家を継ぐのは私? 跡取り娘マインドが恋愛・結婚を遠ざける心理
いいなと思っても、相手に好意を持たれたり、うまくいきそうな雰囲気になるとシャッターが閉じてしまうんです。
こんなお話を聞くことがよくあります。
好きになる人とはうまくいきません。
長い間、片思いが続いています。
男性とお付き合いをしたことがありません。
こんなお話も聞くことがよくあります。
恋愛したい気持ちがあるのに
パートナーがほしい気持ちがあるのに
なぜか、うまくいかないのだとしたら。
それには、理由があるのかもしれません。
だけど、その理由は
お付き合いしたことがないのは、自分に魅力がないからでは?
好きになってもらう魅力が、自分にないのでは?
みんなができていることが、自分だけできていないのは
自分がおかしいからなのでは?
では、ありません。
自分に魅力がない、のではなく
心の内側、マインドの理由です。
心の内側に
パートナーを持つわけには、いかない理由。
そして、女性として幸せになるわけにはいかない理由。
があるゆえに
なぜかパートナーができない状況が続いている。
そういうことって、多いんです。
パートナーを持つわけにはいかない理由には、いろんな理由があるのですが。
今回は「家を継がなくては…がパートナーを遠ざける心理」です。
私が家を継がなきゃいけないのかな
婚活がなぜかうまくいかない。
好意を持たれると、嫌になってしまう。
なぜかお付き合いできない相手ばかりを好きになる。
そんなお話をよく伺っています。
カウンセリングの場面で
うまくいかないのは
「心の内側に、うまくいくわけにはいかない理由」があるのでは
と聞いていく中で
「家を継がなくては問題」が出てくることがあります。
「家を継がなくては」といっても
実際に継いでいるかどうか、ではないんです。
結果として、実家にいる人も少なくないのですが
実家から離れて住んでいても
「後を継がなくては問題」が心に大きな影響を与えているんですね。
子どものころに
「私が家を継がなくてはいけないんじゃないか」
「私が家を継ぐことを期待されているようだ」
と思った跡取り娘マインドが
大人になったいまも、影響を与えているようなのです。
「家を継ぐのはあなたよ」と言われた
後継ぎ問題に悩む長女は、子どものころからこんなことがあるようです。
自分が第一子として生まれた。
(のちに、妹も生まれた)
親戚や祖父母から「あなたが家を継ぐんだから」と言われた。
高校卒業後は、実家から離れたところに行った。
できるだけ、実家から離れたいと思った。
だけど、都市部に出るとき「親に悪いな」という気持ちもどこかあった。
そして、自分で仕事をするようになってから
あれだけ実家から離れたいと思っていたのに
なぜかいま、実家の近くで暮らしている。
仕事では
頼れる人、任せられる人と思われている。
自分ひとりで生きていく力はあると思う。
自分でも、仕事のときは男っぽいなと思う。
だけど心の中には
女の子の私がいるのも、知っている…。
このことが
なぜパートナーができないことに関係しているのかというと。
背景に、こんな心理があるようなんです。
家を継ぐ=自由がない、幸せじゃない
跡取り娘なんて、したくない
子どものころ、親からは何も言われていなかったとしても
「あなたが家を継ぐんだからね」という視線で周りの親戚から見られることで
「そうしなきゃ、いけないんだ」と子どもは思ってしまうものです。
家を継ぐってことは、お婿さんをとらなきゃいけないのか。
子どもごころに、そう思うこともあります。
だけど、こんなふうにも思うんです。
「なんか、自由がないな」って。
それは
家を継いで大変そうだった
お父さんやお母さんの姿を見ているからかも、しれません。
親戚があれこれ言ってきて、大変そうだった。
勝手なことを言ってくるのをいちいち気にして、対応しなくちゃいけなくて。
どうしてうちが、こんなことをしなきゃいけないんだろうと思った。
お父さんも本当は家に縛られずに、生きていきたい気持ちがあったんじゃないか。
本当は東京に出て、やってみたいことあったんじゃないか。
家業を継いだり、家を守ることじゃなくて、自分のやってみたいことがあったんじゃないか。
子どもごころに、そう感じることもあったかもしれません。
家を継いだお母さんと婿養子に入ったお父さん。
お母さん方の祖父母とお父さんの仲が悪くて「婿養子をとる結婚は幸せになれない」と感じたことがあるかもしれません。
人生を自由に生きること=裏切ること!?
子どもごころに
「家を継ぐのは大変、不自由だ」と感じた。
自分はやりたくないと思った。
だけど
「ほんとは家を継がなきゃいけないのに」という気持ちもある。
「家を継ぐと自由がなくなる」と子どもごころに感じていたとしたら。
もともと「自由であること」「自由に挑戦していくこと」が自分にとって大切なタイプなのかもしれません。
「親戚との付き合いはいざこざが多くて面倒くさい」と感じているとしたら。
おだやかに平和に暮らすことを大切にしたいタイプなのかもしれません。
「自分にとって大切なこと」を大事にしながら生きたいと思う。
だから、家を継がない形で、自分の生き方をつくっていきたい。
そう思う反面
「だけど、ほんとは家を継がなきゃいけないんじゃないか」
という気持ちもある。
こうなると
自分の人生を自分のやりたいように生きること=裏切ること
のような感覚を持つんです。
家を継がずに、自由に自分の生き方をつくりたい。
だけど、ほんとは家を継がなきゃいけないんじゃないかーー。
相反する気持ちを心に抱えているために
自由に生きたい気持ちと
裏切りなんじゃないかという気持ちの間で
身動きの取れないまま、になってしまうこともあるんです。
男の子のほうが、よかったんじゃないか
「家を継ぐ」という考え方のある家に生まれたとき
そこに生まれた女の子は、こう感じることがあります。
もしかして、男の子が生まれることを望まれていたんじゃないか。
「お父さんは男の子をほしがっていたと、お母さんから聞いた」
「私が生まれたときに、お祖父さんが『なんだ、女の子か』と言ったらしい」
「あなたが男の子として生まれてきたらよかったのにねと、親戚から言われた」
相手は、深い意味なく言った言葉かもしれません。
それでも子どもごころに思ってしまうことがあるんです。
「私は、男の子として生まれたほうがよかったんじゃないか。
女の子じゃないほうが、よかったんじゃないか」
「女の子の私は、望まれていないんだ」
そんな気持ちを持つことも、あるんです。
これがのちのち、響いてしまうことがあります。
女の私を生きられない問題。
「男の子であること」を望まれている気がして
男の子っぽい自分を作ったり。
「女の子の自分」を望まれていない気がして
だんだんと女子になりはじめる思春期くらいから
「女子の自分」をなかなか表現できなかったり。
女子なんだけど「男子になんて負けない」という
男まさりで勝気な自分になったり。
男の子を望まれていたのかな、と思った分だけ
長女だけど、長男のような生き方になる。
しっかりしていて、仕事もできて、頑張り屋さんで…と
成長する過程で、男性性をどんどん発達させていきます。
「並の男より、できる私」が当たり前のようになる。
そうやって、男性性はどんどん発達させるものの
女性の部分は「小さな女の子のまま」で成長が止まっていることもあるんです。
だって「女の子をやる機会」があんまりなかったから。
社会人として30歳、35歳、40歳という年齢なりの大人にはなっているけれど
女としては「小さな女の子のまま」で止まってしまっていることもあるんです。
だから
女性であることをなかなか表現できない。
女の私を表に出そうとすると、恥ずかしく感じてしまう。
なかには「スカート、ほとんど持ってない」ことも。
恋愛では
異性から好意を持たれたとき「気持ち悪い」と感じてシャッターを下ろしてしまったり。
「こんな私が、異性から好かれるわけがない」と感じていたりするんですね。
また
表面的には「女性の私」をつくって見せているけれど、
「役割として女性やってる」感じがあって
内面では「女の私」を自己否定していることも、あるんです。
長い間
「女であること」「女子であること」を素直に表現できない感じを
持ち続けてきたかもしれません。
だから
「女子です〜」な女性を見ると、むかつく。
頼っちゃう系女子を男性が面倒みているのを見ると、さらにむかつく。
これ、基本です。
思っちゃいますよね。
だけど。
心の奥では、こんな声も聞こえているかもしれません。
私だってほんとうは。
誰かに頼りたいのに。
誰かに守ってほしいのに。
それは、自分でもふだん意識していない
心の奥にいる「女の子の自分」からの声なんです。
もし、そんなささやきをときどき聞いているのだとしたら。
自分の中の女の子の訴えを、聞いてあげようと思うこと。
そのうえで
「女の子の私」を表に出られるようにしてあげること。
そしてゆくゆくは
小さな女の子を大人の女性に成長させていくこと。
大人の女性のセクシャリティを表に出せるようにしてあげること。
それをしていくと、いいんです。
「結婚」することへのねじれ
ほんとうは家を継がなきゃいけないのに、という気持ちを抱えていることで
結婚やパートナーを持つことに、ねじれが生じていることもあります。
家を継ぐことを期待されてるんじゃないか。
だけど、家に縛られる生き方はしたくない。
この相反する思いに悩んできた分だけ
結婚に抵抗が出ることが、あるんです。
それは
結婚とは、家を継ぐこと。
子どもを産むとは、家を存続させること。
そして、子どもに自分と同じ悩みを抱えさせるということ。
「結婚すること」に、どこかいいイメージが持てないのは
もしかしたらこんな気持ちが、心の奥にあるからかもしれません。
結婚というと
親戚とかの面倒なことがありそう。
家と家のことだから、そこで揉めたら大変そう。
結婚したら、不自由になる感じがある。
結婚したら、女性ばかりが損をする。
もしかしたら、こんなイメージもあるかもしれません。
こんなに面倒な親戚にわずらわされたら、未来の夫も巻き込むことになる。
それは夫に申し訳ない。
面倒なことに巻き込むくらいなら、自分はひとりのままでいい。
心の奥にこんな気持ちも、あるかもしれません。
そして深層心理で
「家を継がない結婚」は、家を裏切ること
と思っている分だけ、動けない。
パートナーを持つ方向に進めないまま、でいることもあります。
相反する気持ちがあると、右にも左にも行けないから。
進めないんです、止まったままなんです。
婚活したほうがいいのはわかってるんだけど、やる気にならない。
婚活するものの、ぜんぜんうまくいかない。
そんな形で止まっていることも、よくあるんですね。
だとしたら。
「ほんとは家を継がなきゃいけないんじゃないか」という気持ちを
おろしていくといいんです。
長い間
「家を継がなきゃいけないんじゃないか」
「だけど、継ぎたくない」
のはざまで、心に葛藤を抱え続けてきたかもしれません。
ふたつの相反する気持ちを持ち続けることって、しんどいことなんです。
だから、まずは「家を継がなきゃいけないんじゃないか」という重しを、おろしていくといいんです。
自分の人生、生きていいんだよって。
心の奥の「女の子の私」を救い出す
周りがパートナーを作って結婚していく中で
「自分だけ、取り残されている」と感じてきたかもしれません。
もし、「自分だけ取り残されている」と感じてきたのだとしたら。
それは、あなたの中の「女の子の私」が「見つけてほしい」と言っているのかもしれません。
表に出られないけど、私を見つけて。
表に出られない「女の子の私」を発見してくれる誰かを、待っているのかもしれません。
塔に閉じ込められたお姫様が、王子様が現れることを待っているように。
だけど、「女の子の私」をまず見つけてあげるのは
あなた自身、なんです。
自分が自分とつながる。
それが、第一歩。
自分が自分とつながるから
表に、出してあげることもできるんです。
そして「女の子の私がいること」を好きな彼に見せられるようにも、なるんです。
自分がつながっていないままだと、表に出してあげられない。
好きな彼に、女の子の私の存在を知ってもらうこともできない。
だから
まずは自分が自分とつながること。
女の子の自分と、つながること。
そして
男性性はたくさん使って、たくさん発達・成長させてきたけれど
女の子の私、女子の私、女性の私はあんまりやってきていないとしたら。
女性の部分が、小さな女の子のまま止まっていたりするんです。
だから、成長させてあげること。
だんだんと、少しずつ
小さな女の子の自分を、大人の女性へと成長・変身させてあげるといいんです。
そしてそれを、心の奥の「女性の私」は待ち望んでいたりしませんか。
女性として、幸せになっていい
これまで、カウンセリングで出会ってきた
家を継がなきゃという葛藤を抱える女性たちは
豊かな女性性をもっていると感じることが、とても多かったんです。
いろんな事情があって
「女子として生きる私」を封印して
しっかり者の長女として男性的に生きてきたけれど。
ほんとうはとても女性らしい感性や繊細さのある、愛情深い女性なんです。
そして
ほんとは私だって、誰かに守られたいのに。
ひとりで生きていきたいわけじゃないのに。
という声と同時に
ほんとうは誰かを、女性としての愛したいのに。
ほんとうは豊かな女性性や母性を注ぎたいのに。
それができないでいる悲しみをもっている。
心当たりは、ありませんか。
そして
女としての美しさを自分の内側から表現してみたい。ほんとうは。
そんな気持ちも、あるのではないでしょうか。
ぜんぜん、だいじょうぶです。
ぜんぜん、できます。
いつからだって、ぜんぜんできます。
そしていったん「女性としての私」を表現することができ始めたら
豊かな女性性が自分の中にあったことに、気づくはず。
そしてそれは、あなたがこれから出会う彼への贈り物にもなるものなんです。
ほんとは豊かな女性性があることに、気づいてますか?
女としての私を表に出させてあげませんか。
そのためには
背負ってきたものを下ろしていいと自分にいってあげること。
そして、女性としての私を幸せにしてあげたいと思うこと。
そこからはじめてみませんか。
もちろん、いくらでもお手伝いをさせていただきたいと思っています。
女としての幸せをあなたが生きられるように。
ぜひ一度、お話を聞かせてくださいね。