育休明けの女性にやさしくできない心理

中村陽子/心理カウンセラー

「育休明けの同僚が職場に戻ってきた。
周りのママ社員や男性社員は彼女を喜んで迎えてるけど、私は彼女にやさしくできない」

そんな独身女性の声、よく聞きます。

「子どもが熱を出したからってよく休むけど。その分の負担はぜんぶ独身に回ってくる。
ホント不公平。むかつく」

「育休中の女性が赤ちゃんを連れて、職場にやってきた。
即効、逃げた。
『連れてこないでほしい』と、まじ思った」

「育休明けの同僚が戻ってきたときに、『お帰りなさい』と笑顔で迎えた。
一週間ずっと心の準備をした。『戻ってくる。笑顔で迎えなきゃ』と。
そのあと、自分へのご褒美に、腕時計を買った。
育休明けの同僚に、笑顔ができたご褒美として。
育休女性は43歳、私は44歳。ほんとうはつらかった」

こんな叫び。ありませんか。
周りに言えないから、つらいよね。

「どうして独身女性ばっかり損しなきゃいけないの!」とイライラしているとき。
そんな自分が嫌になったり、しますよね。
なんで、やさしくできないんだろう。
以前の私、もっとやさしかったはずなのに。
私、性格悪いよね……。

やさしく接することができない自分に、自己嫌悪

でも。
性格が悪くなったわけじゃないんです。
気持ちの持って行き場がなくて、イライラしたり、むかついたりしているだけなんです。

もしかしたらイライラの下に、
本当は「私も子どもがほしい、家族をつくりたい」という思い、ありませんか?

私も子どもほしい、家族つくりたいのに、それができないのがつらい。
子どもを持って、家族をつくって、自分の愛情を注ぎたいのに注げない。それが苦しい。

ママ社員を見たときに、チクリと胸が痛むのは、
私だって、誰かに愛情を注ぎたい。
でも、いまはそれができない」
ことが苦しいのかもしれません。

性格が悪くなったわけじゃなく。
愛情を注げないのが、しんどいんです。
ほんとうはだれかに、わたしの愛をそそぎたいのに。

ママ社員へのイライラが大きければ大きいほど、
あなたの愛情タンクが大きいということなんです。

だから。
むかついちゃう自分を責めないで。
冷たくしちゃう自分を責めないで。
そっか。と、まずは自分の気持ちを受けとめてみてほしいんです。

「そっか。つらいよね。子どもがほしい、家族をつくりたい気持ちはこんなにいっぱいあるのに、それを持てていないから。だからママさんに、冷たくしちゃうんだよね」

自分の心の奥の声を、わかってあげてほしいんです。

そっか。つらいよね。
ほんとうは ほしいもんね。
かぞく。

そして。
自分の心に聞いてみてほしいんです。

もしかしたら、家族を持てないと思ってる?
「私には無理」とあきらめてる?

家族になろうと思っていた人と別れた悲しみや、子どもを持てなかった悲しみ。
あなたの中にありませんか?

結婚したいと思っていた彼と、別れた。
彼の子どもをほしいと思ってたけど、叶わなかった。
ずっと好きだった彼がいた。
そんな悲しみです。

「ほんとうはもっともっと愛したかったのに、できなかった」
この思いが、あなたの時計を止めているのかもしれません。

もしくは
私は結婚できない(結婚を考えられない)。
だから私は、家族をもてない。
そんなマインドが、あなたの中のどこかに、あるのかもしれません。

それでも
ほんとうは かぞく ほしい。
ほんとうは だれかを 好きになりたい。

あなたの胸の痛みは、こんな思いがあることを教えてくれているのかもしれません。

もう一度、あなたの愛を注げますように。

もし心当たりがあるのなら。
お話を聞かせてくださいね。
時計の針を、進めてみませんか?

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この記事の執筆者
中村陽子/心理カウンセラー
中村陽子/心理カウンセラー
4500件以上の個人カウンセリングを行う。婚活がうまくいかない、片思い、異性とお付き合いしたことがない、出産タイムリミットへの焦りなど、女性の生き方のお悩み、人生やり直したい、何がやりたいのかわからないなど自己実現のお悩みを数多くお伺いしています。
私自身、30代後半に子どもがほしいと結婚し、39歳で離婚して、40代前半は諦め&人生迷子のどん底期を味わい、45歳から「50代、60代でも花開く人生」をつくりはじめて、今にいたります。 自分らしい生き方のお手伝いしています。
ツイッター@nakamurayoko70
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