思うんです。

だけど……
自分一人で生き抜かなきゃマインドに従って生きていると、見えなくなってしまうものも出てきます。それは何かというと……世界は思ったよりずっとやさしいということです。

自分一人で生きていかなきゃワールドに住んでいると、
「自分」対「世界」
と思ってしまうものです。

自分一人で生きていかなきゃワールドは、
自分のことは自分でしなくてはいけない
(なぜなら誰も助けてはくれないから)
が前提になっていて、ある意味、鎧を着て、ときには戦闘服を着て生きていたりする世界です。
その世界は言葉をかえると「自分以外の人を信じていませんよ」ということでもあるんです。

自分の力で生きていけるのは、もちろん悪いことじゃぜんぜんないんです。でも「自分以外の人を信じてませんよ」マインドで世界を見ると、世界のやさしさが見えなくなってしまいます。

自分以外に頼れる人なんていない世界とは
孤高の世界といえるのかもしれません……。

頼りになるのは自分だけ
行き過ぎるとキャパオーバーに

自分一人で生きていかなきゃワールドは、「自分以外に頼れるものはなにもないから、何でも自分でやり繰りしなきゃいけない」という世界です。
頼りになるのは自分だけ。
するとどんなことが起ころうとも、ぜんぶ自分でなんとか切り抜けなくてはならず、そう考え始めると……頭がパンクします。

スーパーに行くのが遅かった~、お米が買えなかった~。
というだけで、緊急事態に突入。

お米が買えないだけでも大変なのに、すべてのリスクを考え尽くして、手を打たなきゃいけないなんて……頭がパンクする~ってなっちゃうと思うんです。
自分で全部やらなきゃ発想って、そういうことなんですね。

自分一人で生きていかなきゃワールドにいると、世界にあるやさしさが見えなくなってしまいがちです。

いつも一人でサバイバルしていると、当たり前だけど、守りモードに入ります。あれこれ警戒もします。最悪の事態も想定するし、それへの備えもしなくっちゃと思います。それ、当たり前です。自分の身は自分で守らなきゃって思ってたら、そうなります。
そして、キャパオーバーにもなりますよね。

でも、もしかしたら世界はやさしいのかもしれないと思い始めることができたなら、ちょっと違ってくるかもしれません。

「ひとりでやらない」がキーワード

もし
「トイレットペーパー、なくなっちゃったんですよ……。
分けてもらってもいいですか?」
と言ったら、「いいですよー」って思ってくれる方、けっこうたくさんいると思うんです。

梅干しはあるけど、米がなくて……。
と言ったら、「よかったらお分けしますよ~」と思ってくれる方、けっこういると思うんです。

いよいよ「頼りになるのは自分だけ」の先に進む時期が、たぶんやってきています。

都市にいると、お金を媒介にして、みんなが自分のことは自分で調達しなきゃいけないって感じてしまうものだけど。「お米分けてもらえませんか」なんて、近所の人に言っちゃいけない気がしてたけど。
もし「お米分けてもらえませんか?」と言ったら、「うちもちょっと少ないけど。パスタもあるから。いいですよー」とかって、言ってもらえそうな気がしています。

ひとりでやらない、がこれからの時代のキーワード。

つぶやける人とつぶやき合えたら

誰かに、聞いてもらうといいんです。
誰かに、つぶやけるといいんです。

いまパートナーや友達がいるなら、聞いてもらってくださいね。つぶやき合える環境をつくってみてくださいね。

いま身近にいないなら、「しばらく連絡してないけど、連絡を取りたい人っていないだろうか?」と思い巡らせてみてもいいかもしれません。
そして久しぶりだけど、「元気にしてます?」と連絡してみる。
連絡が返ってくるかもしれないし、返ってこないかもしれないけど。
返ってきたらラッキーくらいの気持ちで、連絡してみるといいかもしれません。

誰もいないなら、いつでも電話してくださいね。
わたしもアラフィフおひとりさま。お話しできたらうれしいです。

誰かとつながってみることで(それがカウンセラーだったとしても)、そこから何かが広がっていくことってあるんです。

というのもね。
誰ともつながっていない。
ひとりでサバイバルしている。
その状態から一歩踏み出すことが、とにかく大きな一歩だからです。

誰かと話せた。グチ言えた。気持ちをわかってもらえた。
そんな体験をしたのをきっかけに、他の人とも関係をつくることもできるんじゃないかと思えるようになること、多いからなんです。

これまでずっとひとりで頑張ってきた人にとって
ひとりでやらない、がキーワードの時代が来ようとしています。

ひとりでやらなくていいんです。
ひとりで立ち向かわなくていいんです。
誰かとグチを言い合ったり、つぶやき合ったり、不安を聞いてもらったり、トイレットペーバーを分けてもらったり。
ただ一緒にいることだったり。

お金では代ええられない何か。
それは、もしかしたらずっと前からほんとうはほしかったものかもしれません。
それらと出会っていけますように。

一人で何でもやらなきゃ。
人に迷惑をかけてはいけない……。
そんな心やさしいあなたが弱音を吐ける場所に、なれたらいいなと思っています。
もし一人で抱えているものが大きすぎて、いっぱいいっぱいになっているなら。いちどお電話くださいね。
もしかしたら、それだけでもちょっとはラクになれるかもしれません。
あなたのお手伝いをさせていただけたら、ほんとうにうれしいです。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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