人生やり直したい・停滞感

うまくいかなかった思いと、さよならするために

中村陽子/心理カウンセラー
「なんか、うまくいかなかった……」
「失敗しちゃった」

そう思うと、ズシーンと落ち込んでしまう。

うまくいかなかった、うまくいかなかった、うまくいかなかった……。
そんな思いに心が占領されてしまって、気持ちが沈んでしまうこと。
ありますよね。

「できなかった。うまくいかなかった」と感じて、ズシーンと落ち込んでしまうとしたら
それだけ「ほんとうは、うまくやりたかった」という想いが、いっぱいあったということなんです。

うまくやりたかった想いが大きければ大きいほど、「失敗しちゃった」とズシーンと落ち込んでしまうんです。

心の奥で
できなかった、できなかった、できなかった……と、自分にダメ出ししちゃう心理が働くからです。

自分にダメ出ししちゃう心理が働いているときって、
「うまくやりたかった」という想い(これ自体は、いい想いのはずなのに)
に、目が向かなくなっちゃってるんです。

「できなかった自分」「失敗しちゃった自分」に、意識が向いてしまってるんですね。

そして、ズシーンと重たい気分で、立ち上がれなくなってしまう……

そんなときは、誰かに話を聞いてもらえると、ほんとうはいいんですね。

人に話して
「そっか~。失敗しちゃったと思っちゃったんだね」と受け止めてもらえたことで、ふと気持ちが軽くなったりします。

聞いてもらえる人が、すぐに見つからないときは
「失敗しちゃったと思ってるんだね」
「うまくいかなかったと思ってるんだね」と
自分の中の「失敗しちゃった思い」を、自分で受け止めてあげます。

いいとか、悪いとか。
もっとこうするといい(改善策)とか……。
そういうのは、いったん横に置いて。

「そっか。失敗しちゃったと思ってるんだね」と
そのまま、受け入れてあげます。

「失敗しちゃった思い」に、そっと手を触れながら、
「そっか~。失敗しちゃったと思ってるんだね」と、寄り添い、受けとめ
「失敗しちゃった思い」を抱きしめます。

「よくがんばったね」と、その子のがんばりを認めてあげてほしいのです。

これ、自分だけでできたら、ほんとうにすごいです。
自分のネガティブな気持ちに寄り添うことって、難しいものだから。

人に聞いてもらうといいですよ~。
誰かに受け止めてもらうといいですよ~。

というのは、そのためなんです。

「昨日、失敗しちゃって」という短期的なものもあれば、
「昔、こんな失敗をしてしまった」という長期的なものもあります。

昔の
「ほんとうはうまくやりたかったのに。でも、できなかった」という思いを抱え続けているのって、とてもしんどいものです。

「自分なりにがんばったのに、そのときはなぜかうまくいかなかった」だけなのに。

自分では、なかなかそう思えない。
「できなかった自分、だめじゃん」って。
ずっと思い続けてしまう。

それって、とってもしんどいこと。

だからこそ。
「うまくできなかったって、ずっと思ってきたんだね」と、誰かに受け止めてもらってほしいなと思うんです。

無念さも、あるかもしれません。
「うまくやりたかった」という想いが大きいほど、無念さがあったりするんです。

誰かに受け止めてもらったとき、もしかしたら無念さの感情や悲しい気持ちが出てくるかもしれません。
そのとき、誰かに受け止めてもらいながら、リリースできるといい。

無念さや悲しい気持ちを、誰かに受け止めてもらいながら、リリースするんです。
感情が自然に流れ出ていくのに任せて、リリースするんです

すると、少し気持ちが軽くなります。
一人で抱えていたときより、きっとずっと、軽くなります。

さらに。
もう一歩、心の奥を覗いてみると
「誰かのために、うまくやりたかった(のに、できなかった)」という想いが、あったりします。

つまり、<その人に、贈りたいものがあった>ということ。

喜ばせたかった
笑顔が見たかった
役に立ちたかった
助けたかった……

そんなやさしい思いが、あるんです。

贈りたかったものを、贈れなかったからといって
自分のこと「だめだ~」と思う必要、ほんとうはないはず。

だから。
誰かに話して「そっか~。そんなふうに思ってたんだ」と受け止めてもらってほしいなと思うんです。

誰かに受け止めてもらうことができたらね、
「できなかった思い」を、自分でも受け入れることができるから。
「できなかった思い」に、居場所をつくってあげられるから。

だって、これまでずっと、その「できなかった思い」は、あなたの中で居場所を与えてもらえなかったはずだから。

「できなかった思い。←これがだめ」と、責められていたんです(自分に)。
だけど、どんな思いも、心の中に居場所を与えられないと、苦しくなっちゃうんですね……。

「できなかった思いも、いていいよ。自分の中に」
「できなかった思いが、あってもいいんだよ。自分の中に」

だって。できなかった思いの下にあるものは、あたたかな想い、だから……。

そう思えるとね。
心が軽くなります。
長い間のズシーンという重たい感じも、スッと溶けていくでしょう。

「できなかったって、ずっと思ってきたんだな。だけど、こんなふうにだめって思う必要、なかったのかもしれないな」って。
そう思えたとき、スッと溶けていくでしょう。

こだわりが、消えるから。
できなかった思いへの、こだわりが消えるから……。

すると。
いまよりもすんなりと、前に進む力が出てきます。
過去の思いに引っ張られなくて、すむようになんです。

友達でも、カウンセラーでも。
誰かに話して、気持ちを受けとめてもらってくださいね。

なぜか止まってしまっている地点から
先に進んで、自分のための幸せを手にすることができますように

この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
記事URLをコピーしました