結婚にいいイメージがない。原因は母親にある!?
結婚したい。
……はずなのに、結婚して幸せそうにしている自分が、どうしても思い浮かばない。
結婚したら、我慢するのは結局、女の方でしょ。
家事も、育児も、気づいたらぜんぶ私がやることになっていそう。
友達の「結婚っていいよ」が、なんだかきれいごとに聞こえてしまう。
同僚が「うちの旦那がさ〜」とこぼしているのを聞いて、
心の中で、「ほらね」と思ってしまったり。
婚活をしていても、
男性の頼りないところばかりが、目についてしまう。
こんな気持ちになること、ありませんか。
結婚したいのに、結婚にいいイメージが持てない。
そんなお悩みを、よく伺います。
結婚に向いていないわけじゃない
結婚に、いいイメージが湧かない。
そうなると、つい自分に向かって言いたくなりますよね。
私、別に結婚しなくてもいいのかな。
ひとりでいたほうが、ラクだし。
そもそも、結婚に向いていないのかな。
だけど。
結婚にいいイメージがないのは、
あなたが冷めているからでも、結婚に向いていないからでもないんです。
もしかすると、その理由は、もっとずっと手前。
あなたが子どもの頃に、いちばん近くで見てきた「結婚」にあるのかもしれません。
ここで少しだけ、思い出してみてください。
子どもの頃、こんな言葉を聞いていませんでしたか?
「お父さんって、本当に何もしてくれない」
「頼りにならないのよ」
「お父さんなんかと、結婚しなきゃよかった」
「私ばっかり、大変」
台所で。
車の中で。
お父さんがいない夜に。
お母さんが、こぼしていた言葉。
お母さんにとっては、ただ愚痴を言っただけだったのかもしれません。
でも、子どもはそうは受け取れないんですね。
大好きなお母さんが、大変そう。
お母さんが、つらそう。
すると子どもの心の中では
「お母さん、かわいそう」
「私が、お母さんの味方でいなきゃ」
そんな気持ちが、むくむくと育っていきます。
子どもにとって、お母さんは世界のほとんどです。
そのお母さんが嫌な顔をしているのは、子どもにとって、避けたいことなんですね。
「私はお母さん側」と決めた日
お母さんの愚痴を聞いて育つと、こうなることが多いんです。
お母さんの「側につく」。
家庭の中で「お母さん側」と「お父さん側」があるとしたら。
私は、お母さん側。
すると
「お母さんが正しい。お父さんは間違ってる」
「お父さんは頼りないんだ」「お父さんは勝手なんだ」(お母さんがそう言ってるから)
そんなふうに思うようになっていきます。
そうやってお母さんの味方になることで
お父さんに、ちょっとずつ×印をつけていきます。
そして、お母さんの愚痴の聞き役になる娘も少なくありません。
「うんうん」と聞いて、お母さんの気持ちをなだめる。
お母さんを困らせないように、しっかりした子になる。
お父さんに頼らなくても大丈夫なように、自分で何でもできる子になる。
気がつくと
お父さんのことを見下すようになると同時に
気づくと「お母さんの夫のポジション」に、「娘の私」が入っていることもあるんです。
そして「しっかり者」「ちゃんとしてる」と言われながら
お母さんを支えながら
「男性に頼れない、甘えられない女性」ができあがっていくのです・・・。
お父さんの姿が「男の人」になり
お母さんの結婚が「結婚」になる
そして、それが大人になってからの恋愛・婚活にどう影響するのか。
女の子にとって、父親は、
「男の人って、こういうもんだ」という男性像を作る、最初の身近な存在なんですね。
だから
「お父さんは頼りない」が、「男の人は頼りない」になっていく。
「お父さんは自分勝手」が、「男の人は自分勝手」になっていく。
そして、もうひとつ。
「お母さんは、結婚して苦労してた」が、「結婚すると、女は苦労する」になっていく。
子どもにとっての結婚生活は、両親がモデル。
その結婚が、愚痴の中で語られるものだったとしたら。
結婚って、我慢すること。
結婚って、女が損をすること。
結婚って、夢を手放すこと。
そんなイメージが、いつのまにか心の奥に積もっていくんですね。
しかもこれ、本人はほとんど気づいていません。
あまりに当たり前の前提になっているから。
すると婚活をしていても、
目の前の男性を、その人自身として見るのではなく、
その前に「どうせ男の人って」というメガネをかけて見るようになることがあります。
すると当然、欠点の方がたくさん目につきますよね。
ちょっと気が利かないだけで、「やっぱり男の人って気が利かない」。
LINEの返信が遅かっただけで、「もう大事にしてくれない」。
お店選びに迷っているだけで、「やっぱり頼りない」。
でも、そう思っている本人は、
「私はちゃんと、相手を見極めてる」と思っているんですね。
もちろん、自分と合わない男性もいます。
でも場合によっては、いい男性がいないのではなくて、
男性のいいところが、見えにくくなっていることもあるんです。
お父さんの愛情を受け取らなくなる
そして、もうひとつ。
こちらは、もう少し深いところの話です。
お父さんに×印をつけたまま大人になると、
お父さんからの愛情まで、受け取れなくなることがあります。
「お父さんは悪い人」
「お父さんは勝手な人」
「お母さんを苦しめた人」
そう思っていたら、
お父さんがあなたのことを思ってくれていても
それを、お父さんからの愛情だと感じにくくなるんですね。
というよりも。
感じない方がいいもの、になってしまうんです。
だって。
「あれ? お父さん、本当は私のことを大事にしてくれてるのかな」
そう気づいてしまったら、
「お母さん側」に、立てなくなっちゃうからです。
だから「自分がお父さんから大事に思われていたこと」を、ないものにしてしまう。
そして、その感覚が、大人になってからも出てくるんですね。
男性から、好意を向けられたときに。
男性が「会いたいです」と言ってくれる。
でも、「暇なだけじゃない?」
男性が「かわいいですね」と言ってくれる。
でも、「誰にでも言ってるんでしょう?」
男性が「また会いたいです」と言ってくれる。
でも、「そんなの、社交辞令でしょ」
そうやって「疑い武装」をするようになるんです。
男性からの好意、やさしさを「疑い武装」でシャットアウト。
まったく、受け取らない。
なのに
「私って、男性から好かれないし」
「私って、男運がよくないし」
「私は、いいなと思う人とはうまくいかないし」
と思い込んでしまうんです。
ここまでを、図にしてみますね。
お母さんの愚痴を聞く
↓
お母さん、かわいそう。私はお母さん側
↓
お父さんに×印をつける
↓
「男の人は頼りない」
「結婚すると女は苦労する」
↓
お父さんの愛情も、男性からの好意も、受け取れなくなる
ほんとは、愛されていなかったわけじゃなくて
「受け取ること」が、難しくなっていただけなのかもしれないんです。
40歳のAさんの場合
実際に、こんな女性がいました。
(書いていいですよ、と言っていただきました)
40歳のAさん。
婚活がうまくいかない、というご相談でした。
Aさんは、こんなことを言っていました。
「何十人会っても、全然いいと思えないんです」
「私のところには、変な人しか来ないんですよね」
過去にお付き合いした男性は、束縛が強かったり、Aさんを見下してきたり。
そして、Aさんがいいなと思う男性は、なぜか距離を縮められない相手ばかり。
なかなか会えない。
向こうから近づいてこない。
関係が、進んでいかない。
婚活を始めても、「この人はダメ」「この人も違う」「この人も頼りない」。
そこで、私は聞いてみたんですね。
「Aさんのお父さんって、どんな人ですか?」
すると、ものすごくたくさん出てきました。
自分勝手、思いやりがない、頑固、子育てしない、自分の趣味ばっかり。
出るわ、出るわ。
そこで、もうひとつ聞いたんです。
「それって、誰から聞いた話ですか?」
Aさんは少し考えて、こう答えました。
「……母ですね」
Aさんのご両親は、Aさんが子どもの頃から夫婦仲が悪くて、
最終的にお父さんは家を出て、別居するようになりました。
Aさんは子どもの頃からずっと、お母さんからお父さんの愚痴を聞いていたそうです。
「結婚相手を間違えた」
「お父さんのせいで、私は苦労した」
両親がもめていた頃には、お母さんから
「離婚したら、お母さんについていくって言いなさい」
と言われたこともあったそうです。
子どものAさんからしたら、何を感じると思いますか?
お父さんの側に行ったら、お母さんが悲しむ。
だから、Aさんはお母さんの側につきました。
お父さんには×、お母さんには○。
そして「お父さんは、私たちを傷つけた人」と思うようになっていったのです。
「私だけ、幸せになるわけにはいかない」
セッションで繰り返し話す中で、
Aさんは、こんなことにも気づいていきました。
「私はずっと、お母さんが幸せじゃないのに、
自分だけ幸せになってはいけない。
自分だけ男性から愛されるわけにはいかない。
そんなふうに、思っていたのかもしれません」
これ、すごく大事な気づきです。
そして、自分ではまるで気づけないことでもあるんですね。
頭では、結婚したいと思っている。
でも、心のどこかで
男性と幸せになることは
お母さんから離れて、
お母さんを一人にしてしまうことのように感じている。
どこか「お母さんを裏切る感じ」になっちゃうんです。
だから
「私は、男運が悪いんだ」
「私は、いい人に出会えないんだ」
「ひとりでいたほうが、ラクかもしれない」
と自分に言い聞かせるんです。
いわば、幸せにならない呪文を自分にかけているかのように。
そして
いい人がいても、好きになれない。
好きになるのは、距離を縮められない相手ばかり。
そうすれば、「お母さんを裏切らない」でいられるからです。
これ、無意識でやってるんです。
無意識だから、気づけない。
だけど、このパターンで
「婚活がうまくいかない」
「なぜか恋愛がうまくいかない」
「私は、結婚向いてないのかな」
と思うようになっていること、本当に多いんです。
そして、こんなくり返しが起きやすくなります。
結婚にいいイメージがない
↓
婚活しても心が動かない。近づくと距離をとる
↓
「やっぱり、いい人がいない」
「結婚って大変そう」
↓
「私は、結婚に向いてない」
↓
ますます、結婚が遠のいていく
自分の結婚を思い描こうとしても、
浮かんでくるのは、いつもお母さんの結婚。
「私、そもそも結婚したいのかな?」
お父さんなりの愛情に気づいたとき
セッションの中で、Aさんと一緒に、お父さんについて見直していきました。
すると、少しずつ、出てくるようになりました。
「お父さん、家を出てからも、毎年誕生日にメールをくれていたな」
「仕事で異動になったとき、『大丈夫か』って連絡をくれていたな」
「子どもの頃、旅行にも連れて行ってもらったな」
いろいろ、お父さんから大事に思われていたことを、思い出していきました。
お父さんなりに、ずっと気にかけてくれていたんだ。
やっと、気づけたのです。
「お父さんと仲良くしたら、お母さんを裏切ることになる」
その呪文がほどけていったのです。
そう気づけたとき、Aさんの中の男性に対するイメージも、少しずつ変わり始めました。
Aさんに必要だったのは、
お母さんを嫌うことでも、お父さんを無理やり好きになることでもありませんでした。
ただ、
「私はもう、お母さんのそばにいなくてもいいのかもしれない」
と気がつくことだった。
心のからまりがほどけていった結果、
Aさんは婚活アプリで、ある男性と知り合いました。
おだやかで、やさしい人でした。
Aさんがご飯を作ったら、彼が食器を洗ってくれる。
誕生日には一緒にお店を選んで、ケーキにロウソクを立てて、お祝いしてくれる。
Aさんが「東京のどこどこのお菓子。おいしいんだよね」と言ったのを覚えていた彼は
出張にいったとき、朝一番でそのお菓子を買いに行ってくれた。
すべては、Aさんを喜ばせるために。
あとから聞くと、彼は出会って2回目くらいには、
「この人と、ちゃんと付き合いたい」と思っていたそうです。
「素敵な人だから、ほかの人にとられるんじゃないかと思った」って。
以前のAさんだったら、
彼の好意を「本当かな」と疑っていたかもしれません。
おかしい、私にそんなことがあるわけないって。
私に対して、そんなふうに思う方がおかしいんだって。
だけど、やっと気づけるようになったんです。
「あ、彼は私のためにやってくれてるんだ」
「私、彼からの愛情を受け取ってもいいんだ」
そして、彼との結婚が決まりました。
Aさんは、こんなことを言っていました。
「こんなにやさしくて穏やかな男性って、いたんですね。
男性から、こんなに大事にされるのって初めてなんです。
だけど、きっとずっと前から、こういう男性はいたんだと思います。
私の前にも、現れていたんだと思うんです。
ただ、私にはその存在を見ることができなかった。
目の前に現れていても、スルーしていたんだと思います」
結婚にいいイメージがないのは、やさしさの証拠
もし今、あなたが、
結婚にいいイメージが持てない。
男性を、なかなか信用できない。
好意を向けられても、ピンとこない。
なのに、好きになるのは、距離を縮められない相手ばかり。
そして、もしかして、あなたも
お母さんの愚痴を聞いて、「お母さん、かわいそう」と思ってきたのだとしたら。
結婚にいいイメージがないのは、
それだけ、お母さんのことを、自分のことのように感じてきたからなんです。
小さなころから愚痴の聞き役をして
お母さんの側について
お父さんに×印をつけてまで。
それは、ひねくれているのでも、冷めているのでもなくて。
とても、やさしい娘だった証拠です。
だから。
お母さんを、嫌いにならなくていいんです。
お父さんを、無理に好きにならなくてもいい。
ただ、もう、お母さんのそばを離れていい。
お母さんの結婚の物語の中で、生きなくていいんです。
お母さんの結婚と、あなたの結婚は、別のもの。
あなたは、あなたの結婚を、自分で描いていいんです。
自分の幸せを、もう後回しにしなくていいんです。
ひとつだけ自分に聞いてみてください。
「私は、どんなふうに誰かと生きていきたい?」
すぐに答えが出なくても、だいじょうぶです。
その問いを持てたことが、もう一歩なんですね。
お母さんの物語から、あなたの物語へ。
あなたが、あなたの幸せを選んでいけますように。

