恋愛心理学

あなたは何を大事に生きていきたい? どうなりたいかインタビュー

中村陽子/心理カウンセラー

これから先、自分がどうなりたいか。
漠然としていてよくわからない。

そんなお悩み、お持ちではありませんか。

自分がどうなりたいか、何が好きで、何を大事にしたくて、どう生きていきたいか。
それが見えていたほうが、心が喜ぶ生き方ができるんですよね。
自分の心が喜ぶ生き方。そうそう、これがしたかったんだという生き方。

ノートに、自分がしたいこと、なりたい姿、何が好きで、何が嫌いで、何を大事にしたいのかを書いていくといいよと言いますよね。
それ、私自身もよくやるし、やってる方も多いと思うんです。
で、何度も何度も書いてみることで、ぼんやりとでも「こっちの方向に進みたいのかな」「こういうことをしたいのかな」が見えきます。

なのでノートに書くやり方、おすすめなんですが。
さらに、おすすめの方法があるんです。
それは、誰かに聞いてもらうやり方です。

あるカウンセリングの一コマ。
なかなか結婚できないというお悩みをお持ちだったSさん。
面談カウンセリングを何回かうけて、結婚を妨げる心のブロックがはずれたようでした。

Sさんの今回の面談の希望は、「自分はどんな人と結婚したいのかを描きたい」というもの。

そこで、根掘り葉掘りSさんに「どんな結婚生活がしたいかインタビュー」をしていったわけなんです。

どんな相手と生きていきたいかを描くには、これから先、どんな生き方ができたら、どんな家庭がつくれたら、どんな毎日を過ごせたら自分は幸せに思えるんだろうを掘り下げていくといいんですね。

いろいろインタビューしていくと、「仕事もしたいし、家のこととか当たり前のようにしてくれる人がいい」というオーダーが浮かび上がってきました。

ですが……。さらにインタビューしていくと、ぜんぜん違うものが浮かび上がってきたんです。

Sさんに、「ダンナさんや子どもができたら、何を与えてあげたいですか、どんなふうに愛してあげたいですか」と聞いていったところ、あふれんばかりの「愛情いっぱい、注いであげたい」という想いが出てきたんですね。

ダンナさんを応援してあげたい、大丈夫だよ~って言ってあげたい、ダンナさんに夢があるならそれを叶えるサポートがしたい、子どもたちにはおいしいごはんをつくってあげたい……。家族7割、仕事3割くらいで、家族にいっぱい愛情を注いであげたい。

そんなふうに話しているうちに、Sさんはこう言いました。
「あれ? 私、ずっと仕事優先の生き方がいいと思ってたけど。話してみたら、ぜんぜん違いますね。ずっと婚活するにも『家事分担を言わなくてもやってくれる人がいい』とか『私は結婚しても、バリバリ仕事したいと思います』という前提で、相手を探そうと思ってたけど。こうして話してみると、ぜんぜん違いますね」

そうなんです。
そういうことって、あるんです。

いろいろな事情があって、私たちは心のブロックを持つことがあります。
結婚したいけど、なかなかうまくいかないことが続いていたとしたら。
そこには、なんらかの「結婚を妨げる心理的なブロックがある」わけなんです。

そして心の奥で「自分は結婚しないかもしれない」と思い、たとえばこんな気持ちを持つようになるんです。

「自分にはこういうものは手に入らない」
「自分には、あたたかい家族は手に入らない」
「自分には、頼れるダンナさんは手に入らない」
「自分には、守ってもらえる生き方は手に入らない」

で、これらの気持ちを持つと
「じゃあ、自分の足で立っていけるようにならなきゃ」
「ずっとひとりで生きていけるように、仕事で認められるようにならなきゃ」
などと思って、頑張る生き方をするようになります。

「手に入らない」から、手に入らない前提の生き方をつくろうとするんですね。

これが、カウンセリングで話をしていく中で、「あたたかい家族は手に入らないと思ってたけど。そうじゃなかったんだ。自分はあたたかい家族がほしいんだ」と心のブロックがはずれていくと、「手に入らない前提」でモノを考える必要がなくなるわけなんです。

ほんとうはあたたかい家族がほしいんだ。
知らない間に諦めてたけど、ほんとうはあたたか家族をつくりたかったんだ。

こんなふうに「自分のほんとうにほしいもの」や「自分の心が望んでいること」が見えてくると、軸が変わるんです。

手に入らない前提から、手に入る前提へ。

生き方の軸が、変わっていくんですね。

Sさんへの「どんな家族をつくりたいのか」「何を大事にしていきたいのか」「どんなふうに愛したいのか」インタビューでは、その変化がとてもクリアに出てきたんですね。

ほかにもいろんな角度から、「結婚してから、何を大事にしていきたいか」インタビューをしていきました。

インタビューの最後には
「自分がこんなふうに思っていたなんて。ぜんぜん気づかなった。
いままで私は仕事優先にしたいんだ、それが大事なんだってずっと思ってきたけど。話してみたら、ぜんぜん違ってました。私は家族に愛情を与えるほうに力を注ぎたいみたいです。話してみて、ずっとこっちのほうがしっくりきました」
とおっしゃっていました。

どんなふうに生きたいかインタビューに答えていくうちに、「これまで思い描いたことがなかったもの」が出てくることって、けっこうあるんです。
心の中にほんとうはあったけど、「きっと無理だろうな」と諦めていたようなもの。

「自分には、ほんとうは、これが大事かもしれない」
「こんなふうに生きられたら、きっと自分の心はよろこぶと思う。満たされると思う」

そんな大切ななにか。

諦めを抱えているうちは、なかなかダイレクトに見えてこないこともあります。
だけど見えてくると「あ、そうそう。自分はこんな生き方がしたいんだった」としっくりくるようなんです。

心のブロックがはずれると、これまで「自分はこういうふうに生きていくんだろうな」と思ってきたものよりも、心がよろこぶ「こんなふうに生きたい」「これを大事にしていきたい」が見えてきたりします。

そして、自分がどんなふうに愛情を注いでいきたいのかが見えてくると。
「私と一緒になったら、たのしいよ~。幸せだよ~」という気持ちも出てきたりするんです。

一石二鳥。

ということで。
面談カウンセリングでは、こんなこともしているので。
よかったら、使ってみてくださいね。

「心の癒しをコツコツやってきて。どうなりたいかを見つけていきたいな」という気持ちのときにも、おすすめです。

(Sさん、掲載していいですよと言っていただいて。ありがとうございました!)

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。 30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。 ツイッター@nakamurayoko70
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