「これがやりたい」と熱くなれるものがない。不完全燃焼感を抱える理由

中村陽子/心理カウンセラー

不完全燃焼感は
エネルギーをたくさん持っている証拠

「これが自分がやるべきこと」と言えるものがない。
自分の力や能力を発揮できているかというと、どこか不完全燃焼。
それなりに、仕事をしてきた。自分なりに時間を使ってやってきた。

だけどーー。
自分がやっているからこそ、生み出しているという感覚はない。

やりがい、生きがい、熱中する、時が経つのを忘れるーー。
そんな感覚は、ない。
だけど、味わってみたいとも思う。

こんな感覚を抱いていたりしないでしょうか。
もしあるのなら
「本当は外に出したいエネルギー」が自分の内側に眠ったままになっている。

「本当はもっとエネルギー出せるのに」
「熱くなれるはずなのに」
という自分が、内側にいるということかもしれません。

よくわからない不完全燃焼感を抱えているとき
「不完全燃焼な自分」「出し切れていない自分」を
「これが自分だ」と感じて
「自分はなんて中途半端なんだろう」と感じてしまうものだけど。

できていないほうを見て
「自分は中途半端だ」
「ぜんぜんダメだな」
と思ってしまうこともあるかもしれなけれど。

そうじゃ、ないんです。

不完全燃焼と感じるのは、エネルギーがある証拠です。
エネルギーがあるのに、それを 使えていないだけ。

つまり、エネルギーがある ってことなんです。

不完全燃焼だ、熱中するものがない、やりがいを感じられない。
そう感じるのと同じ分量だけ
エネルギーが眠ってるんです。あなたの中に。

そして「ほんとはもっと使いたいのに。エネルギー注ぎたいのに」との想いがある。あなたの中に。


人は自分のエネルギー
自分の内側にある想い
自分の成し遂げたいことを
カタチにしたい生き物、なんだと思うんです。

自分を役に立てたい。
何かのために、誰かのために、世界のために
自分を役立てたい。

そんな想いを持つ生き物のようなんです。

自分はダメだな、と感じるわけ

そして、
「ほんとはもっと自分を役立てたい」という想いを秘めていれば、秘めているほど「できていない自分」を「だめだな〜」と感じてしまう。

大事なポイントなので、もう一度言います。

もっと自分を役立てたい、もっと自分のエネルギーを使いたい。
そんな想いが大きければ大きいほど
「できていない自分」を、ダメだなと感じてしまう。

伝わってます?
いま、自分のことを「ダメだな」と感じているのは
もっと自分のエネルギーを使いたいから。

持ってるエネルギーを使えてないってだけ
「ダメじゃん、自分」と思っちゃう。

使えてない、だけ。

つまり。
いま、自分のことを「ダメだな、こんなんじゃ」と感じているとしたら・・・。

心の奥に
「もっと、自分を活かしたい」というエネルギーの源がたっぷりある
ってことなんです。
そして、使いたい ってことなんです。

伝わってます?(←くどくて、すみません)

そのくらい
不完全燃焼感を抱えている人は
エネルギーをたっぷり持ってる、ってことなんです。
そして、使いたいってことなんです。

どうせ見るなら、こっち側を見る。

「できてないほう」じゃなくて。
有り余っちゃってるほう。
たっぷり持ってるほう。
こっちを、見る。

で。
エネルギーを出せてないのには、理由があったりするんです。
しかも、自分にはよくわからない理由。

つまり。
何が言いたいのかというと。

エネルギーが出せてない自分はダメだ、って思ってるとしたら
出せてないのには、理由があるんだよ。

出したい出したいと思っても、出せてないのには理由があるんだよ。
しかも、自分ではわからないんだよ。
努力できてない、ってわけじゃないんだよ。
だから、ダメだ〜って思わないで〜。

と、自分の中の「ダメだ君」「ダメだちゃん」に伝えてあげてほしいんですね。
(伝わったらいいな)

自分のパワーは
誰かを傷つけてしまうんじゃないか

エネルギーを出せないのには、いろんな理由があるんです。
ほんとに、たくさんの理由がある。
人それぞれ、個別具体的に、違う理由があるんです。
まず、それを知っておいてくださいね。

そして今回は、そのうちのひとつ。
「自分のパワーは、誰かを傷つけてしまうんじゃないか」という感覚について。

男性によく見られるテーマなんですが。
しかも、心やさしい人ほど、ここにハマっていたりします。

たとえば。
なかなか自己主張ができないA男さん。
仕事で「このプロジェクトはもっとこうしたほうがいい」と思って提案するものの、会議で違う方向に話が進んでしまうと、「わかってもらえないないなら、いいや」と、傍観する側に回ってしまう。

どうせ、言っても無駄だしな。
わかってもらえないしな。

そして、思う。
この会社、ダメだなって。

もちろん、会社ってところは、いろいろ面倒くさいし、考え方の古い上司もいるし、話が通じないと感じることも多かったりするものです。

だけど。
「こっちのプロジェクトのほうがいい。こうしたほうが、のちのちこの会社のためになる」と思うなら、もっと押してもいいかもしれない。

「そうかもしれませんが。現場的には、こっちのプランのほうが3年後、5年後を見据えると、絶対いいんです!」
みたいな。

結局、伝わるのは熱量。
熱量高く訴えれば、意外と聞く耳を持ってくれたりもするものです。
一度言ってダメなら、二度、三度・・・。
根回しも、しておこうかetc…

そこまでやったら、通る確率は高まっていきますよね。
これを読んでるみなさんは、「そんなのわかってる、知ってる」ですよね。

でも、そこまで自分を通そうとする手前で
「どうせ言っても無駄だから」と思ってしまう。

そして、こう思うかもしれない。
やっぱ、この仕事には打ち込めないんだよな。

もちろん、そもそも自分に合わないことをしているケースもあるかもしれません。
ぜんぜん、興味ないし。めっちゃ苦手だし。だからエネルギーが出ない。
そんなケース。それは、エネルギー湧かないの、当たり前ですよね。

だけど、もう一つ考えられるのは
「自分を通そうとする」ことに、どこか腰が引けてしまうところがある
かもしれない、ってことなんです。

もし、自分を通そうとすることをよくないものだと感じているとしたら
なぜだろうーー。

いったん、場面が変わります。

A男さんと話していたとき
「自分はこう思う」を彼女に向かって言えない話になったんです。

「自分はこう思う」を言えないから、相手の言い分を聞いてばかりで、だんだんつらくなってきた。

そんな話になったんです。

で、聞いたんです。
もし、自分を出すことを、俺はこう思うを出すことを抑えなきゃと思ってるとしたら。どうして?

そしたら、こんな答えが返ってきたんです。
「自分のエネルギーを出すと、相手を傷つけてしまいそうだから」

こんな気持ちを深層心理に持っている人、多いんです。
自分の意見を押し通せないと感じている人の中に
この心理を持っている人は、少なくないかもしれません。

また、なぜかなかなか彼女ができなくて。
周りから「すごくやさしくて。彼女を大事にしそうなのに。どうしてだろうね」といわれているなら
もしかしたら、この心理を潜在的に秘めているかもしれません。

自分が本気でエネルギーを出すと、相手を傷つけてしまうかもしれない。
この心理があると、彼女に対してだけでなく、仕事の場面でも、自分を抑えるケースがあるんです。

自分のエネルギーを出すことを、無意識的に抑えてしまう。
そして、こんなふうになることがあるんです。

自分の本気エネルギーは、人を傷つける
  ↓
本気の「自分はこう思う」を出せない
  ↓
一応意見を言うけど、エネルギーは載せない
  ↓
何も伝わらない
  ↓
どうせわかってくれない
言うだけ無駄だと感じる
  ↓
言っても通じない相手や会社にうんざりする
心のシャッターを閉じて、言われたことだけやる
  ↓
やらされ感の日々を過ごす
(会社辞めたいな、彼女と別れたいな)
  ↓
不完全燃焼感を抱えながら
俺ってダメだなと思う

こんなサイクル、心の中で回っていたことありませんか?

自分のエネルギーを抑えるようになった理由

自分のエネルギーを抑える癖があるのには、人それぞれ理由があって。

たとえば一例をいうと
父親がいつも怒ったり、キレたりする人だったりすると

男性的なエネルギー=暴力的なエネルギー

に感じてしまい、無意識的にそれを封印することもあります。

また、思春期に自分の性的なエネルギーに出合った頃に
性的なエネルギー=よくないもの
と思ってしまったことで
自分の内側から沸き起こるエネルギーをよくないものと感じて
無意識的に抑え込むパターンを持つこともあります。

ほかにも
中高生の頃、親の浮気をうっかり目撃してしまった
など
親を批判的に思った分だけ、自分の性的なエネルギーも批判的に感じてしまう(無意識ですが)ことがあります。

こんなふうに、自分ではよくわからない原因で
自分のエネルギーを出してはいけない
抑えなくてはいけないというパターンを持った結果
自分のエネルギーを出すこと、表現することができなくて
不完全燃焼感を抱えていることがあるんです。

今回は、A男さんを例に話しましたが。
女性でも同じように、自分のエネルギーを知らず知らずのうちに抑えていて
「なんかよくわからないけど、生きづらい」
という感覚を持っていることは少なくないんですね。

ほんとは自分のエネルギーをもっと使ってみたい

だけど、不完全燃焼感があるということは。
完全燃焼したい ってことなんです。

ほんとは
もっと自分のエネルギーを使いたい、役立てたい
もっと自分を生かして、生み出してみたい

そんな想いがあるということ。

そして、この想い(表に出せないエネルギー)が大きければ大きいほど
このままでいいんだろうか。
このまま、この仕事をしてるのは違うんじゃないだろうか。
と感じるんです。

だとしたらーー。
本来の自分のエネルギーをちゃんと使えるようにすること。

それを、心の奥で望んでいるってことなのかもしれません。

だって、何もやらずに終わってしまったら。
もっといろいろできるはずと心のどこかでわかっていたのに
それをやらずに、時間ばかりがすぎてしまったとしたら。

めちゃ、後悔する。
こんなはずじゃ、なかったのに って。

だけどね、後悔するのはね。
本当はもっと自分を活かしたいし、活かせるはずだと
心のどこかで、自分が知っているから
なんです。

もっと自分を活かせるはずと
自分自身が知っている、わかっている。

(「わかってる」が表にまだ出てきていなくても)

だから、活躍してる人たちを見ると、心がざわつくんです。
不完全燃焼感も感じるんです。

心の奥で知ってた分だけ
「こんなはずじゃなかったのに」と思うんです。

人生を振り返ってみたときに
やった後悔より、やらなかった後悔のほうが大きい
といいます。

そのくらい
自分の力、エネルギーを使いたい、生かしたい生き物なのだと思うんです。
人って。

もしこれを読んで、心に響くものがあったのだとしたら。
あなた自身を活かしていくタイミング、かもしれません。

ほんとはもっと自分を活かしたいという気持ちに
従ってみるタイミングかもしれません。

もし、心に響く何かがあったとしたら。
いつでも、お手伝いします。

あなたがあなたらしさを生きられるように
あなたがあなたらしいエネルギーを活かすことができるように。
どうぞ一度、お話聞かせてくださいね。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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