「子どもいらない」38歳女性がカウンセリングで見つけた本当の気持ち

子どもがほしいか、わからない。
結婚して8年。
38歳になり
「子どもをつくるなら、そろそろタイムリミット」という気持ちがある。
だけどやっぱり「子ども、いらない」気持ちが強い。
夫は「いなくてもいい」と言ってくれる。
だけど、夫に申し訳ない気持ちもあって・・・。
こんな複雑な気持ちを抱えている人は、少なくありません。
今回は、タイから飛行機で東京までカウンセリングに来られたA子さん(38歳)。
ZOOMでもカウンセリングを受けることができる中、直接会ってカウンセリングを受けたいという気持ちで来られました。
長年「子どもいらない」と思い続けていたA子さん。
飛行機に乗ってまでカウンセリングを受けに来たところ
「子どもを作ってみよう」と思うようになったといいます。
そこには、「子どもを持つかどうかの問題」の奥にある
本当の気持ちがありました。
8年間悩み続けた
「子どもいらない」問題
A子さんが結婚したのは30歳のとき。
結婚した当時、勢いで体外受精にもチャレンジしたそうです。
というのも、A子さんは若い頃に婦人科系の病気になり、卵管を摘出していました。
子どもをもつには、体外受精をする必要があったのです。
けれど、いざ体外受精をしてみると
「死んでしまいたいと思うくらい、辛い気持ちになった」。
3回チャレンジしたものの、着床せず。
31歳で完全にやめたといいます。
それから7年間は、子どもはいらないと思いながら過ごしてきました。
それでも38歳になって「子どもを持つならそろそろタイムリミット」と思い
この気持ちに、一度しっかり向き合いたいと、カウンセリングを受けたといいます。
A子さんの気持ちは、こんな感じでした。
「いまの素直な気持ちは、子どもいらない。
だけど、毒親育ちで、そのせいだとしたらもったいないし、腹がたつ。
仮に親の影響がなかったとしたら、本当に子どもをほしくないと思うんだろうかと考えてみるものの、自分ではわからなくて」
「夫は『いなくてもいい』と言ってくれているけれど。本当にいいのかなって。
でも一方で、じゃあ子どもを作ってみようかと決めようとすると、夫まで敵に思えてしまう」
こんな、からまった気持ちを抱えていたといいます。
「子どもいらない」の背景にあった
大変だった子ども時代
A子さんの子ども時代は、なかなか大変だったといいます。
両親は22歳と25歳の若さで結婚。
A子さんが10歳のときに離婚しました。
離婚の原因は、お父さんのギャンブル依存と借金。
両親は、毎週のように大喧嘩していたそうです。
さらに、離婚するかどうかの相談を
お母さんは10歳のA子さんにしてきたといいます。
「お父さんの借金と浮気があって、どうしよう」と。
お母さんはまるで少女のようで、A子さんにいつも頼っていました。
「お金ない」が口癖。
それを聞かされるのが、子ども心に怖かったといいます。
「母親を守らなきゃ」と思った
やさしい子どもの心
A子さんは子どものころ
「お母さんを、私が守ってあげなくては」と、思っている子でした。
お母さん自身が、とても傷ついた子ども時代を送った人だったから。
お母さんが子どもの頃のつらかったことを聞かされたことで
子どもは「お母さんを助けなきゃ、守らなきゃ」と思うようになることってあるんです。
「お母さんを、なんとかしてあげたい」
気づくと子どもの頃からA子さんは、「お母さんの親代わり」をしていました。
そんな気持ちで、子ども時代を過ごすほど、A子さんはやさしい子だったのです。
けれど同時にそれは、「自分は甘えられなかった気持ち」も残ります。
A子さんの中の子どものマインドが「私は、お母さんらしいことをしてもらってない」と感じてしまうのです。
自分を犠牲にしてでも
助けたい気持ち
カウンセリングで見えてきたのは、A子さんの本当の問題でした。
それは「子どもを持つこと」自体への恐怖ではなく
「自分を犠牲にしてでも、誰かを助けようとするマインド」でした。
A子さんは、親を助けたい気持ちの強い子どもでした。
そのやさしさゆえに、自分を犠牲にしてでも、親を助けようとしてしまう。
そして、親が幸せそうに見えない状態=助けられていないと感じてしまう。
だから、さらに「親を助けよう」としては、自分をしんどくさせてしまう。
そんな「助けたいマインド」の持ち主だったのです。
助けなきゃが強い子は、自分がつぶれるまで、親を助けようとします。
そして、自分が潰れそうなギリギリまで、親の問題や親の期待を背負い込み
「もう無理〜」と爆発してしまうことも少なくありません。
A子さんにはどうやら、そんな一面があったようなんです。
家族の中の「負の部分」を私が背負ってあげなくちゃ。
家族の「負の部分」を自分が背負おうとすることで、家族を助けようとするマインドです。
このマインドがあると、家族の中の大変なことうあ、負の部分を
全部自分が背負おうとしてしまうんです。
自分自身の気持ちや、自分がどうしたいかは完全に横に置いて
「家族のため」に生きようとしてしまう。
そのくらい家族を助けたい。だけどそれでも家族が幸せじゃないと、あまりのしんどさに、全てを投げ出したくなります。
そして、「もう、背負えない」と家族から遠く距離を取ることも少なくありません。
そのとき「こんなつらい思いしなきゃいけなくなったのは、親のせいだ」と感じるものなのですが、実はその背景には「助けたいマインド」が隠れていることが多いんです。
そして、この助けたいマインドが強すぎると、自分自身を生きることができなくなってしまうんです。
自分の人生を横に置いて、自分のことは全部後回し。
そんな生き方になっていることは、少なくないんです。
「子どもが生まれたら、何もかも子ども優先にして
また自分を殺さないといけない」
自分を犠牲にして、誰かのために頑張るパターンを持つA子さんにとっては
「子どもを持つ=さらに自分を犠牲にすること」に思えたのです。
私たちは、知らず知らずのうちに「自分を後回しにする生き方」をしていることがあります。
カウンセリングのセッションでは、このマインドを癒していきました。
A子さんは、お母さんを守るために、自分の気持ちを押し殺して生きてきた。
常に自分の気持ちや欲求を無理に押さえ込む癖があったんです。
問題の下にある
本来の才能とは
もうひとつ、大切なポイントがありました。
それは、A子さんが持って生まれた才能についてです。
A子さんは「豊かな母性」の持ち主だったのです。
豊かな母性を持って生まれてきたからこそ
子どものころ「お母さんをなんとかしてあげたい」と思った。
同時に、お母さんが子どもっぽい人だったから、自分の母性が育ったところもあったかもしれません。
人は、自分が当たり前にできることは、他の人もできるはずだと思いやすいものです。
自分が豊かな母性を持っている分だけ、「お母さんは、母親らしいことをしてくれなかった」と感じる。
「自分が親だったら、こんなふうに接するはずなのに」と思うものなんです。
子ども時代に、親の親代わりをしてくると
「自分は、母性をもらえなかった。自分は甘えることができなかった」
という自分の中の子どものマインドからの声が聞こえてきます。
この満たされていなかったマインドの声をわかってあげることも大事ですが、
一番の本質は、満たされなかったことにあるのではありません。
持って生まれた自分の才能・本質を使うことができていないこと。
A子さんのケースなら、「子どもいらない」というマインドが強いあまりに、豊かな母性を使うことができていなかったこと。
ここに、問題の大事なポイントがあるのです。
こんなにも「子どもいらない」という気持ちがあるのに、それでも悩んだのはなぜか。
それは、「本当は使いたいのに、使えていない何かが自分の中にある」と感じるから。
A子さんの場合は、それが「豊かな母性」だったのです。
カウンセリングで自分の心が理解できたら
親への怒りが、消えた
カウンセリングで、自分の心の内側にどんな想いがあったのかが腑に落ちた。
すると、A子さんに変化が起こったといいます。
38年間抱えてきた親への怒りが、完全に消えたといいます。
「親への怒りや攻撃の気持ちが生じるのは、自分が相手の問題を背負おうとするから。親を助けたいやさしい気持ちの子だったから」
という心の仕組みを理解したとたん、親への怒りが消えたといいます。
さらに、大きな気づきがありました。
「ありのままの私はやさしくてパワフル、そして楽しいこと、面白いこと、心地いいことが大好き」
「自分の本来のやさしさと同時に、自分自身の心地よさも大事にしていいんだ」
「自分のことも守っていいんだ」
こんな気づきがあったといいます。
自分では見えなかった自分の本質に気づいたことで
何も怖くなくなったそうなんです。
子育てのイメージが180度変わった
カウンセリングのあと、子育てに対するイメージも変わったといいます。
なんと、180度変わったそうなんです。
カウンセリング前
- 「子育て=最低20年間の奴隷・地獄の日々」
- 「自分はいつも親に気を遣ってきた。もし、子どもらしくふるまっている自分の子どもをみたら、つらい気持ちになるんじゃないか」
- 「親に与えてもらえなかったのに、さらにこれ以上がんばって、子どもに与える意味がわからない」
それが、次のように変わったと言います。
38年抱えてきたつらかった気持ちがなくなり
不妊治療の開始も決意
カウンセリングを受けたあと、A子さんは不妊治療を始めることを決めたといいます。
【A子さんの感想】
先生にお話を聞いていただいて解決したのは、「子どもの頃のつらかった気持ち」です。
「親への怒りや攻撃がわくのは、自分がやさしくて、相手の問題を背負おうとするから」という衝撃の仕組みを教えていただき、あの後2、3日はぼーっと過ごしました。
38年も抱えてきたことが嘘のように、つらかった気持ちや親への怒りが消えてびっくりしました。
でもそれでも、積極的に「子どもが欲しい」とは思えませんでした。
「つらかったことが解決したのはよかったし前に進めそうな気もするけど、
まだ手放しでほしいと思えないな…」という感じでした。
さらにいろいろ考えてみたところ
先生に教えていただいた「本来の自分を抑えるとつらくなる」ということを思い出して、「ありのままの私はやさしくてパワフル、そして楽しいこと、面白いこと、心地いいことが大好き。なのに、その心地よさが好きなことを、自分自身が無視しているのでは」と気づいたんです。
カウンセリングを受けるまで、自分がやさしい自覚はありませんでした。
でも、無意識のやさしさゆえに他人の期待に応えようとしすぎるあまり、
常に自分の気持ちや欲求を無理に押さえ込む癖があったのだと思います。
「子育てや仕事という外部の要素が怖い」のではなく
「すぐ他人を優先して自分を押さえつける自分が怖かったんだ」と気づきました。
その瞬間、何も怖くなくなったんです。
今までの私は
「子どもが生まれたら何もかも子ども優先で、自分がなくなってしまう。自分を殺さないといけない」
「仕事はどこまでもプロフェッショナルに、成果優先で」と思い込んでいました。
その姿勢(子育てや仕事を始めたら、また自分を押し殺して鬼がんばりモードに突入してしまうこと)を、無意識的に怯えていたんですね。
自分の本来のやさしさと同時に自分自身の心地よさも大事にしていいんだ
自分のことも守っていいんだと気づいたら
今まで何となく「生きるのがつらい」「仕事が怖い」と常にうっすら思っていたことも、嘘みたいになくなりました。
そして子どもを持つことについても、こんなふうに心持ちが変わりました。
これまでは
「自分はいつも親に気を遣ってきたのに、ありのまま子どもらしくふるまっている自分の子どもをみたら、つらくなりそう」
「親に与えてもらえなかったし、すごくつらかったのに、さらにこれ以上がんばって子どもに与える意味がわからない」と思っていました。
でも
「愛ややさしさは自分の中に無限にある」
「自分の心地よさも大事にしていい」と気づいたことで
「子育ては大変だろうけど死ぬわけじゃない。夫と支え合って乗り越えていけそう」
「自分が与えてもらえなかったとしても全然大丈夫。今は幸せだし、無限にパワーはわいてくる。かわいい子どもと幸せな日々を送ってみたい」
と思うようになりました。
「子育て=最低20年間の奴隷・地獄の日々」というひどいイメージから、「大変だけど、楽しいことや幸せなこともいっぱいあるかけがえのない日々が始まる」というイメージに変わったんです。
このところ、人生史上一番心地いいメンタルが続いています。
気持ちの仕組みを論理的に説明していただいたことで、納得・氷解・解決しました。
本当にありがとうございました。
「人生史上一番いいメンタル」と言えるのは
長い間、家族の中にあった重たいものを背負ってきたことを物語っています。
下ろせて、本当によかった。
子どもを持つかどうかの悩みの中に
生き方の悩みもある
「子どもを持つかどうか」の悩みを紐解いていくと
実は、自分の生きづらさの根っこや問題のパターンが見えてきます。
A子さんは
自分を押し殺して生きる癖。
他人を優先しすぎて、自分の気持ちを無視してしまう癖。
完璧な親にならなくてはというプレッシャー。
「子どもいらない気持ち」と向き合うことで、
子どもを持つことのイメージが変わっただけでなく、生き方そのものも楽になったのです。
これまでのしんどかった生き方のパターンに気づき、それを手放すことができたのです。
「子どもがほしいかどうか、わからない」
そんなふうに悩んでいるとしたら、もしかしたらA子さんと同じように、心の奥に眠っている何かがあるのかもしれません。
それは長年抱えてきた親への複雑な気持ちかもしれないし、自分の中の思い込みが関係しているのかもしれません。
でも、その奥にある本当の気持ちとつながったとき
きっと答えが見えてくるはずです。
あなたの本当の気持ちを
一緒に見つけてみませんか?
もし、あなたも「子どもがほしいかどうか、わからない」と悩んでいるとしたら。
一度、その気持ちの奥にあるものを探ってみませんか?
こんなことを感じたことはありませんか?
- 「母親になる自信がない」と感じる
- 自分の子ども時代がつらかったから、子どもを持つのをためらってしまう
- 夫に申し訳ない気持ちがあるけれど、どうしても前向きになれない
- 子どもを持つことが怖いけれど、なぜ怖いのかよくわからない
- 結論が出ないまま時間だけが過ぎて、焦ってしまう
A子さんも、まさにこんな気持ちを抱えていました。
カウンセリングで心の奥にある本当の気持ちとつながったとき、いろんなことが腑に落ちて、自分の進むべき方向がわかったといいます。
カウンセリングは、こんなふうに進みます
- あなたの気持ちをお話いただいます
「こう思うべき」「こうしなければ」と押し付けることは、ありません。
話してみて、やっぱり子どもほしくないと思うかもしれないし、子どもほしいと思うかもしれません。
あなたの心の奥にある本当の気持ちにつながれるように、サポートします。 - 心の奥にどんな気持ちがあるのかを、見つけていきます
話をしていくことで、気づくこともあると思います。
また、心理分析をしていきながら「いまの悩みは何が原因で生じているのか。なぜそう感じるのか。その背景にどんな心理があるのか」などを紐解いていきます。
「心の奥に、こんな心理があるかもしれない」とわかることで、長年の悩みが「なるほど!」と腑に落ちることもよくあります。 - 本当はどうしたいのかを見つけていきます
悩んでいることの中に、A子さんのように「本当はこうしたかったんだ」という気持ちがあるかもしれません。
負の感情で蓋をされて見えなくなっているけれど。
負の感情を癒していくことで、「本当はこうしたかったんだ」が見えてくることは多いんです。
そして自分の心の奥の気持ちにつながったとき、本当に望む生き方が見えくるかもしれません。
一人で悩んでいるなら、話してみませんか?
「子どもを持つかどうか」の悩みは、実は生き方そのものの悩みでもあります。
この問題と向き合うことで、子どもを持つことへの答えが見つかるだけでなく、日頃のもやもやとした悩みがほどけていき、生き方全体がもっと楽になる可能性もあるんです。
1回のカウンセリングで、すべてが変わるわけではないけれど、一度話してみることで、「なぜこれまで、自分の生き方がうまくいかなかったのかがわかった」と感じることはとても多いんです。
そして、カウンセリングを続けるなかで
「自分って、思っていたより、ずっといいものだったんだ」と自分の価値に気づけたり、「こんなふうに自分を閉じ込めなくていいんだ」と本来の自分らしさがわかったり、「本当はこうしたかったんだ」と心の望みに気づけたりしていきます。
そうやって「うまくいかないパターン」を癒して、新しい生き方、本来の自分らしい生き方が開いてくことはとても多いんです。
- どんな些細なことでも大丈夫です
- うまくまとまっていなくても、ぜんぜん大丈夫です
- 「こんなこと相談していいのかな?」と思うような内容でも大丈夫です
一人で抱え込んでいると、同じところをぐるぐると回ってしまいがち。
あなたの本当の気持ちを、一緒に見つけていきませんか?
今回のA子さんのお話に何か感じるものがあったならーー
いつでもお手伝いします。
お話聞かせてくださいね。