なぜこんなことが起きるんだろう~プロセスを信頼するという考え方~

中村陽子/心理カウンセラー

プロセスという考え方

毎日過ごしている中で
「なんでこんなことが起こるんだ!」と思う出来事が起こったとき
どう感じるでしょうか。

特に、カウンセリングを受けたり、心のことを学んだりして
自分なりに向き合って、心を癒してきたと感じている場合
「なんで、またこんなことが起こるんだ!」と思うかもしれません。

「心と向き合ったところで、ダメじゃないか」って。

私は心のことを学んで9年になりますが
やっとしっくり思えるようになってきたことがあるんです。

それは
「プロセス」という考え方です。

9年前にカウンセラー養成コースに入って
自分の心と向き合い始めたころ
やっぱり同じように思っていました。

これだけ心を癒したんだから、よくなってるだろうって。

たしかに。
心を癒した分だけ、ものの見方や捉え方は変わるし
たくさん涙を流した分だけ
ネガティブな重たい感情も昇華されて軽くなりました。

それでも
うまくいかない!こともありました。

当時は

「心と向き合って癒せば
もう問題は起こらなくなるはずだ」

と思っていたところが、あるんですね。

だけど、ちょっと違いました。
何が違ったかというと。
「プロセス」がどういう意味か、
当時はいまいち理解できていなかったんですね。

問題とは、癒されていないマインドに
気づかせてくれるギフト

カウンセリングを受けようと思うのは
恋愛や婚活や仕事で「なんでこんなにうまくいかないんだろう」と
「うまくいかないこと」が、きっかけだったりしますよね。

自分であれこれやってみたけど
どうにもうまくいかなくて
Googleでググって、カウンセリングに辿り着いたりするわけです。

そして
「うまくいかないお悩み」のために
カウンセリングを受けながら
なぜか、子どもの頃の親との話をしたり
昔の失恋の話をしたりしますよね。

なぜかというと。
「問題が起きるのは、癒されていないマインドがあるから」
と捉えるからなんです。

過去の出来事で抱いた思い込みや未完了の心の痛み
抱え込んだ罪悪感、無価値観
親や先祖から伝わる問題のパターンなどによる
ものごとの捉え方、感じ方、ものの見方によって
「うまくいかない」と感じることが起きている。

そのため、カウンセリングでは過去に遡って
ご両親はどんな人でしたか?
大失恋したことはありますか?
小中学生のころはどんな子どもでしたか?

などを見ていくんですね。

そして
過去にしんどい出来事があったり
自分を押さえ込んでしまったり
未完了の感情があったりするところを

話したり、心理セラピーをしたりしながら、癒していくわけです。

そして
感情を解放したり、理解が進んだり、解釈しなおしたりすることで
心が軽くなったり、ものの見方、感じ方が変わったりしていき
それが目の前の出来事にも反映されて
以前より、うまくいくようになります。

(以前と比べたら、ラクになったり、周りをちょっと信頼できたりしてることに気づきませんか? つまり、うまくいっているわけです)

ひとつ癒したはずなのに、なぜ?

それでも、うまくいかないこともでてきます。

たとえば
「誰かと一緒に生きていきたい。パートナーがほしい」と思い
自分の心と向き合って
「昔の失恋の痛み」を癒したとしますよね。

すると婚活で、いいなと思う相手に出会えた。

だけど、3回目のデートで
相手の粗ばかりが見えてきて
「やっぱりこの人じゃないのかも」と思い始めた。

あれ? 昔の失恋の痛みを癒したはずなのに、なんで?

これは
相手と距離がだんだん縮まってきたときに
「昔の失恋の痛み」とは、また別の「癒すといいマインド」が出てきたから
といえます。

たまねぎみたいに
むくと、また次のものが出てくるイメージ。

それは
心と心を通わせるパートナーシップへ向かうために
癒すべきマインドが浮かび上がってきているわけです。

起きている出来事は、ニュートラル

目の前に起こった出来事に
私たちは自分のマインドを映し出して、捉えています。

目の前に起こった出来事は、ニュートラルな出来事。

そこに自分のマインドを映し出して
Aと感じたり、Bと感じたりしています。

起きた出来事をどう捉えて、どう感じるかは
自分のマインド次第、なんです。

ふつうに生活しているとき
「目の前の出来事に自分のマインドを映し出している」
なんてことは、わざわざ考えないわけです。
はい。

だから
うまくいかない出来事が起こった時
それを通して
自分の中に癒すべきマインドがあると気付く、というわけなんです。

せっかくうまくいくと思ったのに
なんでまた、こんなことが起こるんだろう
と思ったときこそ
心を癒すタイミングだったりするんですね。

問題が起きているのは何のためだろう?

やっとお付き合いできて、この人を大事にしようと思って
一緒にいる幸せを感じていたのに
あるとき突然、「やっぱり離れたい気持ちが出てくる」ことだってあります。

そんなときは
「相手の◯◯なところを嫌と感じた」と思うものですが

「嫌だと感じ始めたのは、なぜなんだろう」
「離れたい気持ちが出てきたのは、どうしてなんだろう」
と、自分の心の内側を見ていくこともできます。

その結果
愛情を受け取るわけにはいかない気持ちがあるのがわかったとか
自分が相手を傷つけてしまうんじゃないかとのマインドがあるのがわかったとか
「離れようとしていたわけ」が見えてくることもあります。
自分の心の内側に。

心と心を通わせるパートナーシップを築きたい。
そう思ったから。

そこに至るために「癒すといいマインド」が
わざわざ浮かび上がってきた

といえるわけです。

ここ、大事!

そこに至るために、癒すべきマインドがわざわざ浮かび上がってきた。
それが「問題」という形で現れてきた。

この視点を持っているかどうかで
目の前のものごとの捉え方が、変わるんです。

いま、うまくいく途中 プロセスを信頼する

うまくいかないとき。
目の前のことだけを見て、「うまくいかない」と感じるものだけど。

ちょっと長い目で見てみると
「うまくいく途中」かもしれないんです。

いま、うまくいかないと思っていること。
それ自体が、プロセスの一部。
うまくいく流れの「途中の地点」なのかもしれない。

そう思うと、ちょっと見方を変えることができます。

目の前だけを見ていると「うまくいかない」が拡大されてしまうけれど。
プロセスの一部、流れの一部なんだ思うことで
「じゃあ、どうすればいい?」と発想する余裕が生まれます。

問題が起きていること自体が
自分の心の成長や癒しのために必要なステップなのだとしたら。

人生で起こるすべての問題は、私たちの心の癒しや成長のために必要なステップ。
いま直面している問題も、心の癒しや成長のプロセスの一部。

だとしたら

いまこれが起きているのは、何のためなんだろう?
ここから、何を学ぶ必要があるんだろう?

そう思うことで、展開が変わってくるんですね。

もう別れる!と思ったけど、相手とより近づくためにいまの出来事が起きているのかもしれない。

失恋して「やっぱり自分は恋愛できないんだ」という気持ちになっていたけど、
ここで何かを学ぶことで、次はうまくいくのかもしれない。

そんなものの見方です。

目の前で起きていることだけを切り取って、見るのではなく
どこかに向かうプロセス全体の流れとして捉えてみる。
それがプロセスという考え方。

いまは、うまいく途中らしい。
うまくいかないと感じたとしても
大きな流れの中では、うまくいく途中らしい。

それが、プロセスを信頼するという考え方です。

もちろん、問題の渦中にいるときにはなかなかそう思えないのが当たり前。

そんなときこそ
カウンセリングを利用したり、誰かに話を聞いてもらったりしながら

「いまこれが起きているのは、何のためなんだろう?」
「ここから何を学ぶといいんだろう?」

と自分の心とつながる機会をもってみてください。

よかったら、いつでもお話し聞かせてくださいね。

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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