自分がどうしたいのかわからないのは、怒りを「よくないもの扱い」したらから
「やりたいことがわからない」
「自分らしくいられない」
「毎日それなりにやっているけれど、楽しいとか面白いとか感じることがあんまりない」
こんな感覚、ありませんか?
もしかすると、それは「怒り」を否定していることと関係しているかもしれません。
「怒りはよくないもの」という思い込み
「怒りはよくないもの」
「感情的なのは、よくないこと」
こんなふうに思うことって、ありますよね。
だけど、この思いがあまりに強すぎると
「怒りを抑圧」したり、「怒りなんて自分の中にはない」と否認したりすることに
つながってしまうことがあるんです。
子どもの頃に「あんなふうにはなりたくない」と
思った相手は、いませんか?
子どもの頃にこんな経験はありませんでしたか?
・親や祖父母が感情的でヒステリックだった
・好き嫌いで、人を判断してる人を見て、すごく嫌な気持ちになった
子ども心に「あれはない、ああはなりたくない」と思ったことはあるかもしれません。
この「あんなふうに、感情的になるのは最悪だ」という思いがあると、
自分の感情的な面や怒りを「否認」することにつながってしまうんです。
そして、自分の中に生じた怒りや、好き嫌いの感情を
「ないもの」として扱うようになることがあります。
そして気づかないうちに、長い間、抑圧した感情を抱えることになってしまうんですね。
感情を抑圧すると
「自分の気持ち」がわからなくなる
感情の抑圧をしていると、「自分の気持ち」がわからなくなります。
何が好きで、何が嫌いか、自分はどうしたいのかもわからなくなりやすいんです。
これが
「やりたいことがわからない」
「自分らしさがわからない」
「どこか生きづらさを感じる」状態につながっているんですね。
心には興味深い特徴があります。
感情について「これは良い感情で、これは悪い感情」
という区別は、一切ありません。
心にとっては、どんな感情も大切なあなたの一部なんですね。
だから
「嫌い」「イヤだ」という気持ちを封じ込めてしまうと
「好き」「楽しい」「うれしい」という気持ちも感じにくくなってしまうんです。
長い間を抑圧していると、「怒りがあるんじゃない?」と言われても
自分ではぜんぜんわからないという状態になることも。
これは感情がないのではなく、押し込めてわからなくなっている状態なんですね。
したくてしたわけじゃないのだけれど、そうなっちゃってるんですよね。
怒りは「感じる」ことで
リリースされていく
では、どうすればいいのでしょうか?
まず大切なのは、
「怒りは悪いものではない」
「怒りの感情はあっていいんだ」と理解することです。
感情は、本来「感じる」ことで自然にリリースされていきます。
「怒りを表現する=相手にぶつける」と思いがちですが
実はそうではありません。
「嫌だった!」
「ムカついた!」
そんな気持ちに気づいて、その感情をちゃんと感じてあげる。
それだけで、感情は流れていくものなのです。
よく誤解されがちなのは
「怒りは、相手にぶつけるしかない」と思ってしまうこと。
こう思ってしまうと、相手を傷つけたくないやさしい人は、怒りを抑圧してしまうんですね。
だけど
怒りをぶつけることと
怒りを感じていることは
別物なんですね。
誰にぶつけるでもなく、ただ怒りをリリースしていくことは可能なんです。
そう思うと、怒りがあ ってもいいと思えてきませんか?
怒りを人にぶつけると、罪悪感を抱えます。
罪悪感がある分だけ、「相手が悪いんだ」という気持ちになり、相手と距離を取ります。
だけど本当はそんなことがしたかったわけじゃないですよね。
だから、ぶつけないで済むなら、ぶつけないほうがいい。
怒りが生じる状況になったときに
「怒ってるんだな、私。ぷんぷんぷん」と2、3分も怒れば
怒りはリリースされていくんですね。
そうやって攻撃的なエネルギーをリリースしたうえで
伝えたいことを伝えると、うまく伝わりやすいんです。
「ほんとは、こうされると嫌だなと感じたんだよね」とコミュニケーションをしていく。
そうすると、伝えられた相手も「攻撃されている」と感じないため、
防衛姿勢を取る必要がなくなります。
そのため、相手は言われたことを受け取りやすく(理解しやすく)なるんですね。
怒りを解放すると
イキイキとした力強さが戻ってくる
カウンセリングでは、過去の出来事のときに抱え込んだ「怒り」を扱うシーンはとても多いんです。
ずっと昔に抱え込んだ怒り。
もうとっくに、済んだことだと思ってたけど。
だけど、ある出来事を思い返した時に、そこにまだ嫌な気持ちを感じるなら。
もしかしたら、閉じ込めた怒りがあるのかもしれません。
カウンセリングの場では、それらの怒りを扱っていくんですね。
ひとりでは「あのとき怒りを閉じ込めたんだ」とわからないものも
カウンセリングで一緒に話しているうちに、「あ、そういえば」と思い出すことってすごく多いんです。
そして一緒に、怒りを扱って癒していく。
溜め込んで閉じ込めた怒りを解放していくと・・・
「イキイキとしたエネルギー」が出てくることが多いのです。
表情が、イキイキとして、凛とした自信を携えたような、そんな雰囲気になります。
これは、生命力のエネルギーが再び流れ始めるからです。
長年溜め込んだ怒りを解放していくこと。
それは、いきいきとしたエネルギーが出てくることにつながっているんですね。
感情を感じることができるようになると、不思議なことが起こります。
「自分はどうしたいのか」
「自分は何が好きなのか」
「自分にとって大切なものは何なのか」
これらも、だんだんとわかるようになってくるのです。
ひとりひとりのプロセスがある
とはいえ、「怒りはよくないもの」と思ってきた人が
いきなり「怒りの解放」ができるかというと、そうではありません。
少しずつ、自分の感情とつながることをしていきながら
どこかのタイミングで
「子どもの頃の『あの嫌だなと思ったときの怒り』」とつながることができる。
そしてカウンセリングの場で、一緒に扱って吐き出すことができたとき
なんか、スッキリするんですね。
「中学生のとき、同級生との間で嫌なことがあって。
自分の中ではもう終わったことになってたけど。
今回、嫌な気持ちを吐き出してみて、これが怒りかとわかりました」
と、C子さんは言っていました。
「自分の気持ちや感情、何がしたいのか、どうしたいのかがわからない」
C子さんは、そんなお悩みでカウンセリングを受け始めて、
だんだんと、自分のやりたいことをやっていいんだと思えるようになって
そしてやっと「これが怒りかとわかりました」と怒りを吐き出せた。
C子さんの場合は、1年半ほどのプロセスでした。
C子さんは感覚が繊細なタイプだったため、
怒りを嫌う気持ちが強かったことも影響していたかもしれません。
ひとりひとり、その人のプロセス(辿る道)があります。
すぐ怒りに触れて解放していくタイプの人もいれば
少しずつそこに向かっていくタイプの人もいます。
だから、これを読んで「怒りを解放したほうがいいらしい」と思っても
焦らないで大丈夫です。
ただ
「感情に、いい悪いはないんだな」
「怒りの感情って、あってもいいらしい」
と思ってみるといいかもしれません。
あなたらしい本来のいきいきしたエネルギーを取り戻して
自分らしい生き方をつくっていけますように。
もしこれを読んで、「なんか気になる」と思うなら。
あなたの中にも閉じ込めたままの感情があるのかもしれません。
そしてその感情は、あなたの中で見つけてもらいたがっているのかもしれません。
いつでもお話を聞かせてくださいね。



